問題
一般のフィードバック制御系においては,制御系の安定性が要求され,制御系の特性を評価するものとして,(ア) 特性と過渡特性がある。 サーボ制御系では,目標値の変化に対する追従性が重要であり,過渡特性を評価するものとして,(イ) 応答の遅れ時間,立上り時間,(ウ) などが用いられる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
電験三種「機械」の「自動制御」からの出題(令和7年度上期 問13)。フィードバック制御系の特性の評価を問う穴埋め問題で、正答は(3)です。
制御系の特性は、十分に時間がたって落ち着いた後の(ア)定常特性と、落ち着くまでの途中の過渡特性に分けて評価します。
過渡特性は、目標値を階段状に変える(イ)ステップ応答で調べ、遅れ時間・立上り時間・(ウ)行過ぎ量などで表します。定常偏差は落ち着いた後の偏差なので、定常特性の指標です。よって正答は(3)です。
【各空白の検討】
(ア) 定常:制御系の応答は、十分時間がたった後の状態(定常状態)と、そこに至るまでの途中(過渡状態)に分けられる。それぞれの性質が定常特性と過渡特性。「追従」は本文の後半で述べられている性能の目標であり、特性の区分の名前ではない。
(イ) ステップ:目標値の変化への追従性を見るには、目標値をある時刻で一定値だけ急に変える入力(ステップ入力)に対する応答を使う。インパルス応答は瞬間的な入力に対する応答で、遅れ時間・立上り時間・行過ぎ量のような指標はふつうステップ応答で定める。
(ウ) 行過ぎ量:ステップ応答が最終値を超えて行き過ぎた量の最大値。遅れ時間・立上り時間と並ぶ過渡特性の指標。定常偏差は、十分時間がたった後に残る目標値と制御量の差で、定常特性の指標である。
【選択肢の絞り込み】
(ア)が定常、(イ)がステップ、(ウ)が行過ぎ量のものは(3)だけです。
・(1):(ウ)の定常偏差は定常特性の指標で、過渡特性の例ではない。
・(2):(ア)追従、(ウ)定常偏差が誤り。
・(4):(ア)追従、(イ)インパルスが誤り。
・(5):(イ)インパルス、(ウ)定常偏差が誤り。
【ステップ応答で使う過渡特性の指標】
単位ステップ入力を加えたときの制御量の時間変化(ステップ応答)について、次のような指標が使われます。
・遅れ時間:応答が最終値の 50 %に達するまでの時間。
・立上り時間:応答が最終値の 10 %から 90 %になるまでの時間。
・行過ぎ量:応答が最終値を超えた量の最大値(最終値に対する割合で表すことが多い)。
・整定時間:応答が最終値の近くの決められた範囲内に収まるまでの時間。
遅れ時間と立上り時間は「速さ」、行過ぎ量は「振動のしにくさ(減衰のよさ)」、整定時間は「落ち着くまでの早さ」を表します。速く立ち上がるように調整すると行過ぎ量が大きくなりやすいので、これらの指標を組み合わせて評価します。
【定常特性と定常偏差】
定常特性は、十分時間がたったときに制御量が目標値にどれだけ一致するかで評価し、その差が定常偏差(残留偏差)です。比例動作だけの制御では一定の定常偏差が残ることがあり、積分動作を加えると定常偏差をなくせます。定常偏差は「十分時間がたった後」の量なので、本文の「過渡特性を評価するもの」には入りません。選択肢の(1)(2)(5)は、この区別を問うために(ウ)に定常偏差を置いています。
【安定性との関係】
本文の最初にあるとおり、フィードバック制御系ではまず安定であることが前提です。不安定な系では応答が発散し、定常状態そのものが存在しません。安定であることを確かめたうえで、定常特性(定常偏差の大きさ)と過渡特性(速さと行過ぎ)を評価する、という順序になります。
【関連する出題】
電験三種の機械では、ステップ応答の波形を示して遅れ時間・立上り時間・行過ぎ量・整定時間を読み取らせる問題や、一次遅れ要素の時定数、比例・積分・微分動作の働きを問う問題が出題されています。各指標が「速さ」「行過ぎ」「定常」のどれを表すかを押さえておくと、穴埋めでも正誤でも迷いません。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
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