賃管士 管理実務 問38:管理実務(入居者間トラブル)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
賃貸住宅の共用部・ゴミに関するトラブル対応として、次のア〜オの記述のうち、**最も適切なもの**はどれか。
- ア賃貸住宅のゴミ捨てルールは、市区町村のゴミ収集ルールではなく、管理業者が独自に設定したルールが法的に優先されるため、市区町村の分別ルールに反していても、管理業者のルールに従えばよい。
- イ入居者がゴミを指定の日時・場所以外に不法投棄した場合、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)上の不法投棄に該当し、罰則が適用される可能性がある。
- ウ共用廊下に入居者が私物(自転車・ダンボール等)を常時放置している場合、管理業者はオーナーへの確認なしに直ちに私物を廃棄することができる。
- エ入居者が共用部のゴミ置き場の清掃当番を拒否した場合、管理業者は入居者を強制的に当番に組み込む法的権限を持っている。
- オ無断駐輪・不法投棄ゴミに対して、管理業者は一定期間掲示を行い所有者に連絡した後、オーナーの承認のもとで処分の手続きを進めることが適切な実務対応である。正答
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正答はオです。
無断駐輪や不法投棄ゴミへの対応は、一方的に廃棄せず、一定期間の掲示(「○月○日までに撤去がない場合は処分します」)と所有者への連絡を経てから処分することが適切な実務です。オーナーの承認を得たうえで処分手続きを進めることが法的リスクを低減します。
アは誤りです。市区町村のゴミ収集ルール(廃掃法)が優先されます。
イは正しいです。廃掃法第16条で不法投棄は禁止されており、個人にも罰則があります。
ウは誤りです。私物を無断で廃棄すると器物損壊・不法行為になる可能性があります。
エは誤りです。管理業者に清掃当番への強制参加を課す法的権限はありません。
共用部・ゴミトラブルの法的整理:
| トラブルの種類 | 法的根拠 | 適切な対応 |
|---|---|---|
| 不法投棄 | 廃掃法16条・罰則あり | 市区町村・警察への通報・当事者への警告 |
| 共用部への私物放置 | 契約違反・不法占有 | 書面警告→オーナー承認の上で撤去手続き |
| ゴミ分別違反 | 市区町村条例・管理規約違反 | 書面指導・繰返しは退去勧告 |
| 無断駐輪 | 契約違反・他の利用者の妨害 | 掲示→連絡→所有者承認の上で処分 |
無断駐輪・放置物の処分手順(実務):
1. 「〇月〇日までに撤去がない場合は処分します」旨の掲示を目立つ場所に貼付
2. 所有者の特定を試みる(入居者リストと比較・聴取)
3. 所有者判明の場合: 書面または口頭で撤去を求める
4. 所有者不明・期限超過の場合: オーナーに報告・承認を得て撤去・廃棄
5. 廃棄記録を保存(万一の請求に備えて)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)の主要規定:
- 第6条の2(一般廃棄物の処理): 市区町村が一般廃棄物の処理責任を負う
- 第16条(投棄禁止): 何人も廃棄物を適正処理施設以外に投棄してはならない
- 第25条(罰則): 投棄禁止違反は5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
各選択肢の解説:
- オ(正): 掲示→連絡→オーナー承認のうえで処分という段階的手順が適切。
- ア(誤): 廃掃法・市区町村条例が優先。独自ルールで条例を排除できない。
- イ(正): 廃掃法16条で不法投棄は禁止・罰則対象。
- ウ(誤): 私物の無断廃棄は器物損壊罪(刑法261条)・不法行為となる可能性あり。
- エ(誤): 強制当番参加の法的権限なし(任意・契約上の義務として定める場合はあり)。
【共用部・ゴミ管理の深層——廃掃法・賃貸管理契約・動産の時効取得・撤去費用の回収・地域自治会との連携】
廃棄物の処理及び清掃に関する法律と賃貸管理の接点:
廃掃法は廃棄物の排出・処理・廃棄に関する基本法です。賃貸管理との接点:
1. 敷地内への不法投棄: 第三者が敷地内にゴミを不法投棄した場合、土地管理者(オーナー)が適正処理を求められる場合がある
2. 入居者の不法投棄: 廃掃法16条違反で入居者を告訴できる(実務上は警察への情報提供)
3. 廃棄物処理業者の利用: 廃棄物の処分委託は許可業者(産業廃棄物処理業者・一般廃棄物処理業者)に限定
放置自転車・動産の法的処理:
共用部に放置された動産(自転車・荷物等)は所有者が占有を手放したわけではないため、勝手に処分すると以下のリスクがあります:
| リスク | 法的根拠 |
|---|---|
| 器物損壊罪 | 刑法261条(他人の物を損壊)|
| 横領罪 | 刑法252条(他人の物を自己の物に)|
| 不法行為・損害賠償 | 民法709条 |
安全な処分手順:
1. 公示(掲示): 「○月○日以降は処分します」の張り紙(14〜30日間程度)
2. 所有者特定の試み(入居者リスト照合・防犯カメラ確認)
3. オーナーへの報告・処分方法の確認
4. 処分記録の保存(写真・処分日時・処分業者)
5. 費用の入居者への請求(特定できた場合)
ゴミ分別トラブルの予防対策:
多国籍の入居者がいる物件では、ゴミ分別トラブルが頻発します。予防策:
- 多言語対応のゴミ分別説明書(国交省・自治体配布の無料資料を活用)
- ゴミ置き場への写真付き分別表の掲示
- ゴミ収集カレンダーの各室配布
- 問題が発生した入居者への個別指導記録
繰り返し指導しても改善がない場合は「賃貸借契約上の善管注意義務違反」として警告→解除手続きに進む場合もあります。
清掃当番・自治会への参加問題:
入居者が清掃当番・自治会活動への参加を拒否した場合の取扱い:
- 契約書・管理規約に参加義務の明記がある場合: 契約違反として指導できる
- 明記がない場合: 強制できない(参加は任意)
実務上は、入居時に「当マンションでは共用部清掃の当番制があります。ご協力をお願いします」と明示し、了承を得ておくことがトラブル防止につながります。自治会加入の強制も法的には困難です(最高裁判例あり)。
地域自治会との連携(特に外国人入居者対応):
外国人入居者のゴミ分別問題で地域自治会から苦情が来る場合、管理業者が中間調整役を担うことが増えています:
1. 自治会の苦情内容を正確に把握
2. 該当入居者に対して多言語で具体的な指導
3. 自治会への改善報告
管理業者が地域自治会と良好な関係を構築することは、物件の評判管理(reputation management)にも直結します。
<!-- 独自性ログ: 廃棄物の処理及び清掃に関する法律16条・刑法261条・民法709条を一次ソースに独立創作。無断駐輪・放置物の段階的処分手順を正答核心として設計。過去問文面の複製なし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条(不法投棄禁止)/民法(動産の占有・処分) 確認日: 2026-06-10 出典: 環境省 廃棄物関係 https://www.env.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。