雇用保険法6雇用保険法

社労士 雇用保険法 問6:雇用保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07

雇用保険の高年齢雇用継続給付金(高年齢雇用継続基本給付金および高年齢再就職給付金)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以上65歳未満の被保険者が、60歳以降の各月に支払われた賃金額が60歳到達時の賃金月額の100分の61未満に低下した場合に支給される。
  • 令和7年(2025年)4月1日以後に60歳に達した者については、高年齢雇用継続基本給付金の支給率の上限が、従来の100分の15(15%)から100分の10(10%)に引き下げられており、賃金が60歳時賃金の61%未満の場合でも最大10%が支給される。正答
  • 高年齢雇用継続基本給付金を受給するためには、60歳時点において被保険者期間が5年以上あることが必要であり、60歳未満での離職・再就職を繰り返した場合は被保険者期間が通算されない。
  • 高年齢再就職給付金は、基本手当を受給した後に再就職し60歳以上65歳未満で就業を継続する者を対象とし、基本手当の支給残日数が200日以上ある場合は2年間、100日以上200日未満の場合は1年間にわたって支給される。
  • 高年齢雇用継続給付金(基本給付金・再就職給付金)は、老齢厚生年金と併給される場合には、老齢厚生年金の額が一定割合(令和7年4月1日以後に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たした者は最大標準報酬月額の4%)調整されて減額される仕組みがある(在職老齢年金の調整とは別の減額)。
正答:令和7年(2025年)4月1日以後に60歳に達した者については、高年齢雇用継続基本給付金の支給率の上限が、従来の100分の15(15%)から100分の10(10%)に引き下げられており、賃金が60歳時賃金の61%未満の場合でも最大10%が支給される。

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正答はイ(正しい記述)です。

令和7年(2025年)4月1日施行の改正により、2025年4月1日以後に60歳に達する者の高年齢雇用継続基本給付金の支給率上限が15%から10%に引き下げられました。これは令和8年度試験(基準日2026-04-10)時点で施行済みの重要改正です。

アは誤りで、支給要件の賃金低下基準は「60歳時の賃金の100分の75未満」(75%未満)です。「61%未満」は誤りです。ウは誤りで、60歳到達時の被保険者期間要件は「通算5年以上」ですが、被保険者期間の通算に関する記述が不正確です。エは正しく、支給残日数200日以上→2年間・100日以上→1年間(雇保法第61条の2)。オは令和7年4月以後の取扱いとして調整率「最大4%」が正しい(旧6%)。

標準試験対策の基準レベル

高年齢雇用継続給付の2類型(必須整理):

【①高年齢雇用継続基本給付金(第61条)】

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 対象者 | 60歳以上65歳未満の一般被保険者 |

| 被保険者期間要件 | 60歳到達時に通算5年以上 |

| 賃金低下要件 | 60歳以降の各月賃金が60歳時賃金月額の75%未満 |

| 支給率(上限) | 2025年4月以後60歳到達者: 最大10%(改正後)/それ以前60歳到達者: 最大15%(経過措置) |

| 支給額の計算 | 「60歳以降の各月賃金 × 支給率」が各月の給付額 |

【②高年齢再就職給付金(第61条の2)】

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 対象者 | 基本手当受給後に再就職した60歳以上65歳未満の者 |

| 支給残日数要件 | 100日以上の残日数が再就職日時点でも残っていること |

| 支給期間 | 残日数200日以上→2年間、100日以上200日未満→1年間 |

| 賃金低下・支給率 | 基本給付金と同じ基準 |

令和7年4月改正(支給率引下げ)の詳細:

| 対象 | 支給率上限 |

|---|---|

| 令和7年3月31日以前に60歳到達した者(経過措置継続) | 15%(従来通り) |

| 令和7年4月1日以後に60歳到達した者(改正後適用) | 10%(引下げ) |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 支給要件の賃金低下基準は「60歳時賃金の75%未満」。「61%未満」は誤り(60%未満で支給率が最高・75%を超えると支給なし)。
  • イ(正): 2025年4月以後の60歳到達者→支給率上限10%。条文・厚労省通知通り。正しい。
  • ウ(誤): 被保険者期間5年以上の要件自体は正しいが、「通算されない」という部分が不正確(複数事業主での被保険者期間は一定条件で通算可)。
  • エ(正): 支給残日数200日以上→2年間・100日以上→1年間は法第61条の2の通り。正しい。
  • オ(正): 高年齢雇用継続給付と老齢厚生年金の調整(厚年法第38条の2・施行令第6条の3)。令和7年4月1日以後に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たした者は最大4%(旧最大6%)が標準報酬月額に対する調整率の上限。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【高年齢雇用継続給付の政策的位置づけと制度縮小の方向性】

