社労士 雇用保険法 問4:雇用保険法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07)
雇用保険の育児休業給付金に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア育児休業給付金は、被保険者が1歳(保育所に入所できない等の要件を満たす場合は1歳6か月、さらに延長要件を満たす場合は2歳)に達する日の前日まで育児休業を取得した場合に支給される。
- イ育児休業給付金の支給率は、育児休業開始から最初の6か月(180日)は休業開始時賃金日額の100分の67、それ以降は100分の50となる。
- ウ育児休業給付金を受給するためには、育児休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月以上あることが必要であるが、妊娠・出産・育児等の理由により就業できなかった期間がある場合は、当該期間を加算して最長4年まで遡って計算することができる。
- エ産後パパ育休(出生時育児休業)に対応する「出生時育児休業給付金」は、子の出生後8週間以内に通算28日まで取得できる育児休業を対象とし、支給率は休業開始時賃金日額の100分の67である。
- オ令和7年(2025年)4月から施行された改正により新設された「出生後休業支援給付金」は、両親がともに14日以上の育児休業を取得する等の要件を満たす場合に、出生時育児休業給付金または育児休業給付金(67%)に上乗せして支給率20%相当が支給され、合計100分の87(手取りで実質10割超)となる制度である。正答
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正答はオ(誤っている記述)です。
オは「出生後休業支援給付金が20%相当・合計87%」としていますが正しくは13%相当の上乗せで合計80%(厚労省2025年4月施行情報)。社会保険料免除(労使ともに)と組み合わせて手取り10割相当となります。「20%上乗せ・87%」は数値が誤り。
アは正しく、1歳→1歳6か月→2歳の延長要件は雇保法第61条の7・育介法の通り。イは正しく、67%→50%の切替(180日経過)は条文値。ウは正しく、妊娠・出産等で就業できなかった期間は被保険者期間算定の遡及期間を最大4年まで延長できる規定(雇保法第61条の7第4項類推、育介関連通達)。エは正しく、出生時育児休業給付金の支給率は67%(雇保法第61条の8)、対象は出生後8週間以内の通算28日まで。
育児休業給付金の全体像(必須整理):
【通常の育児休業給付金(第61条の7)】
| 期間 | 支給率(休業開始時賃金日額比) |
|---|---|
| 休業開始〜最初の180日(6か月間) | 100分の67(67%) |
| 180日経過〜育休終了まで | 100分の50(50%) |
【延長要件】
| 延長後の終期 | 要件 |
|---|---|
| 1歳6か月まで | 保育所等に入所できない・配偶者の死亡・負傷等 |
| 2歳まで | 上記1歳6か月の延長後もなお保育所等に入所できない |
【出生時育児休業給付金(産後パパ育休・第61条の8)】
産後パパ育休は育介法第9条の2で規定され、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)まで分割取得(2回以内)が可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支給対象 | 出生後8週間以内の出生時育児休業 |
| 最大期間 | 28日間 |
| 支給率 | 100分の67(67%)(通常育休の最初の6か月と同じ) |
| 社会保険料免除 | 休業期間中は免除 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 育休給付の延長要件(1歳6か月・2歳)は第61条の7の通り。
- イ(正): 67%→50%の切替(180日・6か月)は条文値。重要な暗記ポイント。
- ウ(正): 妊娠・出産等で就業できなかった期間がある場合、被保険者期間の算定基礎期間(離職日以前2年間)を最大4年まで遡って延長することができる(雇保法第13条第3項類推適用、育休給付については個別の取扱通達あり)。
- エ(正): 産後パパ育休(出生時育児休業)は子の出生後8週間以内の通算28日まで、出生時育児休業給付金の支給率は67%(雇保法第61条の8)。
- オ(誤・正答): 2025年4月施行の出生後休業支援給付金の正しい上乗せ率は13%相当(合計80%)。設問の「20%上乗せ・合計87%」は誤り。社保料免除と合わせて手取り10割相当となる。
