賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問26|滞納賃料の遅延損害金——金銭債務の特則と消費者契約法9条1項2号——民法412条・419条

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

賃貸人(事業者)と賃借人(消費者)との間の建物賃貸借契約(消費者契約)において、賃借人が賃料の支払を遅滞した場合の遅延損害金に関する次のア〜オの記述のうち、民法及び消費者契約法の規定によれば、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はオです。

民法419条2項は、金銭の給付を目的とする債務の不履行による損害賠償について「債権者は、損害の証明をすることを要しない」と定めています。賃料債務は金銭債務なので、賃貸人は実際の損害を証明しなくても遅延損害金を請求できます(オ)。

アは誤りで、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができません(419条3項)。イは誤りで、利率の定めがなければ法定利率によります(419条1項)。ウは誤りで、確定期限があるときは期限の到来した時から遅滞の責任を負います(412条1項)。エは誤りで、無効になるのは年14.6%を超える部分です(消費者契約法9条1項2号)。

金銭債務(賃料)の遅延損害金の規定:

条内容
412条1項確定期限があるときは、期限の到来した時から遅滞の責任を負う
419条1項損害賠償の額は、遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率による。約定利率が法定利率を超えるときは約定利率による
419条2項債権者は損害の証明を要しない
419条3項債務者は不可抗力を抗弁とすることができない
消費者契約法9条1項2号支払期日までに支払わない場合の損害賠償の予定・違約金は、年14.6%で計算した額を超える部分が無効

各選択肢:

  • ア(誤): 419条3項により、不可抗力は抗弁になりません。
  • イ(誤): 定めがなければ法定利率です。14.6%は消費者契約法9条1項2号の上限の計算に使う割合です。
  • ウ(誤): 支払期日が確定期限なら、その到来の時から遅滞になります。
  • エ(誤): 無効になるのは14.6%で計算した額を超える部分だけです。
  • オ(正): 419条2項の条文どおりです。

【金銭債務の特則・法定利率の仕組み・消費者契約法による上限・管理実務での注意】

1. 遅滞が始まる時(412条)

債務の履行に確定期限があるときは、期限の到来した時から遅滞の責任を負います(412条1項)。「毎月末日までに翌月分を支払う」のように支払期日が暦で決まっている賃料は確定期限の債務なので、支払期日を過ぎれば、催告がなくても遅滞になります。期限を定めなかった債務は、履行の請求を受けた時から遅滞になります(412条3項)。

2. 金銭債務の特則(419条)

金銭債務の不履行については、次の特則があります。

  • 損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率によって定めます。約定利率が法定利率を超えるときは約定利率によります(1項)。
  • 債権者は損害の証明をする必要がありません(2項)。
  • 債務者は不可抗力を抗弁とすることができません(3項)。

3. 法定利率の仕組み(404条)

法定利率は、404条2項で年3%とされたうえで、3項以下により、3年を一期として、一期ごとに法務省令の定めに従って見直される仕組みになっています。見直しは、法務大臣が告示する「基準割合」の変動に基づいて行われます(404条4項・5項)。遅延損害金の額は、遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率で計算するため、滞納が始まった時期の法定利率を確かめます。

4. 消費者契約法9条1項2号による上限

事業者と消費者の間の契約で、消費者が支払期日までに支払わない場合の損害賠償の額の予定や違約金を定める条項は、支払期日の翌日から支払日までの期間について、未払額に年14.6%を乗じて計算した額を超える部分が無効になります。条項全体が無効になるわけではなく、14.6%で計算した額までは有効です。居住用の賃貸借で、賃貸人が事業者、賃借人が消費者に当たる場合は、この上限を超える遅延損害金の条項を定めても、超える部分は請求できません。

5. 管理実務での注意

滞納の督促で遅延損害金を請求するときは、契約書の利率の定め、その利率が消費者契約法の上限の範囲内か、定めがない場合に使う法定利率の時点を確かめます。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法第404条(法定利率)・第412条(履行期と履行遅滞)・第419条(金銭債務の特則)、消費者契約法第9条第1項第2号 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索(法令API v2) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_419 / https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_412 / https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061#Mp-At_9 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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