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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働者災害補償保険法 問4|休業補償給付の支給要件と待期3日間

問題

社労士 | 労働者災害補償保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

労働者災害補償保険法における休業補償給付(業務災害)および休業給付(通勤災害)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウ(正しい記述)です。

休業補償給付の額は給付基礎日額の60%(労災保険法第14条)ですが、これとは別に社会復帰促進等事業から休業特別支給金として20%が支給されます(第29条)。合計で給付基礎日額の80%が補償されます。

アは誤りで、業務災害では第4日目から支給されます(最初の3日間は待期)。イは誤りで、待期3日間に事業主が労基法第76条により支払う休業補償は平均賃金の100分の60であり、100分の80ではありません。エが誤りで、通勤災害の待期期間中は事業主に労基法上の休業補償義務はありません(通勤は業務ではないため)。オは誤りで、所定労働時間の一部だけ働いた日も、給付基礎日額からその日に支払われた賃金を差し引いた額の60%が支給されます(第14条第1項ただし書)。

休業補償給付の支給要件(3要件すべて必要):

要件内容
①療養中業務上の傷病により療養中であること
②労働不能療養のため「労働することができない」状態
③賃金不受領賃金を受けない日であること

待期3日間の仕組み:

```

【業務災害(休業補償給付)】

↓

被災日・受傷日

1日目 ─┐

2日目 ─┤ 待期期間(3日間)

3日目 ─┘ → 事業主が労基法第76条により平均賃金の60%を補償

4日目〜 → 労災保険から休業補償給付(給付基礎日額の60%)

【通勤災害(休業給付)】

↓

被災日

1日目 ─┐

2日目 ─┤ 待期期間(3日間)

3日目 ─┘ → 事業主補償なし(通勤は業務外のため)

4日目〜 → 労災保険から休業給付(給付基礎日額の60%)

```

待期3日間の数え方:

  • 条文は「賃金を受けない日の第四日目から支給」(第14条第1項)。通勤災害の休業給付も同条の準用で同じ(第22条の2第2項)
  • 待期の3日は連続していなくても通算で足り、所定休日も含めて数えるとされています(行政解釈)

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 第1日目からではなく、第4日目から支給(最初の3日は待期)。
  • イ(誤): 待期中の事業主補償義務(労基法第76条)の額は平均賃金の100分の60。「100分の80」は休業補償給付と休業特別支給金の合計と混同した誤り。
  • ウ(正): 給付60%(法第14条)+特別支給金20%(第29条・社会復帰促進等事業)=実質80%。正しい。
  • エ(誤): 通勤災害の待期中は事業主に労基法上の補償義務なし。業務外の通勤に使用者責任はない。
  • オ(誤): 所定労働時間のうち一部分だけ労働する日(部分算定日)も支給対象で、額は給付基礎日額から部分算定日に支払われる賃金を控除した額の100分の60(第14条第1項ただし書)。

【待期3日間の制度趣旨と労基法第76条との関係】

労災保険の待期(第14条第1項「第四日目から支給」)は、一般に、①軽微な傷病による短期の休業まで保険で扱わない、②最初の3日間は使用者の災害補償責任(労基法第8章・第75条〜第88条)で賄う、という仕組みとして説明されます。業務災害の待期中の休業補償は、労基法第76条により使用者が負います。

労基法第76条(休業補償)の適用範囲:

  • 事業主は、業務上傷病の療養期間中、平均賃金の100分の60を休業補償として支払う義務がある
  • ただし労災保険から休業補償給付を受ける場合(4日目以降)は、事業主の補償義務が免除される(労基法第84条)
  • 通勤災害の場合は業務外のため、使用者に労基法上の補償義務なし

【休業特別支給金の法的性質と60%+20%の意味】

休業補償給付(60%)は「労災保険」の保険給付ですが、休業特別支給金(20%)は「社会復帰促進等事業」(法第29条)から支出される別の制度です。

重要な法律上の区別:

比較休業補償給付(60%)休業特別支給金(20%)
根拠条文第14条(保険給付)第29条(社会復帰促進等事業)
性質保険給付事業に基づく支給
譲渡・差押えの禁止第12条の5第2項(「保険給付を受ける権利」)同条の対象外(特別支給金支給規則第20条の準用にも含まれない)
第三者行為災害の求償・控除対象(第12条の4)対象外(第12条の4は「保険給付」が対象)
支給制限(故意の犯罪行為・重大な過失等)第12条の2の2支給規則第20条で準用

第三者行為災害(交通事故等)の求償・控除は第12条の4が「保険給付」について定めるもので、休業補償給付60%は調整の対象、休業特別支給金20%は対象外です(判例も特別支給金を損害賠償額から控除しないとしています)。被災者が加害者から損害賠償を受けた場合、この20%の部分は調整されずに残ります。

【一部就労日の取扱いと「内払い」の概念】

労働者が傷病の療養のため所定労働時間のうち一部分についてのみ労働する日や、賃金が支払われる休暇の日(部分算定日)にも、休業補償給付が支給されます(第14条第1項ただし書)。

計算方法(第14条第1項ただし書):

```

部分算定日の休業補償給付額

= (給付基礎日額 − 部分算定日に対して支払われる賃金の額)× 100分の60

※給付基礎日額は、最高限度額の適用がないものとした額で計算し、

控除後の額が最高限度額を超えるときは最高限度額で計算する

```

支払われた賃金が給付基礎日額以上なら、控除後の額が0以下となり支給額はありません。

【継続療養とスライド改定の関係(rousai_01との接続)】

休業補償給付(休業給付)が長期間継続する場合、休業給付基礎日額にスライドが適用されます(法第8条の2第1項)。四半期ごとの平均給与額が算定事由発生時の四半期の100分の110を超え、又は100分の90を下回った場合に改定され、療養開始後1年6か月を経過すると年齢階層別の最低・最高限度額も適用されます(同条第2項)。

長期休業のフロー:

```

被災日

↓ 療養開始後1年6か月経過日(又はその後)に、治っておらず傷病等級に該当する場合

傷病補償年金(第12条の8第3項)→ 療養補償給付は継続・休業補償給付は行わない(第18条第2項)

↓ 症状固定

障害補償給付(障害年金または一時金)への移行

```

社労士実務では、被災者の長期リハビリ・通院継続の場合にこのフローに沿った給付の種別変更・手続きが発生するため、各フェーズの移行要件と提出書類を正確に把握することが重要です。

【上位接続:傷病補償年金と障害補償給付の選択】

療養開始後1年6か月を経過した日(又はその後)において、傷病が治っておらず、その障害の程度が傷病等級(第1級〜第3級)に該当する場合は、傷病補償年金が支給されます(第12条の8第3項。額は傷病等級に応じ別表第一・第18条第1項)。傷病補償年金を受ける者には休業補償給付は行われません(第18条第2項)。症状が固定(治癒)した時点で障害が残る場合、障害等級に応じた障害補償給付(年金または一時金)に移行します。これら給付間の移行ルールを体系的に把握することが、社労士試験上級者・実務者の必須知識です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働者災害補償保険法第14条第1項(休業補償給付・第4日目から・部分算定日)・第22条の2第2項(休業給付への準用)・第29条(社会復帰促進等事業・特別支給金)・第12条の8第3項・第18条(傷病補償年金)、労働者災害補償保険特別支給金支給規則第3条(休業特別支給金)、労働基準法第76条(休業補償)・第84条第1項 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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