社労士試験の一般常識(労務管理その他の労働に関する一般常識・社会保険に関する一般常識)は、選択式で科目ごとの基準点が定められています。第58回・第57回の基準点、主な法令の整理、白書・統計の数値を公式ページで確認する方法を解説します。
目次
結論:社労士試験の選択式には、一般常識の2科目(労務管理その他の労働に関する一般常識・社会保険に関する一般常識)にも科目ごとの基準点があります。第58回(令和8年度)の基準点は各科目3点以上でした。範囲が広いため、法令の論点を固め、白書・統計は直前期に公式ページで最新値を確認する進め方を整理します。
社労士試験は、総得点だけでなく科目ごとの得点にも基準点があります。一般常識は、出題範囲が広く、統計の数値が毎年変わるため、対策の立て方に迷う方が多い科目です。この記事では、公式資料で確認できる基準点と、押さえておきたい法令の整理、統計の確認先をまとめます。
一般常識の基準点:第58回と第57回
選択式の基準点・第58回:総得点25点以上かつ各科目3点以上(雇用保険法のみ2点以上)。最終確認日:2026-10-02。出典:厚生労働省 第58回社会保険労務士試験の合格基準について。
選択式の基準点・第57回:総得点22点以上、各科目3点以上(労災保険法・労務管理その他の労働に関する一般常識・社会保険に関する一般常識は2点以上)。最終確認日:2026-10-02。出典:厚生労働省 第57回社会保険労務士試験の合格基準について。
| 試験 | 労一・社一の選択式の基準点 |
|---|---|
| 第58回(令和8年度) | 各3点以上 |
| 第57回(令和7年度) | 各2点以上(補正後) |
基準点が引き下げられる年がある一方、毎年そうなるとは限りません。「引き下げを当てにする」のではなく、各科目で3点以上を目標にします。選択式は、1科目に5つの空欄(計5点)があります。
なぜ対策が難しいのか
一般常識は、出題範囲の広さと、数値の更新が主な理由として考えられます(当サイトの整理で、公式の統計ではありません)。
1. 範囲が広い
社一は、健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法以外の社会保険の制度が範囲です。労一は、労働基準法・労働安全衛生法以外の労働関係の法令と、統計・白書が範囲です。
2. 統計・白書の数値が毎年変わる
統計の数値は毎年更新されます。教材の数値が古いままだと、試験の年度の数値と合いません。
統計・白書:数値は公式ページで最新を確認する
この記事では、変わる数値を載せません。次の公式ページで最新値を確認してください(2026-10-02に開けることを確認)。
| 指標 | 確認先 |
|---|---|
| 合計特殊出生率・出生数 | 厚生労働省 人口動態統計 |
| 完全失業率 | 総務省統計局 労働力調査 |
| 有効求人倍率 | 厚生労働省 一般職業紹介状況 |
| 男性の育児休業取得率 | 厚生労働省 雇用均等基本調査 |
| 地域別最低賃金 | 厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧 |
| 白書 | 厚生労働省 白書 |
数値は、増減の方向と背景(少子化・雇用情勢・政策の変化など)とセットで覚えると、類題にも対応しやすくなります。どの年度の数値が出題されるかは、試験ごとに公式資料で確認してください。
最低賃金法の論点
地域別最低賃金は、最低賃金法9条・10条により、あまねく全国各地域について決定され、厚生労働大臣または都道府県労働局長が、最低賃金審議会の調査審議を求め、その意見を聴いて決定します。金額は、毎年、上の表の厚生労働省のページで確認します。
地域別最低賃金の決まり方は、最低賃金の全国加重平均と地域別の問題で確認できます。
社一(社会保険に関する一般常識)で押さえたい法令
社一は「法令名の混同」が失点の原因になりやすい科目です。次の法令は、名前・目的・保険者などを整理しておくと役立ちます(当サイトの整理)。
| 法令 | 主な内容 | 整理のポイント |
|---|---|---|
| 介護保険法 | 要介護・要支援認定・給付 | 保険者(市町村)・認定の申請先 |
| 高齢者の医療の確保に関する法律 | 後期高齢者医療制度 | 対象となる年齢・被保険者の範囲 |
| 確定拠出年金法 | 企業型・個人型 | 拠出限度額・受給開始年齢(金額は公式で確認) |
| 国民健康保険法 | 自営業者などの医療保険 | 保険者(市町村・国保組合) |
| 社会保険労務士法 | 社労士の業務・登録 | 業務の区分(下記) |
社会保険労務士法2条1項は、社労士の業務を次のように定めています。
- 1号:労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成(1号の2〜1号の4で、提出手続の代行・事務代理・紛争解決手続の代理なども規定)
- 2号:労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成
- 3号:事業における労務管理などについての相談・指導
同法27条は、社労士・社労士法人でない者が、報酬を得て1号から2号までの事務を業として行うことを制限しています。3号は、27条の制限の対象ではありません。
労一(労務管理その他の労働に関する一般常識)で押さえたい法令
| 法令 | 整理のポイント(当サイトの整理) |
|---|---|
| 労働契約法 | 有期労働契約の無期転換・解雇権濫用法理 |
| 男女雇用機会均等法 | ハラスメント防止措置・差別の禁止 |
| 育児・介護休業法 | 育児休業・産後パパ育休・介護休業の制度 |
| 最低賃金法 | 地域別最低賃金の決定・特定最低賃金 |
