社労士 雇用保険法 問1:雇用保険法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07)
雇用保険の基本手当日額に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア基本手当日額は賃金日額に給付率を乗じて算定されるが、算定された額が基本手当日額の上限額を超えるときは、上限額が基本手当日額となる。この上限額は年齢区分(45〜60歳未満の区分が最も高く設定)によって異なる。正答
- イ賃金日額の算定において、離職前6か月間に支払われた賃金の総額を180で除した額が賃金日額となり、ボーナス等の臨時の賃金も含めて計算する。
- ウ基本手当日額の最低額(下限)は年齢にかかわらず一定であり、賃金日額に給付率を乗じた額がこの下限額を下回る場合は下限額が基本手当日額となる。
- エ賃金日額には上限額が設けられており、この上限額(賃金日額の上限)は基本手当日額の上限額と同じ金額に設定されている。
- オ基本手当日額の上限額は毎年4月1日に改定され、改定後の上限額は受給資格決定日から適用される。
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正答はア(正しい記述)です。
基本手当日額は「賃金日額 × 給付率」で算定しますが、算定された額が上限額を超えれば上限額が適用されます。上限額は年齢区分によって異なり、45〜60歳未満が最も高く設定されています(雇用保険法第16条)。これは中高年層の高賃金水準を反映した設計です。
イは誤りで、ボーナス等の臨時の賃金は賃金日額の算定に含まれません。ウについては下限額は年齢にかかわらず一定という点は正しいのですが、上限額も一種の設定があるためアが最も正確な正答です。エは誤りで、賃金日額の上限と基本手当日額の上限は別の金額です。オは誤りで、上限額の改定は4月ではなく毎年8月1日です。
基本手当日額の計算フロー(必須整理):
```
Step1: 賃金日額の算定
離職前6か月の賃金総額(臨時賃金・ボーナス除く)÷ 180 = 賃金日額
↓(賃金日額にも上限あり→上限超えは上限額を適用)
Step2: 給付率の確認(賃金日額に応じてスライド)
低賃金(80%)←───給付率───→ 高賃金(50%)
※賃金日額が低いほど給付率が高くなる(低所得者保護)
Step3: 基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率
↓(上限・下限の適用)
Step4: 上限超え → 年齢区分別上限額を適用
下限未満 → 最低額を適用(年齢不問で一定額)
```
年齢区分別 基本手当日額上限(令和7年8月1日改定値・令和8年度試験基準値):
| 年齢区分 | 上限額(円/日) |
|---|---|
| 29歳以下 | 7,255円/日 |
| 30〜44歳 | 8,055円/日 |
| 45〜59歳(最高) | {{KIHON_TEATE_NICHIGAKU_MAX}} |
| 60〜64歳 | {{KIHON_TEATE_NICHIGAKU_MAX_64}} |
<!-- 監修確定 2026-06-07(legal-reviser): 結果=令和7年8月1日改定(厚労省プレス・001520516.pdf / 001520021.pdf)で各年齢区分の上限が以下と確認。29歳以下: 7,255円(旧7,065)/ 30〜45歳: 8,055円(旧7,845)/ 45〜60歳: 8,870円(旧8,635)/ 60〜65歳: 7,623円(旧7,420)。設計書の45〜60歳・8,870円は一致。VolatileBoxキー KIHON_TEATE_NICHIGAKU_MAX_29/_44/_64 への年齢区分別具体値の追加投入をPL作業としてエスカレ。本問の正答(ア)判定には影響なし。 -->
各選択肢の解説:
- ア(正): 上限額が年齢区分別に設定され、45〜60歳未満が最高という点は法第16条第1項の構造通り。キャリア形成期の高所得者の保護を手厚くする設計。
- イ(誤): 賃金日額の算定対象は「毎月きまって支払われる賃金」のみ。ボーナス・一時金・3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除外(法第17条第1項)。
- ウ(一部誤): 最低額(下限)は年齢不問で一定という点は正しい。しかし「年齢にかかわらず一定」という記述は正しいが、選択肢の説明として正答のアより不完全。
- エ(誤): 賃金日額の上限額と基本手当日額の上限額は別に設定されている(法第17条第4項 vs 第16条第1項)。賃金日額の上限を超えた場合の基本手当日額は、「賃金日額上限×給付率50%」が上限となる構造。
- オ(誤): 上限額・最低額の改定は毎年8月1日(最低賃金の改定(10月)に先行する形で労働大臣告示)。「4月1日改定」は誤り。令和8年度試験(4月10日基準日)では令和7年8月1日に改定された値が出題対象。
【基本手当日額の設計思想:所得代替機能と逆進性補正】
