結論:令和8年度(2026年4月改定)の協会けんぽは、健保料率全国平均9.90%(前年比-0.10pp)、介護料率1.62%(+0.03pp)、子ども・子育て支援金率0.23%(新設)の3本立て。社労士試験では「新設の支援金率」と「高額療養費の現行区分」が最重要論点です。
令和8年度の協会けんぽ改定:3つのポイント
2026年4月1日から、全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料率が改定されました。受験生・実務担当者ともに押さえておく必要がある変更が3点あります。
ポイント1:健康保険料率が小幅引下げ
VolatileBox(健康保険料率・令和8年度):全国平均9.90%(2026年4月1日施行・前年10.00%から-0.10pp)。出典:全国健康保険協会 令和8年度保険料率。最終確認日:2026-06-08。都道府県別料率は公式サイトでご確認ください。
全国平均は10.00%から9.90%に引下げられました。ただしこれは全国平均であり、都道府県ごとに料率が設定されています(佐賀県・長野県が低め、北海道・大阪府等が高め・要公式確認)。
社労士試験では「全国平均」ではなく「料率の決定方法・料率の上下限」が出題の中心です。
覚えるべき論点:
- 協会けんぽの料率は都道府県単位で異なる(健保法第160条)
- 組合健保は健保組合の規約で定める
- 料率の上限と下限(法定の範囲内)
ポイント2:介護保険料率が引上げ
VolatileBox(介護保険料率・令和8年度):1.62%(2026年4月1日施行・前年1.59%から+0.03pp)。出典:全国健康保険協会 令和8年度保険料率。最終確認日:2026-06-08。
介護保険第2号被保険者(40歳以上65歳未満)が負担する介護保険料率は1.62%に引上げられました。健保の保険料と合算して徴収されます。
介護保険の仕組みと試験論点:
社労士試験での介護保険は「社会保険一般常識(社一)」で出題されます。
| 被保険者 | 年齢 | 保険料の徴収方法 |
|---|---|---|
| 第2号被保険者 | 40〜64歳 | 健康保険料と合算して天引き |
| 第1号被保険者 | 65歳以上 | 年金から天引き(特別徴収)または納付書 |
第2号被保険者が受けられる給付は特定疾病(16疾病)による要介護・要支援に限られます。この点は択一・選択両方で頻出です。
ポイント3:子ども・子育て支援金が新設(最重要改正)
VolatileBox(子ども・子育て支援金率・令和8年度):0.23%(2026年4月1日施行・労使折半各0.115%)。出典:協会けんぽ 子ども・子育て支援金率。最終確認日:2026-06-08。
2026年4月から、健康保険・後期高齢者医療の保険料に子ども・子育て支援金率(0.23%)が上乗せされました。これは少子化対策の財源として「こども未来戦略」(2023年12月閣議決定)に基づく新制度です。
混同注意!:2種類の「こども・子育て」拠出
| 制度 | 率 | 負担者 | 根拠法 |
|---|---|---|---|
| 子ども・子育て支援金(健保) | 0.23%(労使折半) | 事業主+被保険者 | 子ども・子育て支援法改正 |
| 子ども・子育て拠出金(厚年) | 0.36% | 事業主のみ | 子ども・子育て支援法 |
この2つは名前が似ているが全く別物です。特に「事業主のみ負担か労使折半か」という点は試験で必ず問われます。
標準報酬月額の上限:健保と厚年の違い
社労士試験で混乱しやすい論点に「健保と厚年の標準報酬月額上限の違い」があります。
VolatileBox(標準報酬月額上限・令和8年度試験基準):最終確認日:2026-06-08。
| 保険 | 上限 | 等級 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 健康保険(協会けんぽ) | 139万円/月 | 第50級 | 2024年3月施行。出典:協会けんぽ 標準報酬月額表 |
