賃管士 借地借家法 問2:借地借家法(借家契約の基本)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
借地借家法40条(一時使用目的の建物賃貸借)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合、借地借家法の更新拒絶に関する正当事由(28条)の規定は適用されない。
- イ一時使用目的の建物賃貸借であっても、賃借人は使用収益できる状態を維持してもらう権利(賃貸人の修繕義務等)は民法に基づいて主張できる。
- ウ工事中に仮設的に使用するための事務所建物の賃貸借は、一時使用目的(40条)に該当する可能性がある。
- エ一時使用目的の賃貸借として成立したが、実際には長期間使用し続けた場合でも、一時使用目的として締結した以上、40条が適用され続ける。正答
- オ一時使用目的の建物賃貸借は、書面による契約は必要とされておらず、口頭でも成立する。
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正答はエです。
「一時使用目的として締結したからといって、実際に長期間使用し続けた場合でも40条が適用され続ける」という記述が誤りです。
40条の適用は「一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合」という要件を満たす必要があります。当初は一時使用目的であっても、実際の使用状況・期間・事情の変化等によって「もはや一時使用目的とは言えない」と判断された場合は、40条の適用が否定される可能性があります。
アは40条の正当事由規定の除外という正確な記述。イは民法の権利は適用されるという正しい記述です。
40条の適用要件と除外される規定:
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 「一時使用のために」 | 短期間・特定目的(工事中・選挙期間等)での使用 |
| 「明らかな場合」 | 当事者双方が一時使用目的と認識・記録があること |
40条により除外される借地借家法規定:
- 26条(法定更新)→適用除外
- 27条(解約申入れの6ヶ月前)→適用除外
- 28条(更新拒絶の正当事由)→適用除外
- 31条(対抗要件・建物の引渡し)→適用除外
- 36条(内縁配偶者等の承継)→適用除外
適用除外されない規定:
- 民法の修繕義務・必要費・賃料支払義務等の基本的権利義務→適用あり
各選択肢の整理:
- ア(正): 28条(正当事由)は40条により除外。
- イ(正): 民法の規定(修繕義務・賃貸人の義務等)は40条の除外対象外であり、引き続き適用される。
- ウ(正): 工事中の仮設事務所は一時使用目的として40条が適用される典型例。
- エ(誤): 実際の使用態様・期間によっては「もはや一時使用ではない」として40条の適用が否定される可能性がある。形式的に「一時使用目的」と書かれていても、実態が通常賃貸であれば通常の借家規定が適用される。
- オ(正): 一時使用目的の賃貸借に特別な書面要件は規定されていない(民法の一般原則で口頭でも成立)。ただし証拠のために書面化が望ましい。
【一時使用目的の賃貸借と通常の賃貸借の境界—実務上の「意図的な40条活用」の問題】
40条(一時使用目的)は、賃貸人が「法定更新・正当事由を回避するため」に意図的に利用しようとするケースがあります。しかし裁判所は「実態が一時使用でない」場合には40条の適用を否定する傾向があります。
「一時使用」と「継続的使用」の境界(判例の傾向):
40条の適用が認められやすいケース:
- 建物の建替え工事中の「仮住まい」(1〜2年)
- 選挙期間中の事務所利用(数週間〜数ヶ月)
- 学術調査のための短期間のフィールドオフィス
40条の適用が否定されやすいケース:
- 「一時使用」と記載しつつ実態は何年も継続使用
- 更新を重ねながら「一時使用目的だから法定更新はない」と主張
- 当初は一時使用だったが「継続して居住している」という事実関係
定期借家(38条)と一時使用(40条)の使い分け:
「法定更新を避けたい」という賃貸人のニーズに対して、正しい選択肢は以下の2つです:
1. 定期借家(38条): 「更新のない建物賃貸借契約」として正式に設計。書面・事前説明が必要。賃借人の権利は維持(中途解約権・造作買取請求権等)。
2. 一時使用(40条): 実際に一時使用目的がある場合のみ。多くの借家規定が除外されるが、「明らかな一時使用目的」の立証が難しい。
「定期借家を使えばよいのに、一時使用目的として40条を活用しようとした結果、訴訟になった」というケースがあります。管理会社として適切な契約形態の選択をオーナーにアドバイスすることが重要です。
「一時使用目的」の契約書の作成実務:
一時使用目的が明確な場合の契約書に盛り込むべき内容:
1. 使用目的の明記(「〇〇工事期間中の仮住まい」等)
2. 契約期間(開始日と終了日の明示)
3. 「本契約は一時使用目的のため借地借家法26条・28条・31条等の規定は適用されない」旨の記載
4. 終了事由(工事完了・特定事由の発生等)
5. 終了後の速やかな退去義務
これらの記載があっても実態が「一時使用でない」場合は40条の適用が否定されるため、「実態として一時使用目的であること」が大前提です。
根拠: 借地借家法26条・28条・31条・40条(e-Gov 法令検索)。確認日2026-06-10。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法40条(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法第64条/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。