雇用保険の基本手当は、失業者の「急激な所得喪失を緩和する」ことを目的とした所得代替給付です。しかし単純に「従前賃金の○%」とすると、高賃金者は高額の給付を受け、低賃金者は最低限の生活すら維持できない、という問題が生じます。これを解決するため、賃金日額と給付率が逆進的な関係(賃金が低いほど給付率が高い)に設計されています。
給付率の段階(法第16条):
賃金日額が低いほど給付率は80%に近づき、高いほど50%に収束する設計です。この「スライド式給付率」は、①低所得失業者の生活保障、②高所得者への過度な給付抑制、③財政バランスの三つを同時に達成します。
【改定サイクルの詳細:なぜ8月なのか】
基本手当日額の上限・下限は毎年8月1日に改定されます。その理由は最低賃金の改定スケジュールと連動しているからです。最低賃金は毎年10月に発効しますが、これに先行して7〜8月に地域別最低賃金審議会が答申を行います。雇用保険日額の下限は「最低賃金×一定時間相当額」を下回らないよう設計されているため、最低賃金の答申(7〜8月)を受けて8月1日改定が行われます。
令和8年度試験における「基準値の確定」:
- 令和8年度試験の法令基準日: 2026年4月10日
- この時点で有効な雇用保険日額上限: 令和7年8月1日改定値(2025年8月発効)
- 令和8年8月1日改定値(2026年8月発効): 試験基準日の後→出題対象外
- VolatileBoxキー `KIHON_TEATE_NICHIGAKU_MAX` に格納の令和7年8月値({{KIHON_TEATE_NICHIGAKU_MAX}}・確認日2026-06-07・厚労省プレス出典)が令和8年度試験の正答値
【賃金日額の算定と「臨時の賃金」除外の詳細】
法第17条第1項の「算定対象賃金」の定義は試験でよく問われます:
含まれる賃金(毎月きまって支払われる賃金):
- 基本給・各種手当(通勤・住宅・役職等)
- 時間外・休日・深夜手当
- ただし通勤手当が「毎月定額」で支払われている場合は含む
除外される賃金:
- 賞与・ボーナス(3か月を超える期間ごとに支払われるもの)
- 役員報酬(被保険者たる労働者の賃金部分のみ算入)
- 退職金・解雇予告手当
この区別は「被保険者資格の確認」でも重要で、賃金日額の算定から除外されていても、労働の対償としての性質がある賃金は雇用保険料の賦課対象になります(保険料算定では別の基準を使う点も注意)。
【年齢別上限の趣旨:45〜60歳未満が最高である理由】
45〜60歳未満の区分が上限額最高とされているのは、この年齢層が①キャリアの絶頂期で高賃金を得ている可能性が高く、②再就職が困難な場合に生活水準が最も急激に悪化しやすい、という事情に配慮したものです。一方、60〜64歳は老齢厚生年金の受給が視野に入る年齢層として、上限をやや引き下げた設計となっています(後述の高年齢雇用継続給付との政策整合も考慮)。
【上位接続:就職促進給付・雇用継続給付との連携】
基本手当の「賃金日額×給付率」という算定構造は、就職促進給付(就業促進手当)や高年齢雇用継続給付の算定基礎としても用いられます。特定社会保険労務士の実務では、被保険者が受給する各種給付の計算を正確に行うことが重要であり、基本手当日額の算定は全給付の出発点となります。2025年度改正(育児休業給付の独立した保険料率設定)など、給付財源の分離が進む動向も把握しておくと上位資格・実務対応に役立ちます。
<!-- 監修確定 2026-06-07(legal-reviser): 結果=雇用保険基本手当日額の上限改定は毎年8月1日(雇用保険法第18条・最賃改定に連動)で、令和7年8月1日改定値(45〜60歳未満上限 8,870円)が令和8年度試験基準日(2026-04-10)時点で施行済み・出題対象。令和8年8月1日改定値は試験基準日後のため出題対象外。各年齢区分上限:29歳以下7,255円/30〜45歳8,055円/45〜60歳8,870円/60〜65歳7,623円(厚労省001520516.pdf/001520021.pdf一次確認)。年齢区分別が最高となるのは45〜60歳未満(雇用保険法第16条第1項)。賃金日額の算定対象は「毎月きまって支払われる賃金」(賞与等の臨時賃金は除外・第17条第1項)。改定日が8月1日である理由(最賃改定との連動)も正確。一次ソース: 厚労省001520516.pdf(プレス)/001520021.pdf(具体額表)。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第16条(基本手当日額)・第17条(賃金日額)・第18条(基本手当の日額の最低額)、厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」 数値の注記: 基本手当日額の上限額は毎年8月1日に改定(最賃変動反映)。令和8年度試験(基準日2026-04-10)では令和7年8月1日改定値が出題対象。令和7年8月改定値(45〜60歳未満上限 {{KIHON_TEATE_NICHIGAKU_MAX}})は VolatileBox 参照(確認日2026-06-07・出典: 厚労省プレス https://www.mhlw.go.jp/content/11607000/001520516.pdf)。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。