社労士 労働保険料徴収法 問5:労働保険料徴収法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08)
労働保険の保険関係の成立および消滅に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア継続事業(有期事業以外の事業)において、事業主が労働者を雇用した最初の日(事業開始日)に保険関係が成立し、事業主は成立の日の翌日から起算して15日以内に所轄の都道府県労働局長(または労働基準監督署長・公共職業安定所長)に保険関係成立届を提出しなければならない。
- イ有期事業(建設の事業・立木の伐採の事業等)においても、保険関係は事業の開始の日に成立し、事業主は成立の日の翌日から起算して10日以内に保険関係成立届を提出しなければならない。正答
- ウ保険関係が成立した場合、事業主は保険関係成立届を提出した後30日以内に概算保険料を申告・納付しなければならないが、保険関係が成立した日から50日以内という制限もあり、いずれか早い期限が適用される。
- エ保険関係は、事業が廃止・終了した日の翌日に消滅し、事業の廃止・終了により保険関係が消滅したときは、事業主はその日から60日以内に確定保険料を申告・納付しなければならない。
- オ任意加入の認可を受けた事業(任意適用事業)の保険関係は、労働保険事務組合に事務処理を委託することを条件として、認可の申請があった日ではなく、都道府県労働局長が認可した日に成立する。
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正答はイ(正しい記述)です。
有期事業においても、保険関係は事業の開始の日に成立し、事業主は成立の日の翌日から起算して10日以内に保険関係成立届を提出しなければなりません(徴収法第5条)。
アは誤りで、保険関係成立届の提出期限は「15日以内」ではなく「10日以内」です(徴収法第5条)。
ウは誤りで、概算保険料の申告・納付の期限は「保険関係が成立した日から起算して50日以内」と定められており、「届出後30日以内」という規定はありません(徴収法第15条第2項・確認日2026-06-08・出典: e-Gov法令)。
エは誤りで、保険関係は事業が廃止・終了した日の翌日に消滅する点までは正しいですが、確定保険料の申告・納付期限は「保険関係消滅日から50日以内」であり、「60日以内」は誤りです(徴収法第19条第2項)。オは誤りで、任意適用事業の保険関係は「認可があった日」(認可された当日)に成立し、労働保険事務組合への事務委託は条件ではありません。
保険関係の成立・消滅のタイムライン(必須整理):
【強制適用事業の成立】
| 事業の種類 | 保険関係成立日 | 成立届提出期限 |
|---|---|---|
| 継続事業 | 事業開始の日(初めて労働者を雇用した日) | 成立日の翌日から10日以内 |
| 有期事業(単独) | 事業開始の日 | 成立日の翌日から10日以内 |
| 有期事業(一括) | 各工事開始の日(一括届の後は届出不要) | 最初の一括開始届: 10日以内 |
【任意適用事業の成立(特殊ルール)】
| ケース | 成立日 |
|---|---|
| 都道府県労働局長の認可を受けた場合 | 認可があった日 |
| 労働者の2分の1以上の同意→申請義務発生 | 認可申請義務が発生するが、成立日は認可日 |
成立後の概算保険料・確定保険料の期限(必須整理):
| 手続 | 期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 概算保険料申告・納付 | 成立日から50日以内 | 徴収法第15条第2項(確認日2026-06-08) |
| 確定保険料申告・納付(廃止等) | 廃止等の日から50日以内 | 徴収法第19条第2項 |
| 年度更新(継続事業) | 6月1日〜7月10日 | 徴収法第19条第1項 |
保険関係の消滅タイミング:
- 事業廃止・終了: 廃止・終了の日の翌日に消滅(徴収法第5条)
- 任意加入の取消し: 取消しの申請があった日の翌日に消滅
- 強制適用事業への転換: 強制適用事業になった日に保険関係は継続(消滅しない)
各選択肢の解説:
- ア(誤): 成立届提出期限は10日以内(15日以内は誤り)。
- イ(正・正答): 有期事業の成立日=開始日・届出期限10日以内は徴収法第5条の通り。
- ウ(誤): 概算保険料の期限は「成立日から50日以内」。「届出後30日以内」という規定はない。
- エ(誤): 「廃止・終了の翌日に消滅」は正しいが、確定保険料申告納付期限は「保険関係消滅日から50日以内」(徴収法第19条第2項)。「60日以内」は誤り数値。
- オ(誤): 任意加入の成立日は「認可があった日」。委託を条件とはしない。
【「10日」「50日」「40日」を整理する:徴収法の期限数値の体系的整理】
