問題
図のような交流回路において,電流I=10A,抵抗Rにおける消費電力は800W,誘導性リアクタンスXL=16Ω,容量性リアクタンスXC=10Ωである。この回路の電源電圧V[V]は。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
抵抗・コイル・コンデンサが直列につながった回路の電源電圧を求める問題です。まず、抵抗で消費される電力 P=I²R から抵抗値を出します。800W÷(10A)²=8Ωです。次に、コイルとコンデンサのリアクタンスは向きが逆なので、引き算して 16−10=6Ω になります。抵抗8Ωとリアクタンス6Ωは単純に足すのではなく、直角三角形の斜辺として √(8²+6²)=10Ω と求めます(これをインピーダンスといいます)。電源電圧は 10A×10Ω=100V です。正答はイ(100V)です。
【手順1:抵抗値】
抵抗で消費される電力 P=I²R より、R=P/I²=800/10²=8 Ω。
(コイルとコンデンサは電力を消費しないので、800Wはすべて抵抗の消費電力です。)
【手順2:合成リアクタンス】
直列回路では誘導性と容量性のリアクタンスが打ち消し合います。
X=XL − XC=16 − 10=6 Ω(誘導性)
【手順3:インピーダンスと電源電圧】
Z=√(R²+X²)=√(8²+6²)=√100=10 Ω
V=I × Z=10 × 10=100 V → 正答はイ。
【間違えやすい点】
・ア(80V)は抵抗の両端の電圧 VR=10×8=80V だけを答えたものです。
・各部の電圧 VR=80V、VL=160V、VC=100V を単純に足しても電源電圧にはなりません。電圧はベクトルで合成します。
【ベクトル図で考える】
直列回路では電流が共通なので、電流を基準にとります。
・VR=80V(電流と同相)
・VL=I·XL=160V(電流より90°進み)
・VC=I·XC=100V(電流より90°遅れ)
VLとVCは逆向きなので差し引き60V(進み方向)が残り、VRとの合成は √(80²+60²)=100V になります。コイル単体の電圧160Vが電源電圧100Vより大きくなるのは、LとCの電圧が互いに打ち消し合っているためで、直列回路では珍しくありません。
【力率と電力の確かめ】
力率 cosθ=R/Z=8/10=0.8(遅れ)。
有効電力 P=VI cosθ=100×10×0.8=800 W となり、問題文の800Wと一致します。
無効電力 Q=VI sinθ=100×10×0.6=600 var(=I²X=100×6)、皮相電力 S=1000 V·A。
【直列共振との関係】
XL=XC になるとリアクタンスが0になり、インピーダンスは抵抗だけ(Z=R)で最小になります(直列共振)。このとき電流は最大となり、LやCの端子電圧が電源電圧の何倍にもなることがあります。高圧進相コンデンサに直列リアクトルを入れる回路でも、リアクタンスの差し引きという同じ考え方を使います。
【解き方の型】
「抵抗の電力が与えられたら R=P/I²」「直列のLとCは引き算」「Rと X は三平方」の3段階は、電工一種の交流回路計算で繰り返し出てくる型です。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:平成30年度 第一種電気工事士 学科試験 問4(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


