労働安全衛生法6労働安全衛生法

社労士 労働安全衛生法 問6:労働安全衛生法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08

労働安全衛生法に規定する機械等の規制(製造許可・型式検定・性能検査)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 政令で定める特定機械等(ボイラー・クレーン等)を製造しようとする者は、あらかじめ都道府県労働局長の許可を受けなければならないが、輸入する場合には製造許可は不要である。
  • 特定機械等を設置した場合(または変更・廃止した場合)、事業者は所定の期間内に労働基準監督署長に届け出るとともに、労働基準監督署長等が行う落成検査(完成検査)を受けなければならない。
  • 型式検定は、特定機械等以外の一定の機械等(防爆構造電気機械器具・墜落制止用器具等の保護具)について、厚生労働大臣または登録型式検定機関が当該型式が厚生労働省令で定める規格・性能に適合するかを検定する制度であり、検定に合格した旨の表示(型式検定合格標章)のない機械等を販売・使用してはならない。正答
  • 性能検査は、特定機械等の設置後に、一定の期間ごとに技能講習修了者(性能検査員)が実施するものであり、性能検査に合格した場合には検査証の有効期間が更新される。
  • 特定機械等を輸入した者は、当該機械等を使用する前に、厚生労働大臣または都道府県労働局長に対して輸入の旨を届け出ることで、製造許可の代わりとすることができる。
正答:型式検定は、特定機械等以外の一定の機械等(防爆構造電気機械器具・墜落制止用器具等の保護具)について、厚生労働大臣または登録型式検定機関が当該型式が厚生労働省令で定める規格・性能に適合するかを検定する制度であり、検定に合格した旨の表示(型式検定合格標章)のない機械等を販売・使用してはならない。

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正答はウ(正しい記述)です。

型式検定は、特定機械等(ボイラー・クレーン等の大型危険機械)ではなく、それ以外の一定の機械等(防爆構造電気機械器具・墜落制止用器具・保護帽等)に対して実施される検定制度です。厚生労働大臣または登録型式検定機関が当該型式を検定し、合格した機械等には型式検定合格の表示がなされ、表示のない機械等の販売・使用が禁止されます(法第42条)。

アは誤りで、特定機械等の輸入業者も都道府県労働局長の製造許可(輸入の場合は届出・使用前検査)が必要です(製造と輸入で手続きが異なる点は要注意)。イは正しい部分もありますが、落成検査を行うのは「労働基準監督署長」ではなく「登録性能検査機関」または「都道府県労働局長」が行う場合があり、表現が不正確です。エは誤りで、性能検査は技能講習修了者ではなく登録性能検査機関が実施します。オは誤りで、輸入業者は「届出」のみでは製造許可の代替にはなりません。

標準試験対策の基準レベル

機械等の規制体系(労安衛法第37〜42条):

| 制度 | 対象 | 実施主体 | 根拠 |

|---|---|---|---|

| 製造許可 | 特定機械等(ボイラー・クレーン等・施行令第12条) | 都道府県労働局長が許可 | 第37条 |

| 製造時等検査・落成検査 | 特定機械等の製造・輸入・設置時 | 都道府県労働局長または登録製造時等検査機関が実施(労基署長ではない) | 第38条 |

| 性能検査 | 特定機械等(検査証の定期更新) | 登録性能検査機関(都道府県労働局長等ではない) | 第41条 |

| 型式検定 | 特定機械等以外の一定機械・保護具(施行令第13条) | 厚生労働大臣または登録型式検定機関 | 第44条の2 |

| 自主検査 | 一定の機械等(フォークリフト・クレーン等) | 事業者自身(年1回・記録3年) | 第45条 |

特定機械等の範囲(施行令第12条・代表例):

  • ボイラー(小型ボイラー等を除く)
  • 第一種圧力容器
  • クレーン(つり上げ荷重3t以上)
  • デリック(同)
  • エレベーター(積載荷重1t以上)
  • 建設用リフト
  • ゴンドラ

型式検定の対象機械・保護具の代表例(施行令第13条):

  • 防爆構造電気機械器具
  • 墜落制止用器具(旧安全帯・2019年名称変更)
  • 保護帽(ヘルメット)
  • 木材加工用丸のこ(防護装置)
  • 絶縁用保護具等

