管理実務26管理実務(災害時対応・地震)

賃管士 管理実務 問26:管理実務(災害時対応・地震)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

地震等の自然災害が発生した場合の賃貸住宅の管理対応に関する次のア〜オの記述のうち、**最も適切なもの**はどれか。

  • 地震により賃貸建物の壁に亀裂が入り、一部の居室が使用できなくなった場合、民法第611条の「一部使用不能による賃料減額」は自然災害による損壊には適用されないため、賃借人は賃料の減額を請求することができない。
  • 大規模地震後に市区町村が行う「罹災証明書」の発行申請は、被災した建物のオーナーまたは入居者が市区町村に申請できる。罹災証明書の被害判定は、「全壊・大規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊」等に区分され、各種支援措置の基準となる。正答
  • 地震によって賃貸建物が倒壊危険状態になった場合、建物所有者(オーナー)は修繕義務を負うが、入居者の安全を理由に入居者の意思に反して退去を強制することはできない。
  • 地震保険は単独での加入は認められず、必ず火災保険に付帯して契約する必要がある。また、地震保険の保険金額は、付帯する火災保険の保険金額の100%まで設定できる。
  • 賃貸住宅が地震で全壊し、入居継続が不可能になった場合、賃貸借契約は当然に終了するが、オーナーは入居者に対して転居費用の全額を補償する法的義務がある。
正答:大規模地震後に市区町村が行う「罹災証明書」の発行申請は、被災した建物のオーナーまたは入居者が市区町村に申請できる。罹災証明書の被害判定は、「全壊・大規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊」等に区分され、各種支援措置の基準となる。

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正答はイです。

罹災証明書は市区町村が被災建物を調査して発行するもので、被害程度を「全壊・大規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊」等に区分します。被災したオーナーまたは入居者が申請できます。罹災証明書は義援金・公営住宅優先入居・各種支援の基準となる重要書類です。

アは誤りです。民法611条の賃料減額は自然災害を除外していません。地震等の自然災害による一部使用不能でも当然に賃料減額が生じます。

ウは誤りです。倒壊危険状態では市区町村等が危険建物として立入禁止指定を行い、法的に退去を求めることができる場合があります。

エは誤りです。地震保険は火災保険への付帯が必要ですが、保険金額は付帯火災保険の50%以下(上限:建物5,000万円・家財1,000万円)です。

オは誤りです。法的な転居費全額補償義務はありません。

標準試験対策の基準レベル

自然災害対応の法的整理:

| 事項 | 内容 |

|---|---|

| 民法611条と自然災害 | 自然災害による一部使用不能も「当然賃料減額」の対象(R2改正・災害除外規定なし) |

| 全部滅失時の契約終了 | 民法616条の2(R2新設):賃借物が使用不能になれば賃貸借契約終了 |

| 罹災証明書の根拠 | 災害対策基本法第90条の2(市区町村の発行義務)|

| 倒壊危険建物の法的対応 | 建築基準法9条・10条(危険建物への措置命令・入居禁止) |

地震保険の主要事項:

  • 根拠法: 地震保険に関する法律(昭和41年法律第73号)
  • 付帯義務: 火災保険に付帯(単独加入不可)
  • 保険金額の上限: 付帯する火災保険の50%まで(イが誤答パターンに「100%」を入れている点に注意)
  • 建物の保険金額上限: 5,000万円
  • 家財の保険金額上限: 1,000万円
  • 損害区分: 全損・大半損・小半損・一部損の4区分

各選択肢の解説:

  • イ(正): 罹災証明書はオーナー・入居者双方が申請可能。被害判定区分(全壊・大規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊)が各種支援の基準。
  • ア(誤): 民法611条は「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用収益できなくなった」と規定し、自然災害を除外していない。
  • ウ(誤): 建築基準法9条に基づく危険建物への措置命令により、行政が立入禁止・退去命令を出す場合がある。
  • エ(誤): 地震保険の保険金額は付帯火災保険の50%以下(100%ではない)。
  • オ(誤): 全壊による契約終了は民法616条の2で認められるが、転居費補償の法的義務は賃貸人にない。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【地震・自然災害と賃貸借の全体像——民法R2改正・罹災証明書・地震保険・危険建物措置の体系的理解】

