問題
賃貸借契約の更新に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はエです。
法定更新(借地借家法26条)が成立した場合、更新後の契約は「期間の定めのない契約」に変化します。「期間の定めのある契約として継続する」は誤りです。法定更新後は、賃貸人が解約申入れをすると申入れの日から6ヶ月を経過して終了し(借地借家法27条1項)、正当事由(28条)も必要になり、更新前の確定期間がなくなる点が重要な変化です。
ア〜ウ・オはいずれも正しい記述です。特に、法定更新後の「期間の定めなし」への変化(エの誤り部分)と定期借家の確定終了・再契約(ウ)は頻出事項です。
更新の2類型の比較(普通借家):
| 比較項目 | 合意更新 | 法定更新(借地借家法26条) |
|---|---|---|
| 発生条件 | 当事者間の合意 | 期間満了の1年前〜6ヶ月前に更新拒絶等の通知なし(26条1項)、又は通知後も使用継続+賃貸人が遅滞なく異議を述べない(26条2項) |
| 更新後の期間 | 合意した期間 | 期間の定めなし |
| 賃料等の条件 | 合意した条件 | 従前と同一 |
法定更新後の終了方法(「期間の定めなし」の場合):
法定更新で「期間の定めなし」になった場合の終了:
- 賃貸人からの解約申入れ: 申入れの日から6ヶ月経過で終了(借地借家法27条1項)+正当事由(28条)
- 賃借人からの解約申入れ: 申入れの日から3ヶ月経過で終了(民法617条1項2号)
更新料特約の有効性(最判平23.7.15):
最高裁平成23年7月15日判決は「更新料特約の有効性」について:
- 賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条により無効とはならないと判断した
各選択肢の解説:
- エ(誤・正答): 法定更新後は「期間の定めなし」に変化(期間の定めある契約として継続するのは誤り)。
- ア(正): 合意更新・法定更新の2種類の正確な記述。
- イ(正): 最判平23.7.15の更新料特約有効性の正確な記述。
- ウ(正): 定期借家の確定終了・再契約の必要性(38条)。
- オ(正): 管理業者による更新事務の正確な記述。
【更新の深層——法定更新後の法律関係・合意更新の書面化・更新料の法的性質・定期借家の再契約設計・更新管理の実務DX】
法定更新の法的効果の詳細:
借地借家法26条による法定更新の法的効果:
```
法定更新後の契約:
- 期間: 「期間の定めなし」(26条1項ただし書)
- 条件: 従前の契約と同一の条件(賃料・その他)
- 終了方法: 賃貸人からの解約申入れ(6ヶ月経過で終了+正当事由)
または 賃借人からの解約申入れ(3ヶ月経過で終了)
```
法定更新が成立する場合(26条):
- 1項: 当事者が期間満了の1年前〜6ヶ月前に、更新をしない旨(又は条件を変更しなければ更新をしない旨)の通知をしなかったとき
- 2項: 通知をした場合でも、期間満了後に賃借人が使用を継続し、賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったとき
- なお、賃貸人の更新拒絶の通知には正当事由が必要(28条)
合意更新の書面化の重要性:
法定更新(自動更新)に頼らず、毎回の更新時に書面(更新合意書)を締結することのメリット:
1. 賃料・その他の条件を改定できる(法定更新では従前条件のみ)
2. 更新後の期間を確定できる(法定更新では不定期)
3. 特約の確認・変更ができる(ペット可・DIY等の追加)
4. 連帯保証人の確認・極度額の再設定(R2改正対応)
更新料の法的性質:
更新料の法的性質については下級審の判断が分かれていましたが、最判平23.7.15は以下のように整理しました:
- 更新料は、一般に、賃料の補充ないし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有する
- 消費者である賃借人の義務を加重する条項ではあるが、契約書に一義的かつ具体的に記載され、賃料の額・更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条により無効とはならない
管理業者は、更新料の額・支払時期を契約書に明確に記載し、賃料や更新期間に照らして高額に過ぎないかを確認することが重要です。
定期借家の「再契約」設計:
定期借家は期間満了で確定的に終了するため、継続入居を希望する入居者との再契約が必要です:
| 事項 | 内容 |
|---|---|
| 終了通知の義務 | 期間満了の1年前〜6ヶ月前に終了通知(38条6項) |
| 終了通知が遅れた場合 | 通知の日から6ヶ月を経過するまでは終了を賃借人に対抗できない(38条6項ただし書) |
| 再契約の方法 | 新たな定期借家契約書の締結(前の契約と別物) |
| 再契約での注意 | 再契約も書面(又は電磁的記録)による契約と、更新がない旨の事前説明書面の交付(38条1項〜3項)が必要。事前説明をしないと更新がない旨の定めは無効(同条5項)で、普通借家として扱われる |
更新管理の実務DX(デジタル化):
賃貸管理のDXが進む中、更新管理の電子化が普及しています:
| DXツール | 内容 |
|---|---|
| 更新通知の自動化 | システムが更新時期を管理・自動で通知文書を生成 |
| 電子契約(更新合意書) | 更新合意書を電子署名で締結(契約当事者の合意が前提) |
| 更新料の電子決済 | 銀行振込・Pay系決済での更新料収受 |
| 進捗管理システム | 更新対象物件・連絡状況・書類返送状況を一括管理 |
DXによる更新管理の自動化は管理業務の効率化(更新漏れの防止・書類管理の省力化)と入居者の利便性向上を同時に実現します。
- 借地借家法第26条・第38条・第27条e-Govで原文を読む
- 消費者契約法第10条e-Govで原文を読む
- 民法第617条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法第26条(法定更新)・第27条(解約による終了)・第28条(正当事由)・第38条(定期借家)/民法第617条/最判平23.7.15(更新料特約の有効性) 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 借地借家法 https://elaws.e-gov.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