高年齢雇用継続給付は、60歳以降の高年齢者が継続就業する際に生じる「定年後の賃金低下」を補填することを目的として平成7年(1995年)に創設された給付です。

制度縮小の背景:

1. 高年齢者の継続就業が一般化: 定年延長・再雇用制度の普及で、60歳以降も就業する高年齢者が増加し、給付の必要性が低下した

2. 在職老齢年金との二重補填の問題: 高年齢雇用継続給付+老齢厚生年金(調整減額はあるものの)が二重に支給される状況への見直し

3. 75歳まで就業継続を促進する政策方向: 定年後の引き止め(継続雇用)より、活力ある就業を重視する政策転換

令和7年4月の支給率上限引下げ(15%→10%)は、最終的には令和10年度(2028年度)をめどに廃止される方向で政府の審議会で議論されており、令和8年度試験では「改正後10%」の知識が必要です。

【支給率の計算構造(60〜75%の段階的設計)】

高年齢雇用継続給付の支給率は、60歳以降の賃金が60歳時賃金の何%かによって段階的に決まります(2025年4月以後に60歳到達した者の場合):

| 60歳以降賃金/60歳時賃金 | 支給率(上限10%適用後) |

|---|---|

| 75%以上 | 0%(支給なし) |

| 61%以上75%未満 | 低下率に応じて段階的(0.01%〜10%未満) |

| 61%未満(最低) | 10%(上限・改正後) |

旧制度(2025年3月以前の60歳到達者)では61%未満の場合の上限が15%でした。

賃金61%(旧:61%、新:同じ)という数字の意味:

  • 60歳時賃金の61%未満が最大給付率の適用されるしきい値
  • 例: 60歳時月収40万円→60歳以降月収24万円(60%)の場合、10%(旧15%)の給付

【高年齢雇用継続給付と老齢厚生年金の調整(厚年法第38条の2)】

高年齢雇用継続給付を受けながら老齢厚生年金も受給している場合(在職中・65歳未満)、老齢厚生年金の月額が一定割合減額される調整が行われます(在職老齢年金の支給停止とは別の仕組み)。

調整の論理:

  • 高年齢雇用継続給付は「賃金低下補填」として雇用保険から支給される
  • これに加えて老齢厚生年金も全額支給すると、60歳以降の総収入が60歳時より高くなる逆転現象が生じる場合がある
  • これを防ぐため、給付率に応じた割合(標準報酬月額に対し、令和7年4月1日以後に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たした者は最大4%・令和7年3月31日以前に支給要件を満たした者は最大6%)だけ老齢厚生年金が調整減額される(厚年法施行令第6条の3)。雇用継続給付の支給率引下げ(15%→10%)に対応する形で、調整率も連動して引下げ(6%→4%)された。

【令和8年度試験のポイント:「いつ60歳に達したか」で正答が変わる】

令和8年度試験では、経過措置(令和7年3月31日以前に60歳→15%継続)と改正後(令和7年4月1日以後に60歳→10%)の区別が問われる可能性があります。

試験対策の整理:

| 生年月日の目安 | 60歳到達時期 | 適用される支給率上限 |

|---|---|---|

| 昭和40年4月2日以前 | 令和7年3月31日以前 | 15%(経過措置) |

| 昭和40年4月2日以後 | 令和7年4月1日以後 | 10%(改正後) |

令和8年度試験基準日(2026年4月10日)時点で60歳を迎える者は昭和41年(1966年)4月10日前後生まれ(昭和40年4月2日以後)→10%適用が正解。

社労士試験では「改正の施行日と適用対象者の生年月日の区切り」が頻出の引っ掛け問題となるため、厚労省の「令和7年4月1日施行」という施行日情報を基に正確に判断することが重要です。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第61条(高年齢雇用継続基本給付金)・第61条の2(高年齢再就職給付金)、厚生年金保険法第38条の2(高年齢雇用継続給付との調整)、厚生年金保険法施行令第6条の3(調整率)、日本年金機構「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」(2025年4月改訂) <!-- 監修確定 2026-06-07 --> 数値(監修確定): 高年齢雇用継続基本給付金の支給率上限は令和7年4月1日以後に60歳到達した者→**10%**(旧15%、雇保法改正・令和8年度試験基準日時点で施行済)。老齢厚生年金との調整率(厚年法第38条の2・施行令第6条の3)は**令和7年4月1日以後に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たした者は最大4%(旧最大6%)**(標準報酬月額に対する率)。VolatileBoxキー追加推奨: KOYO_KOUREI_RATE_R8=10%(雇用継続給付上限)、KOUNEN_CHOUSEI_RATE_R8=4%(厚年調整上限)。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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