賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 民法 問54|令和3年改正で整備された隣地使用権・ライフライン設備設置権

問題

賃管士 | 民法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

令和3年法律第24号による民法改正で整備された相隣関係の規定に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。

民法213条の2第5項は「第一項の規定により他の土地に設備を設置する者は、その土地の損害(前項において準用する第二百九条第四項に規定する損害を除く。)に対して償金を支払わなければならない」と定めており、償金の支払義務があります(ただし一年ごとの分割払は可能)。同条6項・7項も設備使用開始時の損害への償金や費用負担を定めています。アは「いかなる場合も償金を支払う義務を負わない」としており誤りです。

イ・ウ・エ・オはいずれも条文どおりの正しい記述です。

213条の2の償金・費用負担の整理:

項内容
5項設備設置による土地の損害に対する償金支払義務(一年ごとの分割払可)
6項他人所有の設備の使用を開始するために生じた損害に対する償金支払義務
7項他人所有の設備を使用する者は、利益を受ける割合に応じて設置・改築・修繕・維持費用を負担

209条と213条の2はいずれも「無条件・無償で他人の土地・設備を使う」ことを認める規定ではなく、必要な範囲に限定したうえで、通知義務・損害への償金支払義務・費用負担義務を課す構造になっています。

各選択肢の整理:

  • ア(誤・正答): 213条の2第5項〜7項により償金・費用の負担義務がある。「いかなる場合も負わない」は誤り。
  • イ(正): 213条の2第1項のとおり。令和3年法律第24号で新設。
  • ウ(正): 209条1項各号のとおり。
  • エ(正): 209条1項ただし書のとおり。
  • オ(正): 209条3項のとおり。

【209条・213条の2の「必要な範囲」と対価関係の構造】

令和3年法律第24号(令和5年4月1日施行)による改正は、所有者不明土地問題への対応を主な目的として、相隣関係の規定を整備しました。209条(隣地の使用)と213条の2(継続的給付を受けるための設備の設置権等)は、いずれも「他人の土地・設備を必要な範囲で利用できる」権利を定める点で共通しますが、対象・要件・対価関係の細部は異なります。

209条(隣地の使用)の要件:

土地の所有者は、①境界又はその付近における障壁・建物その他の工作物の築造・収去・修繕、②境界標の調査又は境界に関する測量、③233条3項の規定による枝の切取り、のいずれかの目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができます(1項各号)。ただし住家については居住者の承諾が必要です(1項ただし書)。使用の日時・場所・方法は、隣地の所有者及び隣地使用者のために損害が最も少ないものを選ばなければならず(2項)、あらかじめ目的・日時・場所・方法を通知する義務があります(3項)。隣地の所有者又は隣地使用者が損害を受けたときは、その償金を請求することができます(4項)。

213条の2(設備設置権等)の要件と対価関係:

土地の所有者は、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用しなければ電気・ガス・水道水等の継続的給付を受けることができないときに、必要な範囲内でその設備の設置・使用ができます(1項)。設置又は使用の場所・方法は損害が最も少ないものを選ぶ必要があり(2項)、あらかじめ通知する義務があります(3項)。設備を設置・使用するために他の土地を使用する場合には209条1項ただし書・2項〜4項が準用されます(4項)。

対価関係については、①設備を設置する者はその土地の損害に対して償金を支払う義務(5項。一年ごとの分割払も可能)、②他人が所有する設備を使用する者はその使用を開始するために生じた損害に対する償金支払義務(6項)、③他人が所有する設備を使用する者は、利益を受ける割合に応じて設置・改築・修繕・維持の費用を負担する義務(7項)が、それぞれ定められています。「隣地・他人の設備を使わせてもらう代わりに、生じた損害や費用については応分の負担をする」という互換的な構造になっている点が213条の2の特徴です。

賃貸住宅管理業務との関わり:

電気・ガス・水道の引込み管を隣地に通さなければ供給を受けられない物件や、隣地所有者の引込み管に接続しなければならない物件の設備工事では、213条の2の設備設置権・使用権が根拠になります。管理会社としては、工事に際して隣地所有者等への事前通知(3項)・損害が最も少ない場所と方法の選択(2項)・償金や費用負担(5項〜7項)を整理しておくことが、トラブルの防止につながります。

なお、排水については、高地の所有者が低地に水を通過させる規定(220条)と、他人の設けた通水用工作物を使用する規定(221条。利益を受ける割合に応じた費用の分担)が以前から置かれており、213条の2とは別の条文です。

根拠: 民法209条・213条の2・220条・221条・233条(e-Gov 法令検索)。確認日2026-09-30。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法209条・213条の2(e-Gov 法令検索、令和5年4月1日施行改正後の現行条文)、関連: 220条・221条 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-09-30(e-Gov 法令API v2で209条・213条の2の現行条文を取得して確認) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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  • 令和3年改正で整備された隣地使用権・ライフライン設備設置権(民法209条・213条の2
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