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 特定機械等を輸入する者も、使用前に登録性能検査機関による検査を受ける必要があり、製造許可(または輸入前確認手続き)が要求される。「輸入する場合には製造許可は不要」は誤り。
  • イ(誤): 落成検査は「労働基準監督署長」ではなく、都道府県労働局長等または登録性能検査機関が実施する場合がある(機械の種類により異なる)。「労基署長が行う」は誤り。
  • ウ(正): 型式検定は特定機械等「以外」の一定機械・保護具が対象。合格表示のない機械等の販売・使用禁止(第42条)。
  • エ(誤): 性能検査の実施主体は「登録性能検査機関」(法第41条第2項)。技能講習修了者(例えばクレーン運転士)が実施するものではない。
  • オ(誤): 輸入業者が「届出のみ」で製造許可の代替とすることは認められていない。使用前検査等の所定の手続きが必要。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【機械等の規制体系の立法ロジック:事前許可から事後管理までの三層設計】

労安衛法の機械等規制は「製造・輸入段階での品質確保(許可・型式検定)」「設置・使用開始段階での安全確認(落成検査・使用開始届)」「使用継続段階での定期更新(性能検査・自主検査)」という三層のフロントローディング設計です。この設計は、重大労働災害の多くが機械の不具合・老朽化・誤使用から発生することへの対策として、製造から廃棄まで安全管理を一貫させる思想に基づいています。

【製造許可の法的性格と輸入業者への適用】

製造許可(第37条)は、特定機械等を製造する事業者が都道府県労働局長から受ける事前許可です。輸入業者については、製造許可とは異なる手続き(登録性能検査機関による使用前検査・第41条の2)が必要であり、「許可不要」ではありません。近年は海外製機械の輸入が増加しており、「外国製品だから国内法の規制が及ばない」という誤解が実務でも見られます。社労士試験でも「輸入の場合の特則」が問われることがあるため、「製造と輸入で異なる手続きがある」ことを理解しておく必要があります。

【型式検定の意義と近年の制度変更(墜落制止用器具の名称変更)】

型式検定(第44条の2)は、標準化・大量生産される機械・保護具の安全性を「型式(モデル)」単位で検定する制度です。個々の製品を全て検査する代わりに、同一の設計・製造工程から生産される型式全体を一括して認証する効率的な制度です。

2019年2月1日に施行された改正では、「安全帯」が「墜落制止用器具」に名称変更され、従来のU字つり安全帯(墜落を制止する機能がない)が規格から除外されました。これは建設業を中心とした墜落・転落災害(労災死亡事故の最多類型)への対応であり、令和8年度試験でも引き続き出題される重要な改正論点です。

【性能検査の詳細:登録性能検査機関と検査証の有効期間管理】

性能検査は、特定機械等の検査証の有効期間が満了する前に、登録性能検査機関(厚労大臣が登録した民間機関・例:日本ボイラ協会・クレーン協会等)が実施します。社労士の実務でも顧問先の工場や倉庫において:

1. 保有する特定機械等の検査証有効期間の管理(期間切れは使用禁止・安衛法第40条第1項)

2. 性能検査の事前予約と当日立会い

3. 検査合格後の検査証有効期間更新・記録管理

が安全衛生管理業務の実務として重要です。特に検査証の有効期間切れのまま機械を稼働させた場合は、安衛法違反(第119条・6か月以下の懲役または50万円以下の罰金)となります。

【自主検査との違い:法定検査(外部)vs 事業者内部検査の二本立て】

自主検査(第45条)は、事業者が自社で実施する定期検査(年1回または月1回)です。フォークリフト・移動式クレーン・プレス機械等が対象で、記録を3年間保存する義務があります。性能検査(外部の登録機関が実施・検査証更新)と自主検査(事業者が実施・記録保存)は全く別の制度であり、自主検査が性能検査の代替にはなりません。社労士はこの二本立て構造を理解した上で、顧問先の機械管理台帳(検査証有効期間・自主検査記録)のレビューを行うことが実務の核心です。

根拠: 労働安全衛生法第37条(製造許可)・第38条(設置届・検査)・第40条(検査証有効期間)・第41条(性能検査)・第42条(販売・使用禁止)・第44条の2(型式検定)・第45条(自主検査)、同法施行令第12条・第13条。確認日2026-04-10。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第37条(製造許可)・第38条(設置等の届出・検査)・第41条(型式検定)・第53条の2(性能検査)、労働安全衛生法施行令第12条(特定機械等の範囲)・第13条(型式検定対象機械等の範囲) <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 結果=正答ウ維持。安衛法第41条第2項に明文「検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、厚生労働大臣の登録を受けた者(登録性能検査機関)が行う性能検査を受けなければならない」。エの「技能講習修了者(性能検査員)が実施」は誤り(実施主体は登録性能検査機関)でエは誤り肢として成立、正答ウで維持。なおイの落成検査(第38条)の実施主体は「都道府県労働局長又は登録製造時等検査機関」であり「労働基準監督署長」は誤り=イも誤りとして整合。参照: 安衛法第37条/第38条/第41条、e-Gov条文/労働新聞社条文DB。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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特定機械等(製造許可・性能検査・型式検定頻出度B

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