衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 労働衛生(有害業務) 問15|酸素欠乏症・硫化水素・酸欠危険作業区分

問題

衛生管理者 | 労働衛生(有害業務) | 第一種

酸素欠乏症および硫化水素中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

誤りはエです。酸欠則は、作業開始前の測定だけでなく、作業中も酸素濃度を18%以上(第2種酸素欠乏危険作業では、あわせて硫化水素濃度を100万分の10以下)に保つよう換気することを求めています(第5条)。また作業主任者は、作業開始前に加え、全員が作業場所を離れた後の再開前や、労働者の身体・換気装置等に異常があったときにも濃度を測定します(第11条第2項)。「作業中の濃度変化の確認は義務付けられていない」は誤りです。

ア(酸素欠乏と酸素欠乏危険作業の定義)・イ(第2種酸素欠乏危険作業)・ウ(硫化水素の嗅覚麻痺)・オ(救助者の空気呼吸器等)はすべて正しい内容です。

酸素欠乏危険作業の区分(酸欠則第2条・第11条):

区分場所作業主任者の資格測定対象
第1種酸素欠乏危険作業第2種以外の酸素欠乏危険場所酸素欠乏危険作業主任者技能講習 または 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習酸素
第2種酸素欠乏危険作業令別表第6第3号の3・第9号・第12号の場所(酸素欠乏症と硫化水素中毒のおそれのある場所)酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習酸素及び硫化水素

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 酸欠則第2条第1号「酸素欠乏 空気中の酸素の濃度が十八パーセント未満である状態」、第6号「酸素欠乏危険作業 …令別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所…における作業」。
  • イ(正): 第2条第8号。第2条第2号は「酸素欠乏等」を、酸素欠乏又は硫化水素の濃度が100万分の10を超える状態と定めています。
  • ウ(正): モデルSDS(硫化水素)は臭いを「特徴的な臭気(腐敗した卵)」、物理化学的危険性を「可燃性/引火性ガス 区分1」とし、単回ばく露の症状に「嗅覚麻痺」を挙げています。
  • エ(誤): 第5条第1項は作業を行う場所の酸素濃度を「十八パーセント以上…に保つように換気しなければならない」とし、第11条第2項第2号は再開前・異常時の測定も求めています。
  • オ(正): 第16条第1項は、救出作業に従事する労働者に「空気呼吸器等」(空気呼吸器、酸素呼吸器又は送気マスク・第5条の2)を使用させるよう定めています。

【理論的背景】

酸欠則は、酸素欠乏(酸素濃度18%未満)と硫化水素中毒(硫化水素濃度が100万分の10を超える空気の吸入による症状)をあわせて「酸素欠乏症等」として扱います(第2条第1号〜第5号)。どの作業が規制対象になるかは、酸素濃度の測定値ではなく「場所」で決まります。労働安全衛生法施行令別表第6が酸素欠乏危険場所を列挙し、その場所での作業が「酸素欠乏危険作業」です(第2条第6号)。

別表第6の例:

  • 第3号 ケーブル・ガス管等を収容する暗きょ、マンホール又はピットの内部
  • 第4号 相当期間密閉されていた鋼製のボイラー、タンク、反応塔、船倉等の内部
  • 第9号 し尿、腐泥、汚水、パルプ液その他腐敗し、又は分解しやすい物質を入れてあり、又は入れたことのあるタンク、槽、管、暗きょ、マンホール等の内部
  • 第10号 ドライアイスを使用している冷蔵庫・冷凍庫等の内部
  • 第11号 不活性の気体を入れてあり、又は入れたことのある施設の内部

第2種酸素欠乏危険作業は、このうち第3号の3(海水が滞留した熱交換器等)・第9号・第12号の場所で、酸素欠乏症と硫化水素中毒のおそれのある場所として厚生労働大臣が定める場所における作業です(第2条第8号)。

【実務・条文構造】

酸欠則の主な措置:

