問題
雇用保険の高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金および高年齢再就職給付金)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイ(正しい記述)です。
令和7年(2025年)4月1日施行の改正で、高年齢雇用継続基本給付金は、賃金が60歳到達時の64%未満に下がった月に賃金の10%が支給される仕組みになりました(第61条第5項第1号)。令和7年3月31日以前に支給要件を満たした人(60歳到達日が施行日前の人など)には、従前の率(最高15%)が適用されます。
アは誤りで、支給要件の賃金低下基準は「60歳時賃金の100分の75未満」です。ウは誤りで、必要な算定基礎期間は「5年以上」です。エは誤りで、支給残日数の基準は「200日以上→2年間」「100日以上200日未満→1年間」です。オは誤りで、年金の調整は令和7年4月1日以後に支給要件を満たした者で標準報酬月額の最大4%であり、一律10%ではありません。
高年齢雇用継続基本給付金(第61条)の要件:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 60歳以上65歳未満の一般被保険者 |
| 被保険者期間要件 | 60歳到達時に算定基礎期間通算5年以上 |
| 賃金低下要件 | 60歳以降の各月賃金が60歳時賃金月額の100分の75未満 |
| 支給率 | 賃金が60歳時賃金月額の64%未満なら賃金の10%、64%以上75%未満は逓減(第5項)/令和7年3月31日以前に支給要件を満たした者は従前の率(最高15%) |
高年齢再就職給付金(第61条の2)の要件:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 基本手当受給後に再就職した60歳以上65歳未満の者 |
| 支給残日数要件 | 就職日前日の残日数が100日以上 |
| 支給期間 | 残日数200日以上→2年間、100日以上200日未満→1年間 |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 賃金低下基準は「60歳時賃金の75%未満」(80%ではない)。
- イ(正): 第61条第5項第1号どおり(64%未満なら賃金の10%)。
- ウ(誤): 算定基礎期間の要件は「5年以上」(第61条第1項第1号)。3年以上では支給されない。
- エ(誤): 支給残日数の基準は「200日以上→2年間」「100日以上200日未満→1年間」(第61条の2第1項第1号・第2項)。150日・50日は誤り。
- オ(誤): 年金の調整は、令和7年4月1日以後に支給要件を満たした者で標準報酬月額の最大4%(厚生年金保険法附則第11条の6第1項第1号)、それ以前に支給要件を満たした者は最大6%。一律10%ではない。
【支給額の計算構造(イの根拠・第61条第5項)】
高年齢雇用継続基本給付金の額は、支給対象月に支払われた賃金の額に一定の率を掛けて求めます。
| 支給対象月の賃金(60歳到達時の賃金月額との比) | 率 |
|---|---|
| 64%未満 | 賃金の10%(第5項第1号) |
| 64%以上75%未満 | 10%から一定の割合で逓減する省令の率(同項第2号) |
| 75%以上 | 支給されない(第1項) |
ただし、給付額と賃金の合計が支給限度額を超える場合は減額され(第5項ただし書)、算定額が一定の最低額以下の場合は支給されません(第6項)。
【令和7年4月改正と経過措置】
令和7年4月1日施行の改正(令和2年法律第14号)で、最高の支給率が15%から10%に引き下げられました。厚生労働省の Q&A は、令和7年3月31日以前に受給資格(支給要件)を満たした場合は支給率が異なるとし、日本年金機構は、60歳到達日が施行日前の人が基本給付金を受ける場合と、施行日前に再就職した人が再就職給付金を受ける場合を、従前の扱い(最高15%)としています。
【老齢厚生年金との調整(オの誤りの根拠)】
65歳になるまでの老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金など)を受ける人が厚生年金保険の被保険者で、高年齢雇用継続給付を受けられるときは、在職による支給停止に加えて、年金の一部が支給停止されます(厚生年金保険法附則第11条の6第1項・第8項)。停止額は、標準報酬月額がみなし賃金日額の30日分の64%未満なら標準報酬月額の4%、それ以上は逓減する率です。令和7年3月31日以前に支給要件を満たした人は、最大6%です(日本年金機構)。対象者によって率が分かれるため、「一律10%」とするオは誤りです。
【支給残日数200日・100日の意味(エの整理)】
高年齢再就職給付金の支給期間は、基本手当の支給残日数の多さに応じて優遇されます。残日数が多いほど「早期に再就職した」ことになり、その分長く(2年間)支給されます。逆に残日数が少ない場合は1年間にとどまります。この「200日・100日」という基準日数を「150日・50日」のような別の数字に置き換えた記述は誤りであり、社労士試験では正確な日数の暗記が求められます。
- 厚生年金保険法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第61条第1項・第5項(高年齢雇用継続基本給付金)・第61条の2(高年齢再就職給付金)、厚生年金保険法附則第11条の6第1項・第8項(高年齢雇用継続給付との調整)(e-Gov 法令検索 現行条文・確認日2026-09-30)。令和7年3月31日以前に支給要件を満たした者の経過措置(支給率15%・年金の調整6%)は厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」・日本年金機構「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」による 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

