問題
シックハウス対策(建築基準法28条の2・施行令20条の8)に基づく機械換気設備の必要有効換気量の算定について、次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイです。
シックハウス対策の機械換気設備の必要有効換気量を計算する式(Vr=nAh)で用いる係数nは、施行令20条の8第1項1号イ(1)により、「住宅等の居室」では0.5、「その他の居室」では0.3と定められています。居室の種類によって数値が異なるため、イが正しい記述です。
アは誤りで、一律0.5回ではありません。ウは誤りで、事務所・学校等の非住宅建築物の居室にも換気設備の基準が適用されます。エは誤りで、ホルムアルデヒドを発散する建材には使用の禁止・使用面積の制限があります(28条の2第3号・施行令20条の7)。オは誤りで、既存建築物でも増築をすれば、少なくとも増築する部分には適用されます(86条の7第3項)。
必要有効換気量の計算式と係数n(施行令20条の8第1項1号イ):
Vr(必要有効換気量・単位:立方メートル毎時)= n × A(居室の床面積)× h(居室の天井の高さ)
| 居室の区分 | 係数n |
|---|---|
| 住宅等の居室(住宅の居室・下宿の宿泊室・寄宿舎の寝室・家具等の販売店の売場) | 0.5 |
| その他の居室(事務所・教室等) | 0.3 |
各選択肢:
- ア(誤): 0.5回は「住宅等の居室」の数値であり、その他の居室は0.3回。一律ではない。
- イ(正): 施行令20条の8第1項1号イ(1)の計算式と、住宅等の居室0.5・その他の居室0.3という区分を正確に記述。
- ウ(誤): 法28条の2第3号は「居室を有する建築物」に適用され、事務所・学校等の非住宅建築物にも及ぶ(そのため係数nに「その他の居室」の区分がある)。
- エ(誤): 施行令20条の7により、発散量の多い第一種ホルムアルデヒド発散建築材料は居室の内装仕上げに使えず、第二種・第三種は使用面積が制限される。
- オ(誤): 法86条の7第3項は、既存不適格の建築物に増築等をする場合に「増築等をする部分以外の部分」に適用しないとしている。増築する部分には適用される。
【シックハウス対策の規制体系・必要有効換気量の算定式の詳細・住宅等の居室の範囲・機械換気設備の構造基準・賃貸管理との関係】
1. シックハウス対策の規制の仕組み
建築基準法28条の2(石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置)の第3号は、居室を有する建築物について、居室内で衛生上の支障を生ずるおそれがある物質(施行令20条の5でクロルピリホスとホルムアルデヒド)の区分に応じ、建築材料と換気設備の技術的基準を政令に委任しています。建築材料の基準が施行令20条の6(クロルピリホス)・20条の7(ホルムアルデヒド)、換気設備の基準が施行令20条の8です。
2. 必要有効換気量の算定式(施行令20条の8第1項1号イ(1))
機械換気設備の必要有効換気量Vrは、次の式で計算します。
Vr=nAh
- Vr:必要有効換気量(1時間につき立方メートル)
- n:住宅等の居室(施行令20条の7第1項2号の表の備考一に規定する住宅等の居室)にあっては0.5、その他の居室にあっては0.3
- A:居室の床面積(平方メートル)
- h:居室の天井の高さ(メートル)
例えば床面積20平方メートル・天井高2.4メートルの住宅の居室であれば、Vr=0.5×20×2.4=24立方メートル毎時が必要な換気量となります。同じ条件の事務所の居室であれば、Vr=0.3×20×2.4=14.4立方メートル毎時です。
3. 「住宅等の居室」の範囲
施行令20条の7第1項2号の表の備考一は、「住宅等の居室」を「住宅の居室並びに下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室及び家具その他これに類する物品の販売業を営む店舗の売場」(常時開放された開口部で通気が確保される廊下等を含む)と定めています。長時間滞在する居住系の室と、家具など発散源の多い売場が0.5の対象です。事務所・教室など、これに当たらない居室は「その他の居室」として係数0.3となります。
4. 換気設備の構造基準の全体像(施行令20条の8第1項1号)
イ:機械換気設備(一般的な給排気型)
ロ:居室内の空気を浄化して供給する方式を用いる機械換気設備
ハ:中央管理方式の空気調和設備
いずれも国土交通大臣が定めた構造方法又は認定を受けたものであることが要求されており、必要有効換気量の算定方法もそれぞれ定められています。
5. 内装建材の規制(28条の2第3号・施行令20条の7)
居室の内装の仕上げに使う建材は、夏季の表面積1平方メートル当たりのホルムアルデヒド発散量で区分されます。毎時0.12ミリグラムを超える第一種ホルムアルデヒド発散建築材料は使用できず(20条の7第1項1号)、第二種・第三種は換気回数に応じた式で使用面積が制限されます(同項2号)。毎時0.005ミリグラムを超えないものとして大臣の認定を受けたものは、これらの建築材料に当たらないものとみなされます(同条4項)。「使用量に規制はない」とするエは誤りです。
6. 既存建築物への適用範囲
規定ができる前からある建築物は、そのままなら既存不適格として適用されません(法3条2項)。ただし増築等をすると既存不適格の扱いが外れる(法3条3項3号)のが原則で、シックハウスの換気等の基準(28条の2第3号のうち政令で定めるもの)については、法86条の7第3項により「増築等をする部分以外の部分」には適用しないとされています。つまり増築する部分には適用されるため、オは誤りです。
7. 賃貸管理における留意点
リフォーム・リノベーションで居室の用途や面積を変更する際は、必要有効換気量の再計算(住宅等の居室か否かで係数が変わる)が必要です。24時間換気設備の運転停止(入居者による電源オフ等)はシックハウス対策の趣旨に反するため、重要事項説明等での注意喚起が実務上重要です。
- 建築基準法第28条の2e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 建築基準法施行令20条の8第1項1号イ(1)(e-Gov 法令API v2・law_id 325CO0000000338・2026-09-30取得の現行全文で確認)・建築基準法28条の2 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338#Mp-At_20_8 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