徴収法は多数の期限数値が出てくるため、体系的に整理することが不可欠です:
| 手続 | 期限 | 起算点 |
|---|---|---|
| 保険関係成立届 | 10日以内 | 成立日の翌日から |
| 概算保険料申告・納付(年度途中新規) | 50日以内 | 成立日の翌日から |
| 概算保険料申告・納付(年度当初) | 40日以内(7月10日まで) | 年度開始(4月1日)から |
| 確定保険料申告・納付(年度更新) | 6月1日〜40日(7月10日) | 前年度末(3月31日)基準 |
| 確定保険料申告・納付(廃止等) | 50日以内 | 廃止等の日の翌日から |
| 延納申請(継続事業・第1期分) | 第1期: 保険料額確定後40日・7月10日 | — |
「10日」は保険関係成立届のみ、「50日」は年度途中成立の概算保険料、「40日」は年度当初概算・年度更新確定、「50日」は廃止・終了後の確定、という整理が記憶の核心です。
【保険関係の成立メカニズムと「強制」「任意」の違い】
強制適用事業(法第3条):
強制適用事業(農林漁業の一部を除く製造業・建設業・販売業・サービス業等)は、事業主の届出や申請なしに、労働者を雇用した時点で自動的に保険関係が成立します(法第3条)。
これは「成立届を出す前から保険関係がすでに存在する」という意味であり、成立届はあくまで「行政への報告」です。届出を怠っても保険関係自体は成立しており(保険給付義務は発生)、届出遅延・漏れに対しては行政上の措置(遡及認定・追徴金等)がなされます。
任意適用事業(法第4条・第4条の2):
農業・林業・水産業等の一部の事業(5人未満の個人事業等)は任意適用事業です:
- 加入申請: 事業主が都道府県労働局長に認可申請(労働者の2分の1以上の同意が必要)
- 成立日: 都道府県労働局長が認可した日(申請日ではない)
- 取消し申請: 任意加入後に脱退する場合も同様に申請→認可。保険関係は取消し申請日の翌日に消滅
- 強制加入: 労働者の4分の3以上が加入申請を求めた場合、事業主は申請義務が発生
【概算保険料申告の「50日以内」の根拠と実務】
年度途中に保険関係が成立した場合の概算保険料は、成立日から50日以内に申告・納付が必要です(徴収法第15条第2項)。
この50日という期限は:
- 成立届(10日)提出後に、賃金総額の見込み額を計算して保険料を算定・納付するための余裕期間
- 実務では成立届提出→保険料率確認→賃金見込額計算→申告書作成の流れで処理
社労士試験との接続:「10日・50日・40日・50日」の語呂合わせ的整理:
```
[10日] 成立届 → [50日] 概算(新規) → [40日] 年更 → [50日] 廃止確定
↑成立翌日起算 ↑成立翌日起算
```
【保険関係消滅のタイミングと実務への影響】
徴収法第5条により、保険関係が消滅するのは「廃止・終了の日の翌日」です。これは「廃止・終了の日まで(その日も含む)労働者保護を確保する」という設計です:
- 工事が3月31日に完了した場合:保険関係は4月1日に消滅(3月31日は保険関係が継続)
- 3月31日に作業中の労働者が被災した場合:その日はまだ保険関係が存在→労災保険給付の対象
この「消滅日=廃止・終了の翌日」という原則は、強制適用事業の廃止・任意適用事業の認可取消しの両方に共通するルールです。さらに確定保険料の申告納付期限は徴収法第19条第2項により「保険関係消滅日から50日以内」と定められています(「廃止・終了の日から50日」と「消滅日(翌日)から50日」では1日ズレるため、選択肢エの「60日」は明確な誤りです)。社労士として顧問先の保険関係の管理・成立届の適切な提出支援は、企業の労働法コンプライアンスの根幹をなす実務知識です。
<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): テンプレート変数 50日 を「50日」に置換(徴収法第15条第2項)。選択肢エの二重正答リスク是正:保険関係消滅日について「翌日に消滅」が正しい(徴収法第5条)ため、確定保険料申告期限を「50日以内→60日以内」に変更し数値ミス型の誤り肢化。正答イ(有期事業・成立日=開始日・10日以内)が唯一の正解となるよう整理。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第3条(保険関係の成立)・第4条の2(任意加入)・第5条(保険関係成立届・10日以内)・第15条(概算保険料・50日以内)・第19条(確定保険料・50日以内) 出典一次ソース: 厚生労働省「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000084(確認日2026-06-08) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。