労働保険料徴収法6労働保険料徴収法

社労士 労働保険料徴収法 問6:労働保険料徴収法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08

労働保険事務組合に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 労働保険事務組合とは、事業主の委託を受けて、労働保険料の申告・納付等の事務を事業主に代わって処理することができる中小事業主等の団体であり、都道府県労働局長の認可を受ける必要がある。
  • 事業主が労働保険事務組合に労働保険事務を委託した場合、事務組合経由で概算保険料等を分割(延納)して納付することができるが、この延納の特例は委託事業主の概算保険料額が40万円未満の場合であっても適用される。
  • 事業主が労働保険事務組合に事務委託する際に必要な概算保険料の金額要件はなく、金額の多少にかかわらず委託することができる。
  • 労働保険事務組合に事務委託している中小事業主(一定の要件を満たすもの)は、労災保険の特別加入(第2種特別加入)をすることができ、当該事業主の家族従事者も一定の範囲で特別加入が認められる。正答
  • 労働保険事務組合は、事業主から委託を受けた労働保険事務を処理するにあたり、事業主が労働保険料の滞納等をした場合であっても、事務組合が事業主に代わって滞納保険料を立替払いする義務はない。
正答:労働保険事務組合に事務委託している中小事業主(一定の要件を満たすもの)は、労災保険の特別加入(第2種特別加入)をすることができ、当該事業主の家族従事者も一定の範囲で特別加入が認められる。

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正答はエ(誤っている記述)です。

事業主が労働保険事務組合に事務委託している場合に認められる特別加入(労災保険)は、第1種特別加入(中小事業主等の特別加入)です。第2種特別加入は「一人親方・特定作業従事者」が対象であり、事務組合委託の中小事業主が利用するのは第2種ではなく第1種です(エが誤り)。

アは正しく、事務組合は都道府県労働局長の認可を受けた中小事業主等の団体です(徴収法第33条・第34条)。イは正しく、事務組合経由の延納特例は委託事業主の保険料額に関わらず適用されます(通常は40万円以上が要件ですが、事務組合経由は金額不問)。ウは正しく、委託に概算保険料額の要件はなく、小規模事業主でも委託可能です。オは正しく、事務組合は代理人であり滞納保険料の立替義務はありません。

標準試験対策の基準レベル

労働保険事務組合の制度概要(必須整理):

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 根拠法 | 徴収法第33条・第34条 |

| 認可権者 | 都道府県労働局長 |

| 組合の性格 | 中小事業主等の団体(商工会・事業協同組合等が多い) |

| 取り扱う事務 | 保険関係成立届・概算/確定保険料申告・労災保険給付の請求補助等 |

| 委託の要件 | 金額要件なし(保険料の多少を問わず委託可能) |

| 委託のメリット① | 延納特例: 概算保険料が40万円未満でも分割(延納)が可能(通常は40万円以上で延納資格) |

| 委託のメリット② | 特別加入: 中小事業主が第1種特別加入(労災保険)に加入できる |

| 事務組合の責任 | 事業主への代理であり、滞納保険料の立替義務なし |

労災保険 特別加入の3区分(エの誤り根拠):

| 種類 | 対象 | 委託との関係 |

|---|---|---|

| 第1種特別加入 | 事務組合に委託している中小事業主・役員・家族従事者 | 事務組合委託が要件 |

| 第2種特別加入 | 一人親方・特定作業従事者(大工・農業・ITフリーランス等) | 事務組合と無関係(特別加入団体経由) |

| 第3種特別加入 | 海外派遣者 | 国内事業主が申請 |

エの記述「第2種特別加入」は誤り。事務組合経由の特別加入は第1種(中小事業主等)です。

通常延納と事務組合経由延納の比較:

| 区分 | 通常の延納(継続事業) | 事務組合経由の延納特例 |

|---|---|---|

| 概算保険料要件 | 40万円以上(確認日2026-06-08) | 要件なし(金額不問) |

| 分割回数 | 3回(4・7・10月)または2回 | 同じ |

| 適用対象 | 一般的な中・大規模事業主 | 小規模事業主でも適用可 |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 事務組合の定義・認可(都道府県労働局長)は法第33条・第34条の通り。
  • イ(正): 事務組合経由の延納特例は金額不問。40万円未満でも延納可。
  • ウ(正): 委託の金額要件なし。小規模事業主でも委託可能。
  • エ(誤・正答): 事務組合委託中小事業主の特別加入は第1種(第2種は一人親方)。
  • オ(正): 事務組合は代理人(代行者)であり、滞納保険料の立替義務なし。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【労働保険事務組合の「代理」と「代行」の法的性格】

