賃管士 借地借家法 問4:借地借家法(借家契約の基本)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
Aは自己所有のアパートを、Bに対して「期間:令和7年4月1日から令和7年9月30日まで(6ヶ月間)」と定めた契約書に基づいて賃貸した。この場合に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか(この契約が普通借家契約として締結された場合)。
- a6ヶ月の期間が経過したとき、Aは当然にBに退去を求めることができる。
- bこの賃貸借は借地借家法29条1項により「期間の定めのない建物賃貸借」とみなされる。正答
- c6ヶ月の期間が経過した後、BがAに「更新したい」と申し出れば、Aは必ず更新に応じなければならない。
- dAは、Bに対して1年年の期間を定めた賃貸借として改めて契約書を締結し直す必要がある。
- eこの契約は建物の賃貸借ではないため、借地借家法は適用されない。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・国土交通省ガイドラインも明記。
正答はbです。
借地借家法29条1項は「建物の賃貸借の期間を1年年未満と定めたときは、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす」と規定しています。
6ヶ月は「1年年未満(1年未満)」であるため、この契約は自動的に「期間の定めのない賃貸借」とみなされます。つまり「6ヶ月で終わる」という期間の定めは無効化されます。
aは誤りで、期間の定めのない賃貸借になってしまったため、6ヶ月経過しても当然に終了しません(解約申入れ+正当事由が必要)。
dは誤りで、改めて契約書を締結し直す必要はありません(29条1項が自動的に「期間なし」に変えます)。
本問の処理(29条1項の適用):
| 当事者の意図 | 契約書の記載 | 法律上の効果 |
|---|---|---|
| 6ヶ月で終わらせたい | 「6ヶ月間」 | 29条1項により「期間の定めなし」とみなされる |
「期間の定めなし」になった場合の終了方法:
| 解約の方向 | 手順 |
|---|---|
| 賃貸人(A)から | 6ヶ月前に解約申入れ(27条2項)+正当事由(28条)が必要 |
| 賃借人(B)から | 3ヶ月前に解約申入れ(27条1項)→正当事由は不要 |
各選択肢の整理:
- a(誤): 6ヶ月経過後「当然に退去を求められる」のではなく、「期間の定めなし」の賃貸借として解約申入れ(A6ヶ月前+正当事由)が必要。
- b(正): 29条1項の通り。6ヶ月→「期間の定めなし」とみなされる。
- c(誤): 「更新」という概念は「期間の定めある賃貸借」に対して使われる。「期間の定めなし」になった場合は「継続(解約申入れがない限り)」と「終了(解約申入れで)」の問題。「必ず更新に応じる義務」というより「そもそも期間の定めなしが継続」という状況。
- d(誤): 29条1項が自動的に「期間なし」にするので、改めて1年年の契約書を締結し直す必要はない(再締結は当事者の任意)。
- e(誤): アパート(建物)の賃貸借であるため借地借家法が適用される。
【「期間の定めなし」とみなされることの実務上の重大な影響—意図しない長期拘束問題】
AがBに「6ヶ月間」と定めた契約で賃貸したつもりが、29条1項によって「期間の定めなし」になってしまった場合、Aは「6ヶ月経ったら出てもらえる」という期待が裏切られます。
Aが取れる対応(「期間の定めなし」になった後の終了方法):
1. Aから解約申入れ: Bが同意すれば問題ないが、Bが拒否した場合は6ヶ月前の申入れ(27条2項)+正当事由(28条)が必要。正当事由がなければ解約申入れの効力は認められない。
2. Bの同意を得て合意解除: AとBが話し合い、退去日・敷金精算について合意解除する(最も穏やかな解決)。
3. そもそも「定期借家」にすべきだった: AがBを期限付きで退去させたい場合は、「定期建物賃貸借(38条)」を選択すべきでした。定期借家は書面・事前説明が必要で複雑ですが、期間満了で確実に終了させることができます。
29条1項の回避策(実務的に正しい選択肢):
「短期間で確実に終了させたい」場合の2つの選択肢:
1. 定期借家(38条): 書面(要式)・説明義務(事前書面)が必要だが、期間満了で終了する。1ヶ月・6ヶ月等の短期定期借家も可能。
2. 一時使用目的(40条): 実際に一時使用目的がある場合(工事期間中の仮住まい等)に限る。「一時使用が明らか」という要件充足が必要。
管理会社がオーナーから「短期間だけ貸したい(例:自分が転勤から戻るまでの間)」という相談を受けた場合、「普通借家で6ヶ月とすると29条1項が適用されるリスクがある→定期借家か一時使用を検討する」というアドバイスが重要な実務知識です。
1年という数字の重要性(賃管士試験頻出):
借地借家法における「1年」という数字は複数の場面で登場します:
| 場面 | 根拠 | 内容 |
|---|---|---|
| 建物賃貸借の最低期間 | 29条1項 | 1年未満→期間なしとみなす |
| 法定更新通知期間 | 26条1項 | 更新拒絶は期間満了の1年前から6ヶ月前まで |
| 定期借家の終了通知期間 | 38条6項 | 期間1年年以上→1年前から6ヶ月前まで通知 |
「1年」という数字を試験で問われた場合、上記のどの「1年」を聞いているのかを文脈から判断することが重要です。
根拠: 借地借家法26条・27条・29条・38条(e-Gov 法令検索)。
一次数値: SHAKKA_MIN_KIKAN=1(借地借家法29条)出典: e-Gov、確認日2026-06-10。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法29条1項(e-Gov 法令検索) 一次数値: SHAKKA_MIN_KIKAN=1(借地借家法29条)出典: e-Gov、確認日2026-06-10 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法第64条/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。