問題
労働安全衛生法に規定する機械等の規制(製造許可・検査・性能検査・型式検定)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイ(誤っている記述)です。
別表第一第1号・第2号・第4号・第8号に掲げる特定機械等を製造・輸入した者が受けるべき製造時等検査の実施主体は「都道府県労働局長」ではなく、登録設計審査等機関です(第38条第1項)。2026年3月31日までの条文では特別特定機械等以外の製造時等検査は都道府県労働局長が行うとされていたため、古い教材で学んだ人ほど間違えやすい点です。
ア・ウ・エ・オはいずれも正しい記述です。特定機械等の製造許可は都道府県労働局長(第37条)、特定機械等(移動式を除く)を設置した者に対する検査は労働基準監督署長(第38条第3項)、検査証の有効期間更新のための性能検査は登録性能検査機関(第41条第2項)、型式検定は登録型式検定機関(第44条の2)と、手続ごとに実施主体が異なる点に注意が必要です。
機械等の規制の実施主体(第37条〜第44条の2):
| 制度 | 対象 | 実施主体 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 製造許可 | 特定機械等を製造しようとする者 | 都道府県労働局長(許可) | 第37条第1項 |
| 製造時等検査 | 別表第一第1・2・4・8号の特定機械等を製造・輸入した者等 | 登録設計審査等機関(検査) | 第38条第1項 |
| 設置時の検査 | 特定機械等(移動式を除く)を設置した者等 | 労働基準監督署長(検査) | 第38条第3項 |
| 性能検査(検査証の更新) | 検査証の有効期間の更新を受けようとする者 | 登録性能検査機関(検査) | 第41条第2項 |
| 型式検定 | 第42条の機械等のうち別表第四の政令で定めるものを製造・輸入した者 | 登録型式検定機関(検定) | 第44条の2 |
各選択肢の精査:
- ア(正): 第37条第1項「あらかじめ、都道府県労働局長の許可を受けなければならない」。
- イ(誤・正答): 第38条第1項は「登録設計審査等機関の検査を受けなければならない」と定めており、都道府県労働局長ではない。
- ウ(正): 第38条第3項「特定機械等(移動式のものを除く。)を設置した者……は……労働基準監督署長の検査を受けなければならない」。
- エ(正): 第41条第2項「厚生労働大臣の登録を受けた者(以下「登録性能検査機関」という。)が行う性能検査を受けなければならない」。
- オ(正): 第44条の2第1項・第5項のとおり、登録型式検定機関による検定と合格表示の付与が定められている。
【製造段階と設置段階で検査の実施主体が異なる制度設計】
安衛法の特定機械等規制は、製造許可(第37条)→製造時等検査(第38条第1項)→設置時の検査(第38条第3項)→性能検査(第41条)という時系列に沿った複数段階の規制で構成される。重要なのは、この各段階で検査の実施主体が異なる点である。
製造許可(第37条第1項)は「都道府県労働局長」が許可権者であり、申請にあたっては原則として登録設計審査等機関による設計審査の結果を記載した書類の添付が必要とされる(第37条第3項)。
製造時等検査(第38条第1項)は、別表第一第1号・第2号・第4号・第8号に掲げる機械等(ボイラー等、法令上特に限定された種類)を製造・輸入した者、一定期間設置されなかった特定機械等を設置しようとする者、使用を廃止した特定機械等を再び設置・使用しようとする者が対象で、その検査の実施主体は「登録設計審査等機関」である。都道府県労働局長ではない点が本問の最大のひっかけであり、「許可=都道府県労働局長」という第37条のイメージを製造時等検査(第38条第1項)にもそのまま当てはめると誤る。
【2026年4月1日施行の改正で変わった点】
e-Gov の改正履歴で2026年3月31日まで効力のあった第38条第1項を確認すると、「特別特定機械等(特定機械等のうち厚生労働省令で定めるもの)以外のものであるときは都道府県労働局長の、特別特定機械等であるときは……登録製造時等検査機関の検査を受けなければならない」と定めていた。2026年4月1日施行の改正後の現行条文では、対象を別表第一第1号・第2号・第4号・第8号の機械等に係るものに限ったうえで、検査の実施主体を一律に「登録設計審査等機関」としている。あわせて第37条第3項が新設され、製造許可の申請には登録設計審査等機関による設計審査の結果を記載した書類を添付することとされた。なお、登録を受ける者がいないときや登録設計審査等機関が業務を実施できないときなどは、都道府県労働局長が設計審査・製造時等検査の業務を自ら行うことができる(第53条の2第1項)。これは例外的な補完の規定であり、「製造時等検査は都道府県労働局長の検査を受けなければならない」とする記述は現行の第38条第1項と一致しない。
【設置時の検査(落成検査に相当)の実施主体】
第38条第3項は「特定機械等(移動式のものを除く。)を設置した者、特定機械等の厚生労働省令で定める部分に変更を加えた者又は特定機械等で使用を休止したものを再び使用しようとする者は……当該特定機械等及びこれに係る厚生労働省令で定める事項について、労働基準監督署長の検査を受けなければならない」と定める。ここでは検査の実施主体が労働基準監督署長に変わっており、製造・輸入段階(登録設計審査等機関)と設置段階(労働基準監督署長)とで検査機関が異なる構造になっている。
【性能検査(第41条)と型式検定(第44条の2)の違い】
性能検査は、既に交付された検査証の有効期間の更新のために行われるもので、実施主体は「登録性能検査機関」(厚生労働大臣の登録を受けた者)である。これに対し型式検定は、特定機械等以外の一定の機械等(防爆構造電気機械器具・保護具等、別表第四に掲げるもので政令で定めるもの)について、個々の製品ではなく「型式(モデル)」単位で安全性を検定する制度であり、実施主体は「登録型式検定機関」である。型式検定に合格した型式の機械等には合格表示を付す義務があり(第44条の2第5項)、表示のない機械等は使用してはならない(同条第7項)。
【実施主体の混同を避ける学習法】
本問のように「都道府県労働局長」「労働基準監督署長」「登録設計審査等機関」「登録性能検査機関」「登録型式検定機関」という複数の機関・主体が登場する分野では、条文ごとに実施主体を正確に対応させて覚える必要がある。特に製造許可(都道府県労働局長)と製造時等検査(登録設計審査等機関)は混同しやすく、本問の誤り肢(イ)はこの典型的な混同を突いた設計である。
根拠: 労働安全衛生法第37条・第38条・第41条・第44条の2。e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057 )で2026-09-30時点の条文を確認。
- 労働安全衛生法第37条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第37条(製造の許可)・第38条(製造時等検査等)・第41条(検査証の有効期間等)・第44条の2(型式検定)。e-Gov法令検索で2026-09-30時点の現行条文を確認。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

