問題
有害業務に係る特殊健康診断に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
誤りはウです。電離放射線業務に係る特殊健康診断の実施頻度は6か月以内ごとに1回であり、有機溶剤・特定化学物質の健診と同様の頻度です(1年に1回ではありません)。「電離放射線業務は1年以内ごとに1回・有機溶剤より頻度が低い」という記述が誤りです。
ア(有機溶剤健診は6か月ごと)・イ(特定化学物質健診も6か月ごと)・エ(鉛健診に血中鉛濃度測定が含まれる)・オ(じん肺健診の実施区分と7年保存)はすべて正しい内容です。有機溶剤・特定化学物質・鉛・四アルキル鉛・電離放射線・高気圧業務の特殊健康診断は、いずれも6か月以内ごとが基本です(じん肺健康診断はじん肺法による別の体系)。
有害業務別の特殊健康診断の実施頻度一覧:
| 有害業務の種類 | 根拠規則 | 実施頻度(雇入れ・配置替え後) |
|---|---|---|
| 有機溶剤業務 | 有機則第29条 | 6か月以内ごとに1回 |
| 特定化学物質(第1類・第2類) | 特化則第39条・別表第三 | 別表第三の中欄の期間(多くは6か月。胸部エックス線直接撮影など一部の項目は1年) |
| 鉛業務 | 鉛則第53条 | 6か月以内ごとに1回(一部の鉛業務は1年) |
| 四アルキル鉛等業務 | 四アルキル鉛則第22条 | 6か月以内ごとに1回 |
| 電離放射線業務(管理区域に立ち入る者) | 電離則第56条 | 6か月以内ごとに1回 |
| 高気圧業務(高圧室内業務・潜水業務) | 高圧則第38条 | 6か月以内ごとに1回 |
| じん肺(常時粉じん作業) | じん肺法第8条 | 3年以内ごと(管理二・管理三は1年以内ごと) |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 有機則第29条第2項は、雇入れの際、配置替えの際及びその後6月以内ごとに1回と定める。対象は屋内作業場等(第三種有機溶剤等はタンク等の内部に限る)における有機溶剤業務(第3条第1項の場合の業務を除く)。
- イ(正): 特化則第39条第1項は、別表第三の中欄の期間以内ごとに1回と定め、多くの項目は6月。対象は安衛令第22条第1項第3号の業務(別表第三第一号・第二号の第1類・第2類物質等)で、第3類物質は対象に含まれない。
- ウ(誤): 電離則第56条第1項は、放射線業務に常時従事する労働者で管理区域に立ち入るものに対し、6月以内ごとに1回と定めている。
- エ(正): 鉛則第53条第1項第5号に「血液中の鉛の量の検査」、第6号に「尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査」がある。
- オ(正): じん肺健康診断は就業時(第7条)・定期(第8条:3年又は1年以内ごと)・定期外(第9条)・離職時(第9条の2)に区分され、記録とエックス線写真は7年間保存(第17条第2項)。有機溶剤・鉛・特定化学物質の健診個人票の原則5年保存より長い。
【理論的背景】
特殊健康診断は、有害業務ごとに特別規則で頻度と検査項目が定められた健康診断です。有機溶剤・特定化学物質・鉛・四アルキル鉛・電離放射線・高気圧業務は、いずれも雇入れの際、当該業務への配置替えの際及びその後6月以内ごとに1回(特定化学物質は別表第三の中欄の期間)が基本です。
有機溶剤健康診断の構造(有機則第29条):
- 第2項(全員): 業務の経歴の調査、作業条件の簡易な調査、既往歴等の調査、自覚症状又は他覚症状の有無の検査
- 第3項(別表の有機溶剤等に係る業務): 別表の下欄の項目(尿中の有機溶剤の代謝物の量の検査など)
- 第5項(医師が必要と認める者): 作業条件の調査、貧血検査、肝機能検査、腎機能検査、神経学的検査の全部又は一部
電離放射線健康診断の項目(電離則第56条第1項):
被ばく歴の有無の調査及びその評価、白血球数及び白血球百分率の検査、赤血球数の検査及び血色素量又はヘマトクリット値の検査、白内障に関する眼の検査、皮膚の検査。定期のものは、医師が必要でないと認めるときは第2号から第5号までの全部又は一部を省略できます(同条第3項)。
鉛・四アルキル鉛健康診断の項目(鉛則第53条・四アルキル鉛則第22条):
いずれも「血液中の鉛の量の検査」「尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査」を含みます。鉛則第53条第3項では、医師が必要と認める者について貧血検査、赤血球中のプロトポルフィリンの量の検査、神経学的検査などを追加します。