| 労働者派遣法 | 派遣期間の制限・直接雇用の申込みなし制度 |
パートタイム・有期雇用労働法(8条・9条)と労働者派遣法(30条の3・30条の4)の、厚生労働省が「同一労働同一賃金」と呼ぶ待遇のルールにかかわる条文は、同一労働同一賃金の記事で整理しています。
出生後休業支援給付金:2025(令和7)年4月1日創設。出生後休業支援給付金は賃金の13%で、育児休業給付金(67%)と合わせて80%。支給には、子の出生後一定期間内に、被保険者と配偶者がともに14日以上の育児休業を取得することなどの要件がある(詳細は出典で確認)。最終確認日:2026-10-02。出典:厚生労働省 育児休業給付の内容と支給申請手続。
育児休業関連は、令和6〜7年の改正が多い分野です。改正の問題は、育児・介護休業法2025年改正の問題で確認できます。給付の手続きは、育児休業給付受給資格確認票の提出者・期限・書き方の記事で整理しています。教材が、試験の法令基準日(第58回は令和8年4月10日)までの改正を反映しているかを確認します。
学習の進め方
「捨てる」ではなく「絞る」
範囲を全部カバーしようとせず、次のように優先順位をつける進め方があります(当サイトの整理)。
- 労一:労働契約法・均等法・育介法・最賃法などの法令の論点を先に固め、統計は直前期に最新値を確認する
- 社一:介護保険・高齢者医療・確定拠出年金などの制度の概要と、社労士法の業務区分
選択式は5点中3点を目標にする
第58回の基準点は、一般常識の各科目で3点以上でした。5つの空欄のうち、確実に答えられるものを確保してから、残りを推測する方法があります。
統計は「変化の方向と背景」で覚える
数値だけを暗記するより、「なぜその数値か」を合わせて覚えるほうが、類題にも対応しやすくなります。
問題で「どう問われるか」を先に確認する
統計や白書に当たる前に、一般常識の問題演習で出題の形式を確認すると、数値のどこに注意するかが分かりやすくなります。本サイトの問題は、過去の出題論点を参照した当サイト独自の自作問題です。
社労士の合格率推移と分析で試験全体の傾向も確認できます。
まとめ
- 一般常識の選択式にも、科目ごとの基準点がある(第58回は各3点以上)
- 範囲が広いため、法令の論点を先に固める
- 白書・統計の数値は毎年変わるため、公式ページで最新値を確認する
- 社労士法の業務区分は、2条1項の1号・2号・3号と、27条の制限で整理する
無料演習モードで一般常識の現在地を確認し、独学の学習計画の例に組み込みましょう。
※ 本記事は、公式の資料(最終確認日 2026-10-02)をもとにオリジナルで作成しています。統計数値・法改正情報は毎年更新されます。最新の数値は各省庁の公式発表でご確認ください。出典:社労士試験オフィシャルサイト 第58回 受験案内・厚生労働省 第58回社会保険労務士試験の合格基準について・厚生労働省 第57回社会保険労務士試験の合格基準について。
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よくある質問
Q社労士試験の一般常識に、科目ごとの基準点はありますか?
あります。社労士試験の合格基準は、選択式・択一式のそれぞれで総得点と科目ごとの得点の両方に定められています。第58回(令和8年度)の選択式は、労務管理その他の労働に関する一般常識と社会保険に関する一般常識を含め各科目3点以上(雇用保険法のみ2点以上)、第57回(令和7年度)の選択式は、労災保険法・労務管理その他の労働に関する一般常識・社会保険に関する一般常識が2点以上に補正されました(厚生労働省発表)。
Q一般常識を「捨てる」のは正しい戦略ですか?
勧められません。選択式の一般常識にも科目ごとの基準点があり、届かないと総得点にかかわらず合格基準を満たしません。範囲が広いため、法令の論点(労働契約法・最低賃金法・育児介護休業法・社会保険労務士法など)から固め、白書・統計は直前期に最新の数値を確認する進め方が考えられます。
Q白書・統計の数値はどこで確認すればよいですか?
数値は毎年更新されるため、この記事では載せていません。人口動態統計・労働力調査・一般職業紹介状況・雇用均等基本調査・地域別最低賃金は、それぞれ厚生労働省・総務省統計局の公式ページで最新値を確認できます(リンクは本文の表)。どの年度の数値が出題されるかは、試験の法令基準日や出題年度で変わるため、公式資料で確認してください。
Q社一(社会保険一般常識)と労一(労働一般常識)の違いは?
受験案内の科目名は、「社会保険に関する一般常識」と「労務管理その他の労働に関する一般常識」です。社一は、健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法以外の社会保険の制度(介護保険法・高齢者医療確保法・確定拠出年金法・国民健康保険法など)、労一は、労働基準法・労働安全衛生法以外の労働関係の法令(労働契約法・最低賃金法・育児介護休業法・男女雇用機会均等法など)や統計が中心です。第58回の選択式では、それぞれ1問(5点)が出題されます。択一式の科目の区分は、受験案内で確認してください。
Q最低賃金の金額は覚える必要がありますか?
出題される金額や年度は、試験ごとに異なります。地域別最低賃金は、最低賃金法10条により、厚生労働大臣または都道府県労働局長が、最低賃金審議会の意見を聴いて決定します。金額は毎年改定されるため、厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」で最新の金額を確認してください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月2日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