| 厚生年金保険 | 65万円/月 | 第32級 | 令和9年9月1日施行で68万円予定。試験基準日(2026-04-10)時点では65万円。出典:日本年金機構 保険料額表 |
健保の上限が厚年より大幅に高い理由は、高報酬者の医療給付との均衡を取るためです。試験では「健保と厚年で上限が異なる」こと自体が問われます。
高額療養費の現行区分(令和8年度試験対象)
VolatileBox(高額療養費区分・重要注意):2026年8月1日に区分見直しが予定されています。令和8年度試験基準日(2026年4月10日)時点では未施行のため、現行区分が出題対象です。最終確認日:2026-06-08。出典:厚生労働省 高額療養費制度。
70歳未満の高額療養費限度額(現行・令和8年度試験対象):
| 区分 | 標準報酬月額の目安 | 通常限度額 | 多数該当 |
|---|---|---|---|
| ア | 83万円以上 | 252,600円+(医療費−842,000円)×1% | 140,100円 |
| イ | 53〜79万円 | 167,400円+(医療費−558,000円)×1% | 93,000円 |
| ウ | 28〜50万円(一般) | 80,100円+(医療費−267,000円)×1% | 44,400円 |
| エ | 26万円以下 | 57,600円 | 44,400円 |
| オ | 住民税非課税 | 35,400円 | 24,600円 |
高額療養費の「多数該当」は当月を含む直近12ヶ月以内に3回以上限度額に達した場合に適用。4回目から多数該当の低い限度額が適用されます。この「3回・4回目」という数字は選択式頻出です。
出産育児一時金(健保から支給)
VolatileBox(出産育児一時金):産科医療補償制度対象施設での出産:500,000円/児(令和5年4月施行・前年420,000円から引上げ済)。未対象施設・妊娠22週未満:488,000円。出典:厚生労働省 出産育児一時金等について。最終確認日:2026-06-08。
出産育児一時金は「50万円」と覚えるのが試験対策上は有効ですが、正確には「本人支給48.8万円+産科医療補償制度掛金1.2万円=50万円」という構成です。試験ではこの内訳を問われることもあります。
被扶養者の国内居住要件(健保)
VolatileBox(被扶養者 国内居住要件):2020年4月1日施行(令和2年4月施行)で日本国内に住所を有することが原則要件化(留学生・海外赴任同行家族等の例外あり)。出典:厚生労働省 健康保険法等の一部改正。最終確認日:2026-06-08。
海外在住の家族を被扶養者にできなくなった(原則)という改正は、択一・選択両方で繰り返し出題されています。例外(海外留学等)の条件も確認しておきましょう。
社労士試験で健保科目を攻略するポイント
健康保険法は社労士試験10科目の中でも択一・選択両方に出る高頻度科目です。
優先する論点:
1. 被保険者・被扶養者の適用要件(誰が入れるか)
2. 標準報酬月額の決定方法(定時決定・随時改定)
3. 各種給付の要件と給付額(傷病手当金・出産手当金・高額療養費)
4. 保険料の徴収・折半・事業主負担
5. 令和8年度改正:子ども・子育て支援金率0.23%
過去問演習は健康保険法の過去問で科目別に取り組むことを推奨します。
まとめ
- 令和8年度の協会けんぽ改定3本柱:健保料率9.90%(小幅引下げ)・介護料率1.62%(引上げ)・支援金率0.23%(新設)
- 最重要改正:子ども・子育て支援金(労使折半0.23%)と厚年拠出金(事業主のみ0.36%)の混同禁止
- 高額療養費は2026年8月の見直し前の現行区分が令和8年度試験対象
- 標準報酬月額は健保139万円・厚年65万円の違いを確実に
- 出産育児一時金:産科医療補償制度対象施設50万円
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※ 本記事は公開時点の情報をもとにオリジナルで作成しています。保険料率等の変動値は最新の公式発表をご確認ください。出典:全国健康保険協会・厚生労働省・日本年金機構。