労働衛生(有害業務)20第一種作業環境測定・管理区分

衛生管理者 労働衛生(有害業務) 問20:作業環境測定・管理区分

作業環境測定における管理区分の決定に関する記述として、**誤っているものを1つ**選べ。

  • A測定は単位作業場所の全体の平均的な有害物質濃度を評価するために行い、単位作業場所の床面を6m以下の等間隔で区切った縦横の線の交点で、原則として5点以上の測定点を設けて実施する。
  • B測定は、有害物質の発散源に近接した位置において労働者の作業行動中の最高濃度を測定するものである。
  • A測定の結果のみで第3管理区分と判定された場合には、B測定の結果にかかわらず第3管理区分となる。
  • B測定の測定値が管理濃度の1.5倍を超えた場合、A測定の結果が第1管理区分であっても、最終的な管理区分は第2管理区分となる。正答
  • 第3管理区分と判定された事業者は、直ちに施設・設備・作業工程等の改善を行い、作業環境を第2管理区分以上にするよう努めなければならない。
正答:B測定の測定値が管理濃度の1.5倍を超えた場合、A測定の結果が第1管理区分であっても、最終的な管理区分は第2管理区分となる。

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B測定の管理区分への影響は「管理濃度の1.5倍超」かどうかで判断します。B測定値が管理濃度の1.5倍を超えた場合、A測定結果にかかわらず最終管理区分は第3管理区分になります(選択肢エは「第2管理区分」と述べており誤りです)。A測定が第1管理区分であってもB測定が1.5倍超なら第3になるという厳しい基準です。第3管理区分は「直ちに改善措置が必要」な最も問題のある区分です。

標準試験対策の基準レベル

A・B測定と管理区分の決定ルールを整理します。管理区分はA測定の統計評価結果(幾何平均・幾何標準偏差から算出)と、B測定の測定値を組み合わせて最終判定します。B測定の判定基準は以下の通りです。B測定値 ≦ 管理濃度:B測定はA測定の区分を変更しない。管理濃度 < B測定値 ≦ 管理濃度×1.5:A測定の結果が第1管理区分なら第2管理区分、第2・第3なら変更なし。B測定値 > 管理濃度×1.5:A測定結果にかかわらず第3管理区分。選択肢エは「管理濃度の1.5倍超でA測定が第1ならば第2管理区分」としており誤りです。正しくは第3管理区分となります。A測定のみで第3管理区分と判定された場合も、B測定値が管理濃度以下であっても第3は維持されます(ウは正しい)。第3管理区分では事業者は直ちに改善措置を実施する義務があります(オは正しい記述)。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

#### 1. A測定・B測定の設計思想と実施方法

作業環境測定は「単位作業場所全体の汚染状況(A測定)」と「発散源近傍の最高濃度曝露状況(B測定)」という2つの視点を組み合わせることで、労働者の実態曝露をより正確に評価する設計になっています。A測定は、単位作業場所の床面を6m以下の等間隔に区画した縦横の線の交点(床上50〜150cm)で測定し、測定点は原則5点以上(広い作業場では交点が増えるため点数も増加)です。測定時間帯は作業が行われている均一な時間帯に行い、測定結果は幾何平均値(M)と幾何標準偏差(σG)に変換してA測定の管理区分を決定します。B測定は、有害物発散源から最も近い位置(概ね1m以内)で、作業行動中に最高濃度が生じると考えられる時間帯に10分間の短時間測定を行います。

#### 2. B測定と管理区分決定の詳細マトリクス

管理区分の最終決定はA測定区分とB測定値の組み合わせによります。作業環境評価基準第6条が定める判定マトリクスは以下の通りです。B測定値が管理濃度以下:A測定の区分がそのまま最終区分。B測定値が管理濃度超〜1.5倍以下:A測定が第1なら最終は第2(1段引き下げ)、A測定が第2・第3は変更なし。B測定値が管理濃度の1.5倍超:A測定の区分にかかわらず最終は第3管理区分。選択肢エは「A測定が第1でB測定が1.5倍超ならば第2」と述べており、正しくは第3管理区分となるため誤りです。この非対称な基準(B測定の悪化方向への影響力が大きい)は、局所的な高濃度曝露を見逃さないための制度的保護です。

#### 3. 各管理区分における事業者の義務

第1管理区分(良好): 維持に努める義務。第2管理区分(改善要): 施設・設備の点検等に加え、作業環境の改善を図り、第1管理区分になるよう努める義務。第3管理区分(直ちに改善): 直ちに施設・設備・作業工程または作業方法の点検を行い、その結果に基づき必要な改善措置を講じなければならない(安衛法65条の2)。さらに、有効な呼吸用保護具を着用させること、専門家(作業環境測定士・産業医等)の意見を聴取することも義務づけられています。第3管理区分が継続している場合は測定の頻度を高め(通常6ヶ月ごと→3ヶ月ごとが望ましい)、改善状況を確認する必要があります。

#### 4. 試験頻出ポイントと衛生管理者の実務的役割

試験では「B測定が1.5倍超→第3管理区分(A測定区分不問)」「A測定のみ第3→B測定値によらず第3」「第3管理区分→直ちに改善義務」が正しい肢として登場し、1.5倍の閾値・管理区分の方向性が誤肢のポイントになります。実務上、衛生管理者は測定計画の立案(測定点数・タイミングの妥当性確認)、産業医・作業環境測定士との連携、改善措置(局所排気装置の設置・整備・保護具の選定・作業工程の変更)の実施管理、及び衛生委員会への測定結果の報告義務(作業環境測定法第10条)を担います。管理区分が改善された場合も、一定期間の継続監視と記録の保存(3年間)が必要です。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 作業環境測定法・作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)第6条・B測定の判定基準に関する規定。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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