賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問81|仮設工事・共有部の清掃管理——管理業者の維持保全業務の範囲

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

賃貸住宅管理業者が行う「賃貸住宅の維持保全」に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。

賃貸住宅管理業法第2条第2項が定義する「管理業務」に含まれる「維持保全」は、住宅の居室及びその他の部分について、点検、清掃その他の維持を行い、及び必要な修繕を行うことです。維持保全に係る契約の締結の媒介・取次ぎ・代理を行う業務も含まれます。居室だけでなく、共用廊下・エントランス・外壁等の「その他の部分」も対象です。

ウは誤りです。維持保全は居室以外の部分(共用部分等)も含まれます。

イは誤りです。定義上「必要な修繕を行うこと」が維持保全に含まれ、修繕業者への発注の取次ぎ・代理も含まれます。

エは誤りです。修繕発注の権限は管理委託契約で定める範囲内(多くの場合、一定金額以下はオーナー承認不要等の取決め)です。

オは誤りです。賃貸住宅管理業法と区分所有建物管理(マンション管理適正化法)は別個の法律です。

賃貸住宅管理業法の「管理業務」の定義(業法2条2項):

業務区分具体的な内容
1号 賃貸住宅の維持保全居室及びその他の部分(共用部含む)の点検・清掃その他の維持と必要な修繕。維持保全に係る契約の媒介・取次ぎ・代理を含む
2号 家賃等の金銭の管理家賃・敷金・共益費その他の金銭の管理(1号の維持保全と併せて行うものに限る)

維持保全に含まれる主な業務:

  • 建物外壁・屋根・外構の点検
  • 共用廊下・エントランス・駐車場の清掃・管理
  • 電気・給排水・ガス・消防設備の定期点検
  • 入居者への設備使用上の注意事項の周知
  • 修繕業者への工事発注手配・監督

管理委託契約での発注権限の取決め(実務):

管理業者が修繕を発注する際の権限範囲は管理委託契約で取決めます:

工事規模通常の取決め
小修繕(〇万円以下)管理業者が即時発注・後日報告
中規模修繕(〇万円超〜〇万円以下)オーナーへの報告後に発注
大規模修繕(〇万円超)オーナーの事前承認が必要

各選択肢の解説:

  • ア(正): 業法2条2項1号の「維持保全」が共用部を含み、点検から修繕までを含むことの記述。
  • ウ(誤): 居室以外の部分(共用部等)も含まれる。
  • イ(誤): 必要な修繕を行うことも維持保全に含まれる。
  • エ(誤): 発注権限は管理委託契約の範囲内・一定額以上はオーナー承認が必要。
  • オ(誤): 賃貸住宅管理業法とマンション管理適正化法は別個の法律・適用対象が異なる。

【維持保全業務の深層——賃貸住宅管理業法と区分所有管理法の違い・維持保全の品質基準・予防保全と事後保全の費用対効果・発注権限の設計・緊急修繕対応】

賃貸住宅管理業法とマンション管理適正化法の比較:

比較項目賃貸住宅管理業法マンション管理適正化法
対象賃貸住宅の管理業者(オーナーから委託)分譲マンションの管理業者(管理組合から委託)
管理の発注主体賃貸住宅のオーナーマンション管理組合
組合の有無なし(オーナー個人が管理委託)管理組合が必須(区分所有法3条)
修繕積立金任意(オーナーが自主積立)管理規約等で定めて管理組合が積み立てる
行政の監督国交省(業法上の登録・監督)国交省(マンション管理適正化法)

両法は規制対象が異なる別個の法律です。賃貸住宅管理業の維持保全業務に、マンション管理適正化法の規制がそのまま重ねて適用されるわけではありません(分譲マンションの一室を賃貸する場合でも、その住戸の賃貸管理と、管理組合が委託する共用部分等の管理とは別の業務です)。

維持保全業務の品質基準と業法の要求:

業法は維持保全の具体的な品質基準を法律上直接規定していませんが、解釈運用ガイドラインや管理委託契約の内容が実質的な品質基準を形成します。

管理業者の善管注意義務(管理受託契約は準委任で、民法656条により644条を準用)の観点から、以下の基準が求められます:

  • 法令・自治体条例で定められた点検・整備の実施(消防設備点検・受水槽清掃等)
  • 専門業者による定期点検
  • 異常発見時の速やかな報告・対処

緊急修繕対応の発注権限(実務設計):

管理委託契約における緊急修繕の発注権限設計:

```

通常修繕:

金額 ≤ X万円: 管理業者が即時発注 → 後日オーナーへ報告

金額 > X万円: オーナーへ連絡・承認後に発注

緊急修繕(漏水・停電・ガス漏れ等):

金額にかかわらず: 管理業者が即時発注 → 後日オーナーへ報告

(緊急事態への迅速対応を優先)

```

緊急修繕の即時発注権限が委託契約に明記されていないと、管理業者がオーナーに連絡が取れない深夜の緊急事態に対応できません。緊急対応の閾値・権限・費用上限を事前に取決めておくことが重要です。

維持保全と賃貸借契約上の修繕義務の関係:

民法606条の賃貸人の修繕義務と、業法上の維持保全義務は別物ですが、実務上は連動しています:

  • 賃貸人(オーナー)の修繕義務(民法606条)を管理業者が「代行」する
  • 管理業者が維持保全業務を通じて修繕義務の履行を補助する
  • 管理業者の不適切な維持保全(修繕の遅延・放置等)はオーナーの修繕義務不履行の原因となり、オーナーが賃借人から損害賠償を請求された場合に管理業者への求償が生じうる

維持保全業務の記録と報告:

維持保全業務の実施記録は定期報告(業法20条)の一部として委託者(オーナー)に報告されます:

  • 点検実施日・業者・点検結果
  • 修繕発注内容・費用・完了日
  • 入居者からの設備不具合の申告と対応状況

これらの記録は、管理業者がオーナーへの善管注意義務を果たしていることの証明にもなります。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅管理業法第2条第2項(管理業務の定義)・民法第606条・第644条・第656条 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000060 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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