  • 作業環境測定(第3条): その日の作業を開始する前に酸素(第2種は酸素及び硫化水素)の濃度を測定し、測定日時・方法・箇所・結果等を記録して3年間保存
  • 換気(第5条): 作業中も酸素濃度18%以上(第2種はあわせて硫化水素100万分の10以下)に保つ。換気に純酸素を使用してはならない(第3項)
  • 保護具(第5条の2): 換気できない・著しく困難な場合は、同時に就業する労働者と同数以上の空気呼吸器等を備えて使用させる
  • 人員の点検(第8条): 入場・退場の時に人員を点検
  • 監視人等(第13条): 常時作業の状況を監視し、異常を通報する者を置く等
  • 退避(第14条): 酸素欠乏等のおそれが生じたときは直ちに作業を中止して退避させる
  • 救出時の空気呼吸器等(第16条): 救出作業に従事する労働者に空気呼吸器等を使用させる

作業主任者(安衛令第6条第21号「別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所における作業」・酸欠則第11条):

  • 選任: 第1種は酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者、第2種は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者から選任
  • 職務(第11条第2項): ①作業の方法を決定し労働者を指揮 ②作業開始前・全員が離れた後の再開前・異常時に濃度を測定 ③測定器具・換気装置・空気呼吸器等を点検 ④空気呼吸器等の使用状況を監視

【試験での位置づけ】

頻出は「酸素欠乏=18%未満」「酸素欠乏等=硫化水素100万分の10超を含む」「第1種と第2種の区分と作業主任者の資格」「作業開始前の測定と作業中の換気」「救出時は空気呼吸器等」です。エは「測定は開始前だけでよい」という誤解を突く引っかけで、作業中の換気義務(第5条)と再開前・異常時の測定(第11条第2項第2号)で否定できます。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 18%という数値は「酸素欠乏」の定義であり、「酸素欠乏危険作業」の定義は場所(令別表第6)で決まります。両者を混同しないことが大切です。
  • イ: 第9号の汚水・腐泥などの場所は、第2種の対象になりうる代表例です。硫化水素の基準「100万分の10」は酸欠則第2条第2号・第5条第1項の値で、作業環境評価基準の「管理濃度」(硫化水素は1ppm)とは別の数値です。
  • ウ: モデルSDSは硫化水素について「極めて可燃性又は引火性の高いガス」「吸入すると生命に危険」と表示し、単回ばく露で嗅覚麻痺・意識消失・呼吸麻痺による死亡の記述を挙げています。臭いが消えたことは安全の根拠になりません。
  • エ: 測定(第3条・第11条第2項第2号)と換気(第5条)は別の義務です。開始前に18%以上を確認しても、作業中に18%以上を保つ換気の義務は続きます。
  • オ: 防じんマスク・防毒マスクは酸素を補給できないため、酸欠則が救出作業に求める「空気呼吸器等」(空気呼吸器、酸素呼吸器又は送気マスク)には当たりません。

【根拠】酸素欠乏症等防止規則 第2条・第3条・第5条・第5条の2・第8条・第11条・第13条・第14条・第16条(安全衛生情報センター収録 https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-35-1-0.htm ・ https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-35-2-0.htm)、労働安全衛生法施行令 第6条第21号・別表第6(https://www.jaish.gr.jp/horei/hor1-1/hor1-1-7-1-7.html)、職場のあんぜんサイト モデルSDS 硫化水素(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/7783-06-4.html)。

【補足】エ(誤): 作業中も18%以上に保つ換気義務があり、再開前・異常時の測定も必要。酸素欠乏=18%未満。酸素欠乏危険作業=令別表第6の場所での作業。第2種=硫化水素中毒のおそれもある場所。救出作業は空気呼吸器等を使用。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)第2条(定義)・第3条(作業環境測定)・第5条(換気)・第11条(作業主任者)・第16条(救出時の空気呼吸器等の使用)、労働安全衛生法施行令第6条第21号・別表第6。硫化水素の性状は職場のあんぜんサイト モデルSDS(硫化水素)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

この問題の関連トピック

  • 酸素欠乏症・硫化水素・酸欠危険作業区分
  • 頻出度A

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