頻度の緩和: 有機則第29条・鉛則第53条第4項・特化則第39条には、作業環境測定の評価が直近を含め連続して3回第一管理区分であること、直近の健康診断の実施後に作業方法を変更していないこと等の要件を満たし、直近の連続した3回の健康診断で新たな異常所見がない労働者について、定期の健康診断を1年以内ごとに1回で足りるとする規定があります。
【実務・条文構造】
健康診断の記録の保存期間:
| 有害業務 | 保存期間 | 根拠 |
|---|---|---|
| 有機溶剤 | 5年間 | 有機則第30条 |
| 鉛 | 5年間 | 鉛則第54条 |
| 特定化学物質(原則) | 5年間 | 特化則第40条第1項 |
| 特別管理物質の業務(クロム酸等は鉱石から製造する事業場に限る) | 30年間 | 特化則第40条第2項 |
| 電離放射線 | 30年間(5年間保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときを除く) | 電離則第57条 |
| じん肺健康診断(記録及びエックス線写真) | 7年間 | じん肺法第17条第2項 |
じん肺法の健康診断の区分:
- 就業時(第7条): 新たに常時粉じん作業に従事することになった労働者
- 定期(第8条): 常時粉じん作業に従事する労働者は3年以内ごと、そのうち管理二又は管理三の者は1年以内ごと。粉じん作業以外の作業に常時従事している者のうち管理二は3年以内ごと、管理三は1年以内ごと
- 定期外(第9条)・離職時(第9条の2)
- 管理四と決定された者は療養を要する(第23条)
【試験での位置づけ】
この論点では、①特殊健康診断の基本頻度は6か月以内ごと(電離放射線も同じ)、②鉛・四アルキル鉛の健診に血液中の鉛の量・尿中デルタアミノレブリン酸の量の検査が含まれる、③じん肺健康診断は3年又は1年以内ごと・記録7年保存、④保存期間(原則5年・特別管理物質と電離放射線は30年)、の4点を押さえます。ウのように一般健康診断の「1年以内ごと」と混同させる記述に注意します。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 有機則第29条第1項は、第3条第1項の場合(消費する有機溶剤等の量が許容消費量を常態として超えない等で所轄労働基準監督署長の認定を受けた場合)における業務を対象から除いています。
- イ: 特化則第39条第1項は、安衛令第22条第1項第3号の業務(第1類・第2類物質等の製造・取扱い業務)が対象です。第3類物質は同号の対象に含まれません。過去に一定の業務に常時従事させたことのある労働者で現に使用しているものにも、定期の健康診断が必要です(同条第2項)。
- エ: 鉛則第53条第2項により、定期の健康診断で前回これらの項目を受けた者については、医師が必要でないと認めるときは省略できます。
- オ: 管理二・管理三の者は1年以内ごと、それ以外の常時粉じん作業従事者は3年以内ごとです(第8条第1項)。管理四は療養の対象です(第23条)。
【根拠】有機溶剤中毒予防規則第3条・第29条・第30条、特定化学物質障害予防規則第39条・第40条・別表第三、電離放射線障害防止規則第56条・第57条、鉛中毒予防規則第53条・第54条、四アルキル鉛中毒予防規則第22条、高気圧作業安全衛生規則第38条、じん肺法第7条・第8条・第9条・第9条の2・第17条・第23条。
【補足】ウ(誤): 電離放射線業務の特殊健康診断は6か月以内ごとに1回(電離則第56条)。四アルキル鉛等業務も6か月以内ごと(四アルキル鉛則第22条)。じん肺健康診断の記録は7年保存。特別管理物質・電離放射線の健診記録は30年保存。
- じん肺法第8条・第17条・第7条e-Govで原文を読む
- 有機溶剤中毒予防規則第29条・第30条・第3条e-Govで原文を読む
- 特定化学物質障害予防規則第39条・第40条e-Govで原文を読む
- 鉛中毒予防規則第53条・第22条・第54条e-Govで原文を読む
- 電離放射線障害防止規則第56条・第57条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第22条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 有機溶剤中毒予防規則第29条・第30条、特定化学物質障害予防規則第39条・第40条、電離放射線障害防止規則第56条・第57条、鉛中毒予防規則第53条・第54条、四アルキル鉛中毒予防規則第22条、高気圧作業安全衛生規則第38条、じん肺法第7条〜第9条の2・第17条。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

