問題
労働保険の保険関係の成立および消滅に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイ(正しい記述)です。
有期事業においても、保険関係は事業の開始の日に成立し(徴収法第3条・第4条)、事業主は成立した日から10日以内に保険関係成立届を提出しなければなりません(徴収法第4条の2第1項)。
アは誤りで、保険関係成立届の提出期限は「15日以内」ではなく「10日以内」です(徴収法第4条の2第1項)。
ウは誤りで、年度途中に成立した継続事業の概算保険料の申告・納付の期限は「保険関係が成立した日から50日以内」(有期事業は20日以内)と定められており、「届出後30日以内」という規定はありません(徴収法第15条第1項・第2項)。
エは誤りで、保険関係は事業が廃止・終了した日の翌日に消滅する点(徴収法第5条)までは正しいですが、確定保険料の申告・納付期限は「保険関係が消滅した日から50日以内」であり、「60日以内」は誤りです(徴収法第19条第1項括弧書き・第2項・第3項)。オは誤りで、任意適用事業の保険関係は「認可があった日」(認可された当日)に成立し、労働保険事務組合への事務委託は条件ではありません。
保険関係の成立・消滅のタイムライン(必須整理):
【強制適用事業の成立】
| 事業の種類 | 保険関係成立日 | 成立届提出期限 |
|---|---|---|
| 継続事業 | 事業が開始された日 | 成立した日から10日以内(第4条の2第1項) |
| 有期事業 | 事業が開始された日 | 成立した日から10日以内(第4条の2第1項) |
【任意適用事業の成立(特殊ルール)】
| ケース | 成立日 |
|---|---|
| 加入の申請をし、厚生労働大臣(権限は委任)の認可を受けた場合 | 認可があった日 |
| 雇用保険で労働者の2分の1以上が希望 | 事業主に申請義務が発生(徴収法附則第2条第3項)するが、成立日は認可があった日 |
成立後の概算保険料・確定保険料の期限(必須整理):
| 手続 | 期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 概算保険料申告・納付(年度途中成立の継続事業) | 成立した日から50日以内 | 徴収法第15条第1項括弧書き |
| 概算保険料申告・納付(有期事業) | 成立した日から20日以内 | 徴収法第15条第2項 |
| 確定保険料申告・納付(廃止等) | 保険関係が消滅した日から50日以内 | 徴収法第19条第1項括弧書き・第2項 |
| 年度更新(継続事業) | 次の保険年度の6月1日から40日以内 | 徴収法第19条第1項 |
保険関係の消滅タイミング:
- 事業廃止・終了: 廃止・終了の日の翌日に消滅(徴収法第5条)
- 雇用保険の任意加入の脱退: 消滅の申請に対する認可があった日の翌日に消滅(徴収法附則第4条第1項)
各選択肢の解説:
- ア(誤): 成立届提出期限は10日以内(15日以内は誤り)。
- イ(正・正答): 有期事業の成立日=開始日(第3条・第4条)・届出期限10日以内(第4条の2第1項)。
- ウ(誤): 概算保険料の期限は「成立日から50日以内」。「届出後30日以内」という規定はない。
- エ(誤): 「廃止・終了の翌日に消滅」は正しいが、確定保険料申告納付期限は「保険関係が消滅した日から50日以内」(徴収法第19条第1項括弧書き・第2項・第3項)。「60日以内」は誤り数値。
- オ(誤): 任意加入の成立日は「認可があった日」。委託を条件とはしない。
【「10日」「50日」「40日」を整理する:徴収法の期限数値の体系的整理】
徴収法は多数の期限数値が出てくるため、体系的に整理することが不可欠です:
| 手続 | 期限 | 起算点 |
|---|---|---|
| 保険関係成立届 | 10日以内 | 成立日の翌日から |
| 概算保険料申告・納付(年度途中新規) | 50日以内 | 成立日の翌日から |
| 概算保険料申告・納付(年度当初) | 40日以内(7月10日まで) | 年度開始(4月1日)から |
| 確定保険料申告・納付(年度更新) | 6月1日〜40日(7月10日) | 前年度末(3月31日)基準 |