事務組合は事業主の「代理人」として位置づけられています(徴収法第33条)。法的に重要なのは:

1. 代理の効果: 事務組合が申告・納付した労働保険料の効果は事業主に帰属する(事業主自身が申告・納付したものと同一の法的効力)

2. 保険料の実質負担: あくまでも事業主が保険料を負担・支払う(事務組合は代行するだけ)

3. 滞納責任: 事業主が滞納した保険料について、事務組合は立替義務も連帯債務もない

この「代理」の性格から、事務組合が不正な申告をした場合でも、究極的な責任は事業主に帰すという点も社労士試験・実務で重要です。

【第1種特別加入の詳細(中小事業主等)】

事務組合に委託している中小事業主が利用できる第1種特別加入の要件:

委託の中小事業主の要件(業種別従業員数):

| 業種 | 常時使用する労働者数 |

|---|---|

| 金融業・保険業・不動産業・小売業 | 50人以下 |

| 卸売業・サービス業 | 100人以下 |

| その他の事業(製造業・建設業等) | 300人以下 |

特別加入できる者の範囲(第1種):

  • 中小事業主本人
  • 同居の家族従事者(配偶者・子・孫・祖父母・兄弟姉妹で事業に従事している者)
  • 法人の役員(代表者含む)

家族従事者の範囲は同居が要件であることに注意(別居家族は対象外)。

給付基礎日額の設定:

特別加入者は通常の賃金(賃金日額)がないため、「給付基礎日額」を自分で選択して設定します(3,500円〜25,000円の範囲から選択)。この設定額が保険料算定と給付の基礎となります。

【第2種特別加入(一人親方等)との実務上の境界線】

試験頻出の第1種・第2種の混同問題の本質:

| 判断基準 | 第1種(中小事業主) | 第2種(一人親方等) |

|---|---|---|

| 事業主として労働者を雇うか | 雇用している(または小規模) | 雇用していない(個人で作業) |

| 加入経路 | 事務組合に委託 | 特別加入団体経由 |

| 代表的な対象 | 製造業・建設業の中小事業主 | 大工・左官・農業・IT系フリーランス等 |

「事務組合に委託しているが一人でも労働者を雇っていない個人事業主」→ 状況によって第1種または第2種のどちらが適用されるか、実務上も判断が必要なケースがあります。

【延納特例が小規模事業主に与える影響と社労士の実務支援】

通常の延納は概算保険料40万円以上(労災のみ・雇用のみ成立の場合は20万円以上)が要件ですが、事務組合経由では金額不問で延納できます。

小規模事業主にとっての効果:

  • 概算保険料が例えば10万円でも3期(3回)分割で納付可能
  • 資金繰りの緩和(一括納付の資金的負担軽減)
  • 事務組合手数料(年間数千円〜1万円程度)を支払っても延納メリットが大きい場合あり

社労士の実務サポート(事務組合制度の活用提案):

1. 小規模事業主(従業員3〜5名)への事務委託の提案と手続き支援

2. 特別加入(第1種)申請の書類作成(事業主本人・家族従事者の加入手続き)

3. 給付基礎日額の最適選択アドバイス(補償額と保険料のバランス)

4. 年度更新時の賃金集計・申告書作成の代行

特に一人親方が事業拡大して従業員を雇い始めた場合の第2種→第1種への切替手続きは、社労士が積極的に支援すべき実務場面です。

【令和8年度試験の確認ポイント(数値)】

  • 事務組合委託の金額要件: なし(金額不問)
  • 延納特例: 金額不問(通常要件40万円以上→事務組合経由は不問)(確認日2026-06-08・出典: 徴収法第18条)
  • 第1種特別加入の対象: 中小事業主・同居家族従事者・法人役員
  • 第2種特別加入の対象: 一人親方・特定作業従事者(事務組合委託は不要)

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): テンプレート変数 400,000円 を「40万円」に置換(労災のみ・雇用のみ成立は20万円・徴収法第18条施行令)。事務組合経由の延納特例は金額不問。選択肢エの「第2種特別加入」が誤り肢(正しくは第1種・中小事業主等)であることを再確認。正答エの妥当性確定。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第33条(労働保険事務組合)・第34条(認可)・第18条(延納・事務組合特例)・労働者災害補償保険法第33条・第34条(特別加入・中小事業主等) 出典一次ソース: 厚生労働省「労働保険事務組合制度について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/rousai/080123_01.html(確認日2026-06-08) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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