問題
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。なお、2026年10月1日施行の改正後の規定によるものとする。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はオ(誤っている記述)です。
妊娠中と出産後1年を経過しない女性労働者に対する解雇は原則として無効ですが、事業主が「妊娠・出産等を理由とする解雇ではない」と証明したときは無効になりません(均等法第9条第4項ただし書)。オは証明しても無効としているので誤りです。
アは2026年10月1日施行の改正で新設された第13条第1項、イは第9条第1項、ウは第7条と施行規則第2条第1号、エは第15条第1項のとおりで、いずれも正しい記述です。
妊娠中・出産後1年以内の解雇(第9条第4項・オ)
- 原則: 妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は無効。
- 例外: 事業主が、妊娠・出産等(第9条第3項の事由)を理由とする解雇でないことを証明したときは無効とならない。
- 証明の責任は事業主側にある。
セクシュアルハラスメントの措置義務(第11条・第13条・ア)
| 条文 | 守られる人 | 措置の内容 |
|---|---|---|
| 第11条第1項 | 事業主が雇用する労働者 | 職場の性的な言動による不利益・就業環境の悪化を防ぐ雇用管理上の措置 |
| 第13条第1項(2026年10月1日新設) | 求職者等 | 自社の労働者による性的な言動で求職活動等が阻害されないための雇用管理上の措置 |
間接差別(第7条・ウ): 施行規則第2条が定める3つの措置(①募集・採用で身長・体重・体力を要件、②募集・採用・昇進・職種の変更で住居の移転を伴う配置転換に応じられることを要件、③昇進で異なる事業場への配置転換の経験を要件)は、合理的な理由がなければ講じてはならない。
マタニティハラスメントの措置義務(第15条・エ): 改正前の第11条の3が第15条に繰り下がった。
【2026年10月1日施行の改正と条番号】
「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」により、均等法は2026年10月1日に改正されました。求職者等に対するセクシュアルハラスメントについて、第13条(雇用管理上の措置等)と第14条(国、事業主及び労働者の責務)が新設され、以後の条が繰り下がっています。主な対応は次のとおりです。
| 内容 | 現行の条 |
|---|---|
| 職場のセクシュアルハラスメントの措置 | 第11条 |
| 同・国、事業主及び労働者の責務 | 第12条 |
| 求職活動等のセクシュアルハラスメントの措置 | 第13条(新設) |
| 同・責務 | 第14条(新設) |
| 妊娠・出産等に関するハラスメントの措置 | 第15条 |
| 同・責務 | 第16条 |
| 妊娠中及び出産後の健康管理の措置 | 第17条・第18条 |
| 報告の徴収・助言・指導・勧告 | 第35条 |
| 公表 | 第36条 |
【求職者等に対する措置(ア)】
第13条第1項は、事業主に対し、求職者等の求職活動等において行われる当該事業主が雇用する労働者による性的な言動により、求職者等の求職活動等が阻害されることのないよう、求職者等からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講ずる義務を課しています。「求職者等」は、求職者その他これに類する者として厚生労働省令で定めるものです。同条第2項は、求職者等からの相談への対応に協力した際に事実を述べた労働者に対する解雇その他不利益な取扱いを禁止しています。改正前は、セクシュアルハラスメントの措置義務の対象は第11条の「その雇用する労働者」だけでした。改正前の制度を前提に「求職者に対する措置義務はない」と覚えている場合は、改正後の第13条で結論が変わる点に注意が必要です。
【婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い(イ・オ)】
第9条は、第1項で婚姻・妊娠・出産を退職理由として予定する定めを、第2項で婚姻を理由とする解雇を、第3項で妊娠・出産等を理由とする解雇その他不利益な取扱いを禁止します。第4項は、妊娠中及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇を無効としたうえで、ただし書で、事業主が第3項の事由を理由とする解雇でないことを証明したときはこの限りでないと定めます。解雇の理由を立証する責任を事業主に負わせる仕組みです。
【間接差別(ウ)】
第7条は、性別以外の事由を要件とする措置のうち、実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについて、業務の遂行上特に必要である場合、雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ講じてはならないとします。厚生労働省令(施行規則第2条)は3つの措置を定めています。
【実効性の確保】
厚生労働大臣は、事業主に報告を求め、助言・指導・勧告ができ(第35条第1項)、第5条〜第7条、第9条第1項〜第3項、第11条第1項・第2項、第13条第1項・第2項、第15条第1項・第2項等に違反している事業主が勧告に従わなかったときは、その旨を公表できます(第36条)。
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第9条e-Govで原文を読む
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 男女雇用機会均等法 第7条(性別以外の事由を要件とする措置)・第9条第1項・第3項・第4項(婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)・第11条(職場における性的な言動に起因する問題に関する措置)・第13条(求職活動等における性的な言動に起因する問題に関する措置)・第15条(職場における妊娠・出産等に関する言動に起因する問題に関する措置)・第35条・第36条(助言・指導・勧告・公表)、同法施行規則 第2条(間接差別となるおそれがある措置) 出典: e-Gov法令検索 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(2026年10月1日施行版) https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000113 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