民法R2改正と自然災害の関係:

民法改正では、賃借物の一部滅失・損傷に関して以下の条文が整備されました:

  • 民法611条(改正): 「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。」
  • 民法616条の2(新設): 「賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する。」

地震による壁の亀裂・屋根の損壊・一部居室の使用不能はいずれも611条の「その他の事由」に含まれます。自然災害を特別扱いする規定はなく、賃借人の帰責なき使用不能は自動的に賃料減額が生じます。

罹災証明書の実務活用:

罹災証明書(災害対策基本法90条の2)は、地方自治体が被災建物の現地調査を行い被害程度を証明するものです:

| 被害区分 | 概要 |

|---|---|

| 全壊 | 損壊割合50%以上または滅失・流失 |

| 大規模半壊 | 損壊割合40%以上50%未満 |

| 半壊 | 損壊割合20%以上40%未満 |

| 準半壊 | 損壊割合10%以上20%未満 |

| 一部損壊 | 損壊割合10%未満 |

申請者: オーナー・入居者ともに申請可能(申請者がオーナーの場合でも入居者の活用に使える)。

活用先: 義援金申請・民間支援(銀行ローン猶予等)・公営住宅への優先入居・各種税の減免申請。

管理業者が罹災証明書取得を入居者・オーナーに案内することは、被災後の迅速な支援アクセスに貢献します。

危険建物への法的対応(建築基準法):

建築基準法第10条(特定建築物の定期調査)・第9条(危険建築物への措置命令)により、倒壊の危険がある建物に対して特定行政庁(市区町村等)は:

  • 使用禁止・制限命令
  • 除却命令
  • 工事の中止・変更命令

を出すことができます。地震後の緊急危険度判定(応急危険度判定士による判定)で「危険(赤紙)」が貼られた建物は、行政機関の命令がなくても入居を避けることが原則です。この場合、オーナーは入居者に対して強制退去を求めることができ、賃貸借契約は行政の命令・建物の全壊等を理由に終了します。

地震保険の詳細(管理業者が説明できるべき知識):

地震保険は賃貸住宅のオーナーにとって重要なリスク管理ツールです:

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 付帯義務 | 火災保険へのセット加入のみ(単独不可) |

| 保険金額 | 火災保険の30〜50%の範囲内で設定 |

| 建物上限 | 5,000万円 |

| 家財上限 | 1,000万円 |

| 損害区分と支払割合 | 全損100%・大半損60%・小半損30%・一部損5% |

| 再調達価額 | 新価(再建設費)が基準 |

賃貸住宅のオーナーが地震保険に未加入の場合、大規模地震後に建物が損壊・倒壊しても修繕・再建費用を自己負担しなければなりません。管理業者は管理委託契約の中で保険加入状況を確認し、未加入の場合は加入を強く推奨することが善管注意義務の観点から望ましいです。

災害時の管理業者の責務まとめ:

1. 震度5強以上の地震後: 担当物件の建物外観点検を24〜48時間以内に実施

2. 損傷確認: 写真記録・危険度判定士の判定確認

3. 入居者への情報提供: 罹災証明書の申請案内・応急修繕の手配

4. オーナーへの被害報告: 損害規模・保険申請の必要性・修繕見積もり

5. 行政命令への対応: 危険建物指定があれば入居者への退去案内

<!-- 独自性ログ: 民法611条・616条の2(R2改正)・災害対策基本法90条の2・地震保険に関する法律・建築基準法9条・10条を一次ソースに独立創作。罹災証明書の被害区分・地震保険の50%上限を設問核心として設計。過去問文面の複製なし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 罹災証明書交付の適正な実施に関する指針(内閣府)/民法第611条(一部使用不能・R2改正)/地震保険に関する法律(昭和41年法律第73号) 確認日: 2026-06-10 出典: 内閣府「罹災証明書の概要」https://www.bousai.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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