【育児休業給付の体系(2022〜2025年改正の全体像)】
近年の育児休業給付は、男性育休取得促進を目的とした改正が連続して行われており、試験頻出の改正論点です。
改正の時系列:
| 施行時期 | 改正内容 | 根拠法令 |
|---|---|---|
| 2022年4月 | 育介法改正:育休の分割取得(2回)可能に | 育介法 |
| 2022年10月 | 産後パパ育休(出生時育児休業)創設・出生時育児休業給付金新設 | 育介法・雇用保険法 |
| 2023年4月 | 育休給付の独立した保険料率・積立金管理(育休給付勘定)分離 | 雇用保険法改正 |
| 2025年4月 | 出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金の新設 | 雇用保険法改正 |
【出生後休業支援給付金(令和7年4月施行・hot_topic)】
令和7年4月施行の雇用保険法改正(第61条の8の2新設)で創設された給付金で、両親がともに育休を取得する場合に、通常の育休給付67%に加えて13%相当の上乗せ給付が行われます(合計80%)。社会保険料免除(労使ともに)を組み合わせると手取りで実質10割相当となります(厚労省2025年4月施行・監修確定)。
給付の条件(雇保法第61条の8の2):
1. 子の出生後8週間以内の期間に、父母がともに14日以上の育休を取得すること(同性カップル・ひとり親等の特例あり)
2. 上乗せ給付の対象期間は最大28日間
3. 被保険者が育児休業中であること
育児時短就業給付金(雇保法第61条の8の3)の新設:
子が2歳未満の期間に、時短勤務(育児短時間勤務)を選択した場合に、時短勤務中の賃金の10%相当を支給する新制度(2025年4月施行)。育休明けの職場復帰後も給付を受けながら時短勤務ができる設計で、女性の継続就労を後押しします。
【67%→50%の切替タイミングと社会保険料免除の組み合わせ】
育児休業給付金の支給率(67%または50%)は「手取り」ではなく「休業開始時賃金日額比」であることに注意が必要です。実際の手取り補填率を計算すると:
```
育休取得中(最初6か月):
給与ゼロ → 社会保険料免除(労使ともに)
育休給付金:休業開始時賃金の67%(事業主分の社保料も免除のため給与ベースでは事実上80%超相当)
育休取得中(6か月経過後):
給与ゼロ → 社会保険料免除継続
育休給付金:休業開始時賃金の50%
職場復帰後(時短勤務の場合):
給与(時短減額分)+育児時短就業給付金(10%)
```
この実質的な補填構造を理解することが、社労士が育休申請支援・給付額試算・職場復帰計画を行う実務の基礎です。
【育休給付の財源分離(2023年4月改正)の意義】
2023年4月の雇用保険法改正で、育児休業給付の財源が「失業等給付勘定」から「育児休業給付勘定」として独立しました。これにより育休給付の拡充のための独立した保険料率設定が可能になり、2025年度から育児休業給付の独立した保険料率として雇用保険料率(全体)の一部が別途設定されています。
社労士試験では、徴収法の雇用保険料率(pilot choushuu_01・wave1 choushuu_02等)との関連で、育休給付財源の分離後の料率構造を正確に把握することが要求されます。特に「育児休業給付率」(雇用保険料率の内訳)が令和8年度の改定でどのように反映されているかを確認しておく必要があります。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第61条の7(育児休業給付金)・第61条の8(出生時育児休業給付金)・第61条の8の2(出生後休業支援給付金)、育児・介護休業法第9条の2(出生時育児休業・産後パパ育休)、厚生労働省「育児休業給付の内容と支給申請手続」(2025年4月改訂版) <!-- 監修確定 2026-06-07 --> 数値(監修確定): 育児休業給付金の支給率67%・50%(180日切替)は雇保法第61条の7の条文値。出生時育児休業給付金は67%(雇保法第61条の8)。**出生後休業支援給付金の支給率は13%相当の上乗せ**(最大28日間、両親とも14日以上育休取得が条件)→合計**80%**(67%+13%)が支給され、社会保険料免除と組み合わせると手取りで実質10割相当となる(厚労省2025年4月施行情報・確定)。VolatileBoxキー追加推奨: SHUSSANGO_KYUUGYOU_SHIEN_RATE=13%(上乗せ率)、SHUSSANGO_KYUUGYOU_GOUKEI_RATE=80%。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。