電験三種 機械 問10:電気機器(同期機)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14)
回転界磁形同期電動機が停止している状態で,固定子巻線に対称三相交流電 圧を印加すると回転磁界が生じる。しかし,励磁された回転子磁極が受けるトル クは,同じ大きさで向きが交互に変わるので,その平均トルクは零になり電動機 は起動しない。これを改善するために,回転子の磁極面に (ア) を施す。これ は, (イ) と同じ起動原理を利用したもので,誘導トルクによって電動機を起 動させる。 起動時には,回転磁束によって誘導される高電圧によって絶縁が破壊するおそ れがあるので, (ウ) を抵抗で短絡して起動する。回転子の回転速度が同期速 度に近づくと,この短絡を切り放し (エ) で励磁すると,回転子は同期速度に 引き込まれる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次 の
- 1補償巻線 巻線形誘導電動機 界磁巻線 交 流
- 2制動巻線 巻線形誘導電動機 界磁巻線 交 流
- 3制動巻線 かご形誘導電動機 界磁巻線 直 流正答
- 4制動巻線 かご形誘導電動機 固定子巻線 直 流
- 5補償巻線 かご形誘導電動機 固定子巻線 直 流
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電験三種「機械」の「電気機器(同期機)」からの出題(令和7年度上期 問5)。正答は(3)です。
同期電動機は単独では自己始動できない(平均トルク=0)。始動法:
(ア)制動巻線(回転子磁極面に埋め込んだかご形巻線)→(イ)かご形誘導電動機と同じ原理で誘導トルクにより始動→(ウ)界磁巻線を抵抗で短絡して起動(高電圧による絶縁破壊防止)→(エ)直流で励磁して同期引き込み。
【電気機器(同期電動機の始動)の解法】(令和7年度上期 問5)
【同期電動機が自己始動できない理由】
静止状態から三相交流を印加すると、回転磁界により磁極に交番トルクが作用するが、
その平均トルク=0(正負が等しく交互に反転)→電動機が起動しない。
【始動方法(穴埋め正答)】
(ア) 制動巻線(damper winding):磁極面のスロットに短絡導体を埋め込んだ装置
(イ) かご形誘導電動機:制動巻線がかご形導体として機能し、誘導トルクで起動
(ウ) 界磁巻線:高電圧誘起を防ぐため起動中は抵抗で短絡
(エ) 直流:同期速度近傍で界磁巻線に直流励磁を加えて同期引き込み
正答: (ア)制動巻線 (イ)かご形誘導電動機 (ウ)界磁巻線 (エ)直流 → 選択肢(3)
【各選択肢の誤り】
(1)(2): (イ)に巻線形を選んでいる(制動巻線≠巻線形)
(4)(5): (ウ)に固定子巻線または(エ)に交流を選んでいる
【電気機器(同期電動機の始動・V曲線・同期調相機)の深層解析】(令和7年度上期 問5)
【正答(3)「制動巻線・かご形誘導・界磁巻線・直流」の詳細根拠】
【同期電動機始動の物理的解析】
初期状態(ω=0): 回転磁界が回転子を引っ張るが、ロータが静止しているため正負のトルクが交番し平均=0。
制動巻線の役割: 回転磁界と制動巻線の間の相対速度(s=1)により誘導電流が流れ→誘導トルクが発生→かご形誘導電動機と同じ原理で自己始動。
同期引き込み: ω→ω_s(同期速度)に近づいたとき、界磁巻線に直流励磁を与えると同期トルクが生じて同期速度に引き込まれる。
【界磁巻線短絡の理由(定量的)】
回転子静止時、固定子の回転磁界が界磁巻線(多数ターン)に高電圧を誘起。
誘起電圧E₂ ∝ N_f × dΦ/dt → 巻数が多く変圧器の二次開放と同じ状況→高電圧発生→絶縁破壊の危険。
対策: 始動中に界磁巻線を抵抗(通常は界磁巻線自身の数倍)で短絡→過電圧抑制かつ制動作用も補助。
【V曲線(コンプニン曲線)】
同期電動機の位相特性:界磁電流I_f[A] vs 電機子電流I_a[A]
- 界磁弱め(I_f↓)→遅れ力率→電機子電流増大
- 標準界磁 → cosφ=1(最小電機子電流)
- 界磁強め(I_f↑)→進み力率→電機子電流増大(無効電力を供給=コンデンサ相当)
負荷が増えると: V曲線全体が上方移動(電機子電流の最小値が増大)
【同期調相機(Synchronous Condenser)】
目的: 無効電力の連続制御(静止形SVCより応答は遅いが高信頼性)
動作: 界磁電流制御で遅れ/進み無効電力を自在に調整
用途: 電力系統の電圧調整・力率改善・フリッカ抑制
【電験二種・実務への接続】
電験二種: 同期発電機の短絡比Ksc、電機子反作用係数、安定限界
実務: 大型同期電動機(圧縮機・送風機)の始動時の系統電圧降下計算、保護リレー(87G差動・51過電流)設計
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています(公式FAQで教育目的の許諾不要・使用料不要を明示容認・GREEN判定)。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。