問題
賃貸住宅管理における個人情報の取扱いに関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はエです。
個人情報保護法第26条(令和2年改正で新設・令和4年4月1日施行)では、個人情報の漏洩等があった場合の報告・通知義務は「一定の要件(重大性の基準)を満たす場合に限定」されています。規模にかかわらず「必ず報告・通知義務あり」は誤りです。報告が義務付けられるのは「要配慮個人情報を含む漏洩」「財産的被害が生じるおそれのある漏洩」「不正の目的による漏洩」等の重大ケースです。
ア〜ウ・オは正しい記述です。特にイの保証会社への情報提供は申込時の書面同意で対応するのが実務標準です。
個人情報保護法の賃貸管理における適用ポイント(令和2年改正後):
| 論点 | ポイント |
|---|---|
| 利用目的の特定 | できる限り特定が義務(曖昧な目的設定はNG) |
| 目的外利用禁止 | 特定した目的外利用は原則禁止(本人同意が必要) |
| 第三者提供 | 本人同意が原則(例外: 法令に基づく場合・人命・財産保護等) |
| 開示請求対応 | 本人確認のうえ開示義務あり(電磁的記録の開示も追加・令和2年改正) |
| 漏洩報告・通知 | 要件を満たす重大漏洩のみ義務(規模不問の全件義務ではない) |
漏えい等報告が義務となる主な事態(個人情報保護法第26条・同法施行規則第7条):
1. 要配慮個人情報(病歴・障害・犯罪歴等)を含む漏えい等
2. 不正に利用されることにより財産的被害が生じるおそれのある漏えい等
3. 不正の目的をもって行われたおそれのある漏えい等
4. 本人の数が1,000人を超える漏えい等
各選択肢の解説:
- エ(誤・正答): 「規模にかかわらず必ず」は誤り。法第26条は一定の要件を満たす重大漏洩の場合のみ報告・通知義務がある。軽微な漏洩(1件の誤送付等)は義務対象外(ただし自主的な対応は推奨)。
- ア(正): 個人情報保護法第17条・第18条。利用目的の特定・目的外利用禁止の原則。
- イ(正): 申込書への「保証会社への情報提供同意」の署名は書面による本人同意として機能する。
- ウ(正): 個人情報保護法第33条(開示請求対応義務)。本人確認のうえ開示する義務(令和2年改正で電磁的記録の提供方法も追加)。
- オ(正): 個人データの第三者提供は、あらかじめ本人の同意を得れば認められる(個人情報保護法27条1項)。同意がない場合は、法令に基づく場合など27条1項各号の例外に当たらない限り提供できない。提供する情報は必要な範囲にとどめる。
【賃貸管理と個人情報保護——令和2年改正の全体像・取扱いのルール・トラブル事例・管理体制の設計】
個人情報保護法令和2年改正の主要ポイント(賃貸管理に影響する事項):
| 改正内容 | 賃貸管理への影響 |
|---|---|
| 個人の権利の拡充(利用停止・消去等の請求要件の緩和) | 入居者からの請求への対応体制整備が必要 |
| 漏えい等報告・本人通知の義務化(法26条) | 重大な漏えい等の報告フロー設計が必要 |
| 電磁的記録の提供による開示(本人が方法を指示できる) | 書面に加えデータ形式での開示請求対応 |
| 仮名加工情報の創設 | データ活用(空室分析等)への対応 |
| 外国にある第三者への提供時の本人への情報提供の充実 | 海外クラウドサービス等を利用する際の確認 |
賃貸管理で取り扱う主な個人情報と取扱い方針:
| 情報の種類 | 利用目的の例 | 第三者提供の可否 |
|---|---|---|
| 入居者氏名・住所・電話番号 | 契約管理・連絡 | 保証会社・修繕業者への必要最小限(同意取得済) |
| 勤務先・収入情報 | 入居審査 | 保証会社に提供(申込時同意) |
| 病歴・障害情報(要配慮情報) | 配慮目的・緊急連絡 | 漏洩時は重大案件として必ず報告 |
| 外国人の在留資格情報 | 入居審査・更新管理 | 要配慮情報ではないが慎重に管理 |
| 犯罪・反社会的勢力情報 | 審査目的 | 原則提供不可(反社確認は情報提供元の許可範囲内) |
入居審査における個人情報の適切な取扱い:
入居申込書に記載された情報の取扱いは、「個人情報保護方針」に基づき利用目的を明示し、申込者から書面同意(申込書への署名)を取得することが標準実務です。利用目的の例:
- 賃貸借契約の締結・管理
- 入居審査(保証会社への照会を含む)
- 緊急連絡・修繕対応
- 退去後の敷金精算・法的手続き
「マーケティング目的で第三者に提供する」などの目的は申込書に明示し、同意を得る必要があります(得られない場合は提供不可)。
漏洩事故発生時の対応フロー:
1. 漏洩の確認・原因究明
2. 被害拡大防止措置(流出経路の遮断等)
3. 報告対象の事態に該当するか判断(個人情報保護法施行規則7条各号の確認)
4. 重大要件に該当→個人情報保護委員会への速報(3〜5日以内)・最終報告(30日以内)
5. 漏洩した本人への通知(個別連絡)
6. 再発防止策の策定・実施
なお、要件に該当しない軽微な漏洩(1名の書類誤送付等)でも、本人への謝罪・説明・被害防止対応は実施することが信頼維持に必要です。
賃貸管理業者のセキュリティ体制設計:
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 物理的安全管理 | 書類の施錠保管・シュレッダー廃棄・事務所入退室管理 |
| 技術的安全管理 | 顧客DBへのアクセス権限制限・通信暗号化・ウイルス対策 |
| 人的安全管理 | 従業員への研修・守秘義務契約・退職時の情報持ち出し防止 |
| 組織的安全管理 | 個人情報管理責任者の設置・取扱規程の整備・定期監査 |
賃貸住宅管理業法17条(従業者証明書)・21条(秘密保持義務)も踏まえ、賃貸管理業者は業法上の秘密保持義務と個人情報保護法上の安全管理措置の両方を遵守する必要があります。
- 個人情報の保護に関する法律第26条・第17条・第33条・第27条e-Govで原文を読む
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第17条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 個人情報の保護に関する法律(令和2年改正・令和4年4月1日施行)第17条・第18条・第26条(漏えい等の報告等)・第27条・第33条/個人情報の保護に関する法律施行規則第7条(報告対象となる事態) 確認日: 2026-09-30 出典: 個人情報保護委員会 https://www.ppc.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

