電験三種 機械 問11:電気機器(誘導機)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14)
あるかご形三相誘導電動機を定格電圧でY-Δ始動したところ,始動トルクは 49.0 N・m であった。また,Δ結線での全電圧始動時(定格電圧)の始動トルクは 定格運転時の210 %である。この電動機の定格運転時のトルクの値[N・m]とし て,最も近いものを次の(1)~(5)の中から一つ選べ。
- 116.3
- 223.3
- 328.3
- 440.4
- 570.0正答
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電験三種「機械」の「電気機器(誘導機)」からの出題(令和7年度上期 問4)。正答は(5)「70.0 N・m」です。
Y-Δ始動でのトルクの特性:Y-Δ始動時の始動トルク=Δ全電圧始動時の始動トルクの1/3。
条件:Y-Δ始動トルク=49.0 N・m、Δ全電圧始動トルク=定格トルクの210%。
Δ始動トルク=49.0×3=147 N・m。定格トルク=147/2.10=70.0 N・m → 正答(5)。
【電気機器(誘導機)Y-Δ始動・定格トルク計算の解法】(令和7年度上期 問4)
【Y-Δ始動の基本関係】
Y-Δ始動では固定子をY結線にして始動→各相に印加される電圧がΔ時の1/√3倍。
トルクは電圧²に比例するため:T_YΔ = (1/√3)² × T_Δ = T_Δ/3
【計算手順】
① Y-Δ始動トルク T_YΔ = 49.0 N・m(題意)
② Δ全電圧始動トルク T_Δ = T_YΔ × 3 = 49.0 × 3 = 147 N・m
③ Δ全電圧始動トルクは定格トルクの210%:T_Δ = 2.10 × T_n
④ 定格トルク T_n = T_Δ/2.10 = 147/2.10 = 70.0 N・m → 正答(5)
【各選択肢が誤りの理由】
(1)16.3: 3の代わりに9で割るミス (2)23.3: Y-Δの電圧比1/√3でトルクを割るミス
(3)28.3: 計算の途中誤り (4)40.4: 210%の適用を間違えた場合
【出題傾向】
Y-Δ始動の1/3トルク関係は必出の公式。
【電気機器(誘導機)Y-Δ始動・トルク特性の深層解析】(令和7年度上期 問4)
【正答(5)70.0 N・mの詳細導出】
【Y結線とΔ結線の電圧・電流関係】
三相電源(線間電圧VL)に対して:
- Y結線: 相電圧 V_Y = VL/√3、相電流 I_Y = I_line
- Δ結線: 相電圧 V_Δ = VL、相電流 I_Δ = I_line/√3
始動時(スリップs=1)において誘導電動機のトルクT ∝ V²/(定数)
Y-Δ始動でのトルク比:
T_YΔ/T_Δ = (V_Y/V_Δ)² = (VL/√3 / VL)² = 1/3
【本問の数値計算】
T_YΔ = 49.0 N・m(与条件)
T_Δ = T_YΔ × 3 = 147 N・m
T_Δ = T_rated × 2.10(与条件)
T_rated = 147/2.10 = 70.0 N・m
【Y-Δ始動の特性まとめ】
- 始動電流(電源側線電流): I_YΔ = I_Δ_full/3(Δ全電圧始動の1/3)
- 始動トルク: T_YΔ = T_Δ_full/3(Δ全電圧始動の1/3)
- 始動完了後: タイマーにより自動的にΔ結線に切換→定格運転
- 切換時の突入電流: Y→Δ切換瞬間に二度目の過電流が発生することがある
【始動法の比較(電験三種重要)】
| 方法 | 始動電流比 | 始動トルク比 | 特徴 |
|直入れ| 1 | 1 | 全電流・全トルク |
|Y-Δ | 1/3 | 1/3 | 設備簡単・トルク不足に注意 |
|リアクトル(x倍)| x | x² | トルク大幅減少 |
|補償器(x倍)| x²(電源側)| x² | 電流もトルクもx²比 |
|巻線形二次抵抗| 任意 | 制御可 | コスト高・スリップリング必要 |
【誘導発電機への応用】
s<0(回転速度>同期速度)で誘導発電機モード。
風力発電の初期型(DFIGの前身)として使用。始動時は電動機→発電時は発電機として動作。
電験二種では誘導発電機の電力・無効電力の符号(系統への供給/消費)が出題。
【実務への接続】
大型誘導電動機(75kW以上)の始動方式選定は電気主任技術者の実務の一つ。
始動電流による電圧降下が系統の他の需要家に影響しないか計算(%Z法)し、
必要に応じてソフトスタータやインバータを採用する判断を行う。
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています(公式FAQで教育目的の許諾不要・使用料不要を明示容認・GREEN判定)。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。