問題
賃借人が賃貸人の承諾を得て適法に建物を転貸している場合の法律関係に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はアです。
民法613条は、転借人の直接履行義務(1項)、賃貸人の賃借人に対する権利行使が妨げられないこと(2項)、合意解除を転借人に対抗できないこととその例外(3項)を定めています。賃借人の債務不履行による解除を転借人に対抗するために、転借人への事前の催告を必要とする規定は、613条のどこにもありません。「613条の規定により常に必要」とするアは誤りです。
イ〜オは613条1項〜3項のとおりの正しい記述です。
民法613条の構造:
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 転借人は、賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に転貸借上の債務を直接履行する義務を負う。賃料の前払は賃貸人に対抗できない |
| 2項 | 1項は、賃貸人が賃借人に対して権利を行使することを妨げない |
| 3項本文 | 賃貸人は、合意解除を転借人に対抗できない |
| 3項ただし書 | 合意解除の当時、賃貸人が債務不履行による解除権を有していたときは対抗できる |
各選択肢:
- ア(誤・正答): 613条には、債務不履行解除を転借人に対抗するための催告を定めた規定はない。
- イ・ウ(正): 613条1項・2項のとおり。
- エ(正): 3項本文のとおり。
- オ(正): 3項ただし書のとおり。
3項は「本文=合意解除は対抗できない」「ただし書=解除当時に債務不履行解除権があれば対抗できる」という構造です。本文とただし書を取り違えないことが大切です。
【613条を項ごとに読み、書かれていないことを付け加えない】
1. 転借人の直接履行義務(1項)
1項は、適法な転貸があると、転借人は「賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として」賃貸人に直接、転貸借に基づく債務を履行する義務を負うとしています。賃貸人は、賃借人に対する賃料の額と転貸借の賃料の額のうち低い方の範囲で、転借人に直接支払を求めることができることになります。また、転借人が転貸人(賃借人)に賃料を前払していても、それを賃貸人に対抗することはできません。
2. 賃貸人の賃借人に対する権利(2項)
2項は、1項があっても、賃貸人が賃借人に対して賃料の請求などの権利を行使することは妨げられないとしています。賃貸人は、賃借人と転借人のどちらにも請求できる立場にあります。
3. 合意解除とその例外(3項)
3項本文は、賃貸人が賃借人との賃貸借を合意により解除しても、そのことを転借人に対抗できないとしています。賃貸人と賃借人の合意だけで転借人の地位が失われるのを防ぐ趣旨です。ただし書は、合意解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは対抗できるとしています。
4. 債務不履行による解除と催告
613条は、合意解除の対抗について定めていますが、賃借人の債務不履行を理由とする解除を転借人に対抗するための手続(転借人への催告など)については何も定めていません。アは、613条に書かれていない要件を「613条の規定により常に必要」と付け加えている点で誤りです。
5. サブリースの実務への当てはめ
サブリースでは、オーナー(賃貸人)とサブリース事業者(賃借人・転貸人)の原賃貸借が終わる場面で、入居者(転借人)の地位が問題になります。管理業者は、原賃貸借の終了が合意解除なのか、サブリース事業者の債務不履行による解除なのかを確認し、613条3項を踏まえて入居者への説明や、オーナーによる入居者との関係の引継ぎを準備する必要があります。
- 民法第613条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法613条1項・2項・3項(転貸の効果) 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 民法 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_613(法令API v2で全文取得・条文照合) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

