問題
三相同期発電機があり,無負荷で端子電圧(線間)15.2 kV を発生させるのに必要な界磁電流は 500 A である。この界磁電流を 100 A にして短絡試験を行ったとき,短絡電流 860 A が流れた。界磁電流が 500 A のとき,この発電機の同期インピーダンス[Ω]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
電験三種「機械」の「電気機器(同期機)」からの出題(令和7年度下期 問6)。正答は(4)です。
同期インピーダンスは「無負荷のときの1相分の電圧 ÷ 同じ界磁電流で短絡したときの電流」で求めます。
短絡電流は界磁電流に比例するので、界磁電流 500 A のときの短絡電流は 860×(500÷100)=4 300 A です。
1相分の電圧は 15 200÷√3≒8 776 V なので、Zs=8 776÷4 300≒2.04 Ω となり、正答は(4)です。
【同期インピーダンスの求め方】
同じ界磁電流 I_f のときの、無負荷誘導起電力(相電圧)E と三相短絡電流 I_s から
Zs=E/I_s [Ω](1相分)
と求めます。無負荷飽和曲線から E、短絡曲線から I_s を読み取るのが基本です。
【本問の計算】
① 界磁電流 500 A のときの短絡電流
短絡曲線はほぼ直線(短絡電流は界磁電流に比例)なので
I_s=860×500/100=4 300 A
② 界磁電流 500 A のときの相電圧
E=15.2×10³/√3≒8 776 V
③ 同期インピーダンス
Zs=8 776/4 300≒2.04 Ω → 正答(4)
【誤りの選択肢】
・(1)10.2:界磁電流 100 A のときの短絡電流 860 A をそのまま使った値(8 776/860≒10.2)。
・(3)3.53:線間電圧 15.2 kV を √3 で割らずに使った値(15 200/4 300≒3.53)。
界磁電流をそろえることと、相電圧を使うことの2点が要点です。
【なぜ界磁電流をそろえるのか】
同期インピーダンスは、ある界磁電流のときに「無負荷で発生する起電力」と「短絡したときに流れる電流」の比です。短絡状態では端子電圧が0なので、起電力 E はすべて同期インピーダンス Zs での電圧降下になります(E=Zs I_s)。したがって E と I_s は同じ界磁電流のときの値でなければなりません。本問では短絡試験を界磁電流 100 A で行っているので、500 A のときの値に直す必要があります。
【短絡電流が界磁電流に比例する理由】
三相短絡時は、電機子電流による反作用(主に減磁作用)で鉄心内の磁束が小さくなり、鉄心はほとんど飽和しません。このため短絡曲線(界磁電流と短絡電流の関係)はほぼ直線になり、界磁電流を5倍にすれば短絡電流も5倍(860 A→4 300 A)と考えてよいことになります。一方、無負荷飽和曲線は界磁電流が大きくなると飽和して曲がるので、無負荷電圧の側は比例計算ではなく、問題で与えられた値(500 A で 15.2 kV)を使います。
【相電圧を使う理由】
Zs は1相分の等価回路の値です。星形結線の1相には相電圧 E=V/√3 がかかり、短絡電流は線電流=相電流です。線間電圧を使ってしまうと √3 倍大きな値(3.53 Ω)になります。
【短絡比との関係】
短絡比 K は「無負荷で定格電圧を出す界磁電流」と「三相短絡で定格電流を流す界磁電流」の比で、単位法で表した同期インピーダンスの逆数(K=1/Zs[p.u.])になります。本問は定格電流が与えられていないので短絡比は求められませんが、同じ「無負荷飽和曲線と短絡曲線」から求める量として一緒に整理しておくと、出題の形が変わっても対応できます。
【関連する出題】
電験三種の機械では、同期発電機の無負荷飽和曲線・短絡曲線から、同期インピーダンス、短絡比、百分率同期インピーダンスを求める計算が繰り返し出題されています。「同じ界磁電流での E と I_s」「E は相電圧」の2点を守れば、どの形でも同じ手順で解けます。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

