賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 借地借家法 問6|更新拒絶の正当事由

問題

賃管士 | 借地借家法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

借地借家法28条(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウです。

「高額の立退料の提供意向だけで正当事由が認められる」という記述が誤りです。

立退料は「正当事由を補完する」要素の一つですが、正当事由が全くない(自己使用の必要性もなく、建物の老朽化もなく、賃借人の違反もない)状態で立退料だけで正当事由が成立するわけではありません(28条は立退料の申出を「考慮して」正当事由を判断するとしており、立退料は補完的な要素です)。

アとイは28条が挙げる正当事由の考慮要素の正確な説明です。エも28条の「賃借人の使用の必要性」の考慮を正確に説明しています。オも28条の考慮要素(従前の経過・建物の利用状況)の正確な説明です。

借地借家法28条の正当事由の判断要素:

要素内容
①賃貸人の使用の必要性自己使用・家族使用・建替えの必要等
②賃借人(転借人を含む)の使用の必要性賃借人にとって当該建物が生活・営業の基盤か
③従前の経過・建物の利用状況賃貸借の経緯(賃料・更新の経過等)、建物の利用状況
④建物の現況老朽化の程度・建替えの必要性
⑤財産上の給付(立退料)立退料の申出→正当事由の「補完」として考慮

各選択肢の整理:

  • ア(正): 28条「建物の賃貸人及び賃借人…が建物の使用を必要とする事情」→自己使用・家族使用は正当事由の中核要素。
  • イ(正): 「建物の現況」も28条の考慮要素。老朽化・危険な状態での建替えは正当事由の重要な根拠。
  • ウ(誤): 立退料は「補完」要素であり、「それだけで」正当事由が認められるものではない。正当事由の本体(自己使用の必要性・建物の現況等)がなければ、いくら立退料を提示しても正当事由は認められない(28条は立退料の申出を「考慮して」判断するとしており、補完的な要素にとどまる)。
  • エ(正): 28条は「建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。…)が建物の使用を必要とする事情」を考慮すると明記。賃借人側の必要性が高ければ賃貸人の正当事由の認定が厳しくなる。
  • オ(正): 28条は「建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況」を考慮すると定める。

【正当事由の総合判断—判例の傾向と立退き交渉における実務的考慮】

正当事由(28条)は「賃貸人の必要性」「賃借人の必要性」「建物の状況」「立退料」を総合的に衡量して判断される法的概念です。

正当事由が認められた事例の傾向(判例):

認められやすいケース:

1. 賃貸人本人またはその配偶者・子供が居住する必要があり、他に居住場所がない(かつ賃借人には代替住居確保の資力・選択肢がある)

2. 建物が著しく老朽化し、建替えなしには危険な状態(建築基準法違反・耐震性不足等)

3. 賃借人が長期間無断転貸・用法違反・賃料滞納等の不信行為をしていた(ただしこれは解除で対応できる場合も多い)

認められにくいケース:

1. 賃貸人に「建物を使いたい」という単純な欲求だけで具体的な必要性が薄い

2. 賃借人がその建物で長年生活し、移転が困難(高齢・障害等)

3. 賃貸人が投機目的で転売のために退去させたい

立退料の「補完」機能の具体的な意味:

正当事由がある程度あるが不十分な場合に、立退料の提供で「足りない部分を補う」という機能があります。

例:

  • 賃貸人の自己使用の必要性が高い(正当事由の基礎がある)
  • 賃借人も長年居住しており移転に伴う困難がある(正当事由を弱める要素)
  • この「バランス」を調整するために立退料を提供→正当事由の総合評価が「あり」に近づく

立退料の額の水準(参考):

  • 住宅の場合:賃料の数ヶ月分〜数年分が一般的な範囲(数十万円〜数百万円)
  • 営業用店舗・事務所:移転費用・営業損失補償等を考慮→数百万〜数千万円のケースも

定期借家との比較(立退きの確実性の違い):

普通借家:正当事由が必要→確実な退去保証がない

定期借家:期間満了で当然終了→正当事由不要・確実に退去させられる(ただし書面・事前説明が必要)

「将来的に自己使用したいが今は貸したい」というオーナーに対して、管理会社は「定期借家にすることで確実に戻ってこられる」というアドバイスが実務上最も重要なアドバイスの一つです。

根拠: 借地借家法28条(e-Gov 法令検索)。確認日2026-06-10。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法28条(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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