賃管士 建築・設備 問6:建築基準法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
建築物の耐震基準に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア建築基準法の新耐震基準は、昭和56年(1981年)6月1日以降に建築確認を受けた建築物に適用されるものであり、阪神・淡路大震災(平成7年)の教訓から定められた基準である。
- イ新耐震基準では、「震度5強程度の地震に対して損傷しないこと」と「震度6強〜7程度の地震に対して倒壊・崩壊しないこと」の2段階の性能が求められる。正答
- ウ昭和56年6月1日以前に建築確認を受けた(旧耐震基準の)建築物は、直ちに取り壊しが義務付けられる。
- エ昭和56年6月1日以降に建築確認を受けた建築物は、すべて耐震性能が十分であるとされており、耐震診断・改修の必要はない。
- オ耐震改修を促進するため、建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)が制定されており、一定の建築物について耐震診断・改修が義務付けられている。
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正答はイです。
新耐震基準は昭和56年(1981-06-01施行日(昭和56年6月1日))6月1日に施行された建築基準法改正(施行令)で定められました。この基準は「震度5強程度の地震に対しては損傷しないこと」「震度6強〜7程度の大地震に対しては倒壊・崩壊しないこと」という2段階の性能要求が核心です。イが正しい記述です。
アは誤りで、新耐震基準の施行は1981-06-01施行日(昭和56年6月1日)(昭和56年6月1日)で、阪神・淡路大震災(平成7年)が契機ではありません(宮城県沖地震(昭和53年)の教訓が主な契機)。ウは誤りで、旧耐震の建物を直ちに取り壊す義務はありません(既存不適格)。エは誤りで、昭和56年6月1日以降でも個別の問題がある場合があります。
耐震基準の変遷:
| 基準 | 期間 | 内容 |
|---|---|---|
| 旧耐震基準 | 昭和56年5月31日以前の確認申請 | 震度5程度の地震に対して損傷しない |
| 新耐震基準 | 1981-06-01施行日(昭和56年6月1日)以降の確認申請 | 2段階性能(5強損傷なし・6強〜7倒壊なし) |
| 2000年基準 | 平成12年6月以降(木造限定) | 接合部金物・基礎の仕様規定追加 |
新耐震基準の2段階性能(イが正しい理由):
1. 1次設計(小地震・震度5強程度): 構造体が損傷しないこと(損傷制限)
2. 2次設計(大地震・震度6強〜7程度): 倒壊・崩壊しないこと(安全限界)
この2段階設計が旧耐震基準(単段階)との根本的な違いです。大地震時に建物が「壊れても人命を守る」という思想に基づいています。
各選択肢:
- ア(誤): 阪神・淡路大震災(平成7年・1995年)が契機ではなく、宮城県沖地震(昭和53年)が主要な改正契機。昭和56年6月1日施行は正しい。
- イ(正): 2段階性能要求を正確に記述。
- ウ(誤): 旧耐震の建物は「既存不適格建築物」として継続使用可(即時取壊し義務なし)。
- エ(誤): 昭和56年基準でも大規模木造等の問題がある場合あり→2000年基準改正の背景。
- オ(正): 耐震改修促進法(平成7年制定)により一定の建物に診断・改修の義務付けあり。
【新耐震基準の詳細・旧耐震建物の管理リスク・耐震診断・改修の実務・2000年基準との違い】
1. 新耐震基準改正の背景
昭和53年(1978年)の宮城県沖地震(M7.4)で多くの建物が被害を受けたことを受け、建築基準法施行令の耐震規定が見直されました。改正案の検討・審議を経て昭和56年(1981年)6月1日に施行されました。
「1981-06-01施行日(昭和56年6月1日)」(1981年6月1日)という日付は、新耐震基準対応の建物か旧耐震かを判断する上で最重要の基準日です。
2. 旧耐震(昭和56年5月31日以前)と新耐震の性能比較
| 比較項目 | 旧耐震基準 | 新耐震基準 |
|---|---|---|
| 設計地震力 | 中地震(震度5程度)に耐える | 中地震で損傷なし・大地震で倒壊なし(2段階) |
| 大地震への想定 | 明示的な大地震設計なし | 明示的に2次設計を要求 |
| 阪神・淡路大震災の被害 | 旧耐震建物の被害大 | 新耐震建物の被害は相対的に小 |
| 東日本大震災(木造) | — | 2000年以前の建物で被害あり |
3. 2000年(平成12年)基準——木造の追加規定
阪神・淡路大震災で新耐震基準の木造建物にも倒壊が見られたことを受け、平成12年(2000年)6月に木造に特化した追加規定が設けられました:
- 柱・梁の接合部の金物仕様の義務化
- 耐力壁のバランス(偏心)に関する規定
- 布基礎・べた基礎の仕様規定
| 基準 | 時期 |
|---|---|
| 旧耐震 | S56.5.31以前 |
| 新耐震 | S56.6.1〜H12.5.31 |
| 2000年基準 | H12.6.1以降(木造) |
賃貸住宅(特に木造)では「新耐震だが2000年基準以前」の建物が多く、耐震診断の結果次第では改修が必要になるケースがあります。
4. 耐震改修促進法(平成7年制定・改正を重ねて現在に至る)
耐震改修促進法(建築物の耐震改修の促進に関する法律)は平成7年(1995年)に制定されました。主な内容:
- 耐震診断の義務化(一定規模以上の旧耐震建物等)
- 耐震改修への補助・税制優遇
- 耐震診断結果の公表(避難路沿道建築物等)
義務対象(平成25年改正以降):
- 一定規模以上(旧耐震基準)の不特定多数が利用する建物(学校・旅館・百貨店等)
- 重要な道路(緊急輸送道路等)の沿道建築物
- 賃貸住宅(共同住宅)は規模・立地によって対象になる場合あり
5. 賃貸管理業者の実務
旧耐震建物の管理における重要事項:
- オーナーへの耐震診断・改修の促進説明
- 耐震診断結果の開示(入居者への情報提供の観点)
- 耐震性が問題になった場合の告知義務(心理的瑕疵・安全性問題)
- 耐震改修後の「耐震マーク」(自治体独自)の活用→入居者安心感の訴求
旧耐震建物は賃料が低い反面、入居者が「地震が怖い」と感じて空室率が上がるリスクがあります。耐震診断・改修はコストですが長期的な入居率維持の投資とも言えます。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 建築基準法施行令(昭和56年改正・1981-06-01施行日(昭和56年6月1日)施行)・2000年基準(平成12年・木造接合部)・耐震改修促進法(平成7年制定)確認済。新耐震基準は宮城県沖地震が契機(阪神が契機ではない)を確認。正答イ維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 建築基準法(昭和56年政令改正・施行令46/47条等)・建築物の耐震改修の促進に関する法律 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 建築基準法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。