| 確定保険料申告・納付(廃止等) | 50日以内 | 廃止等の日の翌日から |
| 概算保険料申告・納付(有期事業) | 20日以内 | 成立した日から |
「10日」は保険関係成立届のみ、「50日」は年度途中成立の概算保険料、「40日」は年度当初概算・年度更新確定、「50日」は廃止・終了後の確定、という整理が記憶の核心です。
【保険関係の成立メカニズムと「強制」「任意」の違い】
強制適用事業(法第3条):
強制適用事業(農林漁業の一部を除く製造業・建設業・販売業・サービス業等)は、事業主の届出や申請なしに、労働者を雇用した時点で自動的に保険関係が成立します(法第3条)。
これは「成立届を出す前から保険関係がすでに存在する」という意味であり、成立届はあくまで「行政への報告」です。届出を怠っても保険関係自体は成立しており(保険給付義務は発生)、届出遅延・漏れに対しては行政上の措置(遡及認定・追徴金等)がなされます。
任意適用事業(雇用保険は徴収法附則第2条・第4条):
農業・林業・水産業等の一部の事業(5人未満の個人事業等)は任意適用事業です:
- 加入申請: 事業主が申請し厚生労働大臣(権限は委任)の認可を受ける(雇用保険は労働者の2分の1以上の同意が必要:附則第2条第2項)
- 成立日: 認可があった日(申請日ではない:附則第2条第1項)
- 脱退: 雇用保険は労働者の4分の3以上の同意を得て申請し、認可があった日の翌日に消滅(附則第4条)
- 申請義務: 雇用保険は労働者の2分の1以上が希望するときは、事業主は加入の申請をしなければならない(附則第2条第3項)
【概算保険料申告の「50日以内」の根拠と実務】
年度途中に保険関係が成立した場合の概算保険料は、成立日から50日以内に申告・納付が必要です(徴収法第15条第1項括弧書き)。
この50日という期限は:
- 成立届(10日)提出後に、賃金総額の見込み額を計算して保険料を算定・納付するための余裕期間
- 実務では成立届提出→保険料率確認→賃金見込額計算→申告書作成の流れで処理
社労士試験との接続:「10日・50日・40日・50日」の語呂合わせ的整理:
```
[10日] 成立届 → [50日] 概算(新規) → [40日] 年更 → [50日] 廃止確定
↑成立翌日起算 ↑成立翌日起算
```
【保険関係消滅のタイミングと実務への影響】
徴収法第5条により、保険関係が消滅するのは「廃止・終了の日の翌日」です。これは「廃止・終了の日まで(その日も含む)労働者保護を確保する」という設計です:
- 工事が3月31日に完了した場合:保険関係は4月1日に消滅(3月31日は保険関係が継続)
- 3月31日に作業中の労働者が被災した場合:その日はまだ保険関係が存在→労災保険給付の対象
この「消滅日=廃止・終了の翌日」という原則は、強制適用事業の廃止・任意適用事業の認可取消しの両方に共通するルールです。さらに確定保険料の申告納付期限は徴収法第19条第1項括弧書き・第2項により「保険関係が消滅した日から50日以内」と定められています(「廃止・終了の日から50日」と「消滅日(翌日)から50日」では1日ズレるため、選択肢エの「60日」は明確な誤りです)。社労士として顧問先の保険関係の管理・成立届の適切な提出支援は、企業の労働法コンプライアンスの根幹をなす実務知識です。
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第3条・第4条の2・第15条・第5条・第19条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第3条・第4条(保険関係の成立)・第4条の2第1項(保険関係成立の届出・成立した日から10日以内)・第5条(保険関係の消滅=廃止・終了の翌日)・第15条第1項括弧書き(年度途中成立の概算保険料・50日以内。有期事業は同条第2項で20日以内)・第19条第1項・第2項(保険関係消滅後の確定保険料・消滅した日から50日以内) 出典一次ソース: 厚生労働省「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000084(確認日2026-06-08) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

