賃管士 建築・設備 問1:建築基準法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
建築基準法の用途地域に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア第一種低層住居専用地域では、共同住宅(マンション)を建築することは一切できない。
- イ用途地域は都市計画法に基づいて指定されるが、建築基準法の集団規定として用途制限が具体化される。正答
- ウ商業地域においては、住宅(共同住宅・戸建住宅)を建築することはできない。
- エ準工業地域では、工場の建築は一切禁止されており、住宅のみを建築することができる。
- オ用途地域の制限に違反して建築された建物の賃貸借契約は、当然に無効となる。
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正答はイです。
用途地域は都市計画法に基づいて市区町村が指定しますが、各地域でどのような建物を建てられるかは建築基準法48条の「用途制限」として具体化されます。「用途地域の指定(都市計画法)→建築制限の具体化(建築基準法)」という関係がイの内容です。
アは誤りです。第一種低層住居専用地域でも共同住宅(マンション)は建築できます(ただし規模・高さに制限あり)。ウは誤りで商業地域でも住宅は建築可能です。エは誤りで準工業地域には住宅も工場も一定の条件で建築できます。オは誤りで、建築違反があっても賃貸借契約自体は当然無効にはなりません。
用途地域の種類と主な建築制限(建築基準法48条・別表第2):
| 用途地域 | 住宅 | 商業施設 | 工場 |
|---|---|---|---|
| 第一種低層住居専用地域 | 戸建・共同住宅可(低層のみ) | 小規模なもの可 | 原則禁止 |
| 第二種低層住居専用地域 | 可 | 小規模店舗可 | 原則禁止 |
| 第一種中高層住居専用地域 | 可(中高層も可) | 一定規模まで可 | 禁止 |
| 商業地域 | 可(住宅も可) | ほぼ全て可 | 一部可 |
| 準工業地域 | 可 | 可 | 一部禁止あり |
| 工業専用地域 | 住宅禁止 | 禁止が多い | 可 |
各選択肢:
- ア(誤): 第一種低層住居専用地域でも共同住宅は建築可(ただし高さ10m or 12m以下等の制限あり)。
- イ(正): 用途地域(都市計画法)→建築制限(建築基準法48条)という正確な関係。
- ウ(誤): 商業地域は住宅の建築も可能(工業専用地域が住宅禁止)。
- エ(誤): 準工業地域は工場も住宅も一定の条件で建築可(危険・環境悪化の恐れある工場は不可)。
- オ(誤): 建築制限違反の建物でも、賃貸借契約自体が当然無効になるわけではない(行政上の是正措置とは別問題)。
【用途地域の体系・建築基準法の単体規定と集団規定の区別・賃貸管理における用途地域の確認義務】
1. 建築基準法の2本柱:単体規定と集団規定
建築基準法の規定は大きく2種類に分かれます:
| 種類 | 内容 | 主な条文 |
|---|---|---|
| 単体規定 | 個々の建築物の構造・安全・衛生基準(全国一律) | 構造・採光・換気・防火・耐震等 |
| 集団規定 | 都市計画区域内での土地利用規制(用途制限・形態制限) | 用途地域(48条)・容積率(52条)・建蔽率(53条)・道路制限(43条) |
集団規定(用途制限・容積率等)は都市計画区域内のみ適用されます。都市計画区域外では集団規定の多くが適用されません。
2. 用途地域の13種類(概要)
都市計画法8条1項1号に基づく13種類の用途地域:
1. 第一種低層住居専用地域
2. 第二種低層住居専用地域
3. 第一種中高層住居専用地域
4. 第二種中高層住居専用地域
5. 第一種住居地域
6. 第二種住居地域
7. 準住居地域
8. 田園住居地域(H30追加)
9. 近隣商業地域
10. 商業地域
11. 準工業地域
12. 工業地域
13. 工業専用地域
賃管士が特に押さえるべきポイント:
- 工業専用地域のみ住宅禁止(他の用途地域はすべて住宅建築可)
- 商業地域は最も規制が緩い(住宅から工場まで幅広く可)
- 第一種低層住居専用地域は共同住宅(マンション)可(ただし高さ・規模制限あり)
3. 用途地域と賃貸管理の接点
賃貸管理業者が用途地域を確認する必要がある場面:
- 物件調査:「住宅として賃貸できるか」「事務所として賃貸できるか」
- 契約書:契約目的(住居・事務所・店舗)が用途地域の制限に適合しているかの確認
- 改装・改修提案:用途変更を伴う改装が制限に違反しないか
4. 用途違反の建物と賃貸借の効力
建築基準法48条違反(無許可の用途変更・違法建築)があっても、賃貸借契約自体は当然無効にはなりません(オが誤りの理由)。賃貸借は私法上の契約であり、公法(建築基準法)の違反は行政上の問題です。
ただし:
- 行政から是正命令が出れば(建築基準法9条)、使用禁止になる可能性がある
- 賃借人が用途違反を知らなかった場合は「瑕疵ある物件を貸した」として損害賠償請求の原因になりうる
- 賃貸人には賃借人が使用収益できる状態を維持する義務(民法606条)があり、行政命令で使用禁止になれば契約解除・損害賠償の問題に発展する
5. 用途地域調査の実務
物件調査では市区町村の都市計画課や不動産情報ライブラリ(国交省提供)で用途地域を確認します。変更の可能性があるため、定期的な確認が重要です。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 建築基準法48条・別表第2(用途制限)・都市計画法8条(地域地区)確認済。工業専用地域のみ住宅禁止・商業地域は住宅可・第一種低層住居専用地域も共同住宅可を確認。正答イ維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 建築基準法第48条(用途制限)・都市計画法第8条(地域地区) 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 建築基準法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。