電験三種 機械 問27:電気機器(直流機)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14)
直流電動機に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)の中から一つ選べ。
- 1直巻電動機は,負荷電流の増減によって回転速度が大きく変わる。トルクは, 回転速度が小さいときに大きくなるので,始動時のトルクが大きいという特徴 があり,クレーン,巻上機などの電動機として適している。
- 2分巻電動機の速度制御の方法の一つとして界磁制御法がある。これは,界磁 巻線に直列に接続した界磁抵抗器によって界磁電流を調整して界磁磁束の大き さを変え,速度を制御する方法である。
- 3分巻電動機は,端子電圧を一定として機械的な負荷を増加したとき,電機子 電流が増加し,回転速度は,わずかに減少するがほぼ一定である。このため, 定速度電動機と呼ばれる。
- 4複巻電動機には,直巻界磁巻線及び分巻界磁巻線が施され,合成界磁磁束が 直巻界磁磁束と分巻界磁磁束との和になっている構造の和動複巻電動機と,差 になっている構造の差動複巻電動機とがある。
- 5直巻電動機は,界磁電流が負荷電流(電動機に流れる電流)と同じである。こ のため,未飽和領域では界磁磁束が負荷電流に比例し,トルクも負荷電流に比 例する。正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠(電気事業法・電気工事士法・電気工事業法・電気用品安全法・電気設備技術基準)も明記。
電験三種「機械」の「電気機器(直流機)」からの出題(令和7年度下期 問1)。正答は(5)です(「誤っているものを選べ」の問い)。
直流電動機の種類と特性についての正誤判定問題。直巻電動機は無負荷運転が危険(界磁電流=電機子電流→無負荷でΦ→0→n→∞)。
選択肢(5)が直流電動機の特性について誤った記述をしており、それが正答。
【電気機器(直流電動機の種類・特性)の正誤判定解法】(令和7年度下期 問1)
【各励磁方式の特性まとめ(正しい内容)】
(A) 他励電動機: 界磁電流を独立供給→速度-トルク特性が安定→サーボ・精密制御用
(B) 分巻電動機: 界磁並列→ほぼ定速(速度変動小)→工作機械・ポンプ
(C) 直巻電動機: 界磁直列→T∝Ia²(始動トルク最大)→軽負荷で高速(暴走危険)→電気鉄道・クレーン
(D) 複巻電動機: 分巻+直巻の合成→中間的特性→エレベータ・圧延機
【正答(5)が誤りである理由】
選択肢(5)は直流電動機のある特性について誤った記述をしている。
直巻電動機の「無負荷運転が危険」「電機子反作用の補償巻線が必要な場合」など、特性の説明に誤りが含まれる。
【電機子反作用の基礎】
電機子電流→電機子周辺に磁界→主磁界を歪める→ブラシ位置(中性軸)がずれる→整流悪化
対策: (a)補極(補助磁極)の設置、(b)ブラシ位置移動、(c)補償巻線
【電気機器(直流機の詳細特性・制御・応用)の深層解析】(令和7年度下期 問1)
【正答(5)の根拠:直流電動機の総合的理解】
【各励磁方式の速度-トルク方程式】
(a) 他励・分巻(Φ一定):
n = V/(kΦ) - Ra×T/(kΦ)² → 右下がり直線(軟特性)
速度変動率: ε = (n₀-n_n)/n_n × 100[%]≈3〜8%
(b) 直巻(Φ∝Ia∝T^0.5):
n ≈ V/(k√T) - Ra × √T/k → 双曲線(重負荷で低速・軽負荷で高速)
T→0のとき n→∞(理論上暴走)→無負荷運転禁止
T∝Ia²: 始動トルクが二乗に比例→巻上機・電気鉄道に最適
(c) 複巻:
Φ = Φf + Φs(和動複巻: 分巻磁束+直巻磁束)→始動トルク↑かつ無負荷安定
Φ = Φf - Φs(差動複巻: まれ)→不安定になる可能性
【電機子反作用の定量的影響】
電機子電流Iaによる磁界Fa[AT/極]=Ia×Za/(2×p×a)
(Za: 電機子導体数、p: 極対数、a: 並列回路数)
この磁界がN-S極間の主磁界を歪める→中性軸が回転方向にずれる。
電動機: 回転方向と逆にずれる→ブラシを回転方向と逆に移動させると整流改善。
(発電機では逆:回転方向にずれる→ブラシを回転方向に移動)
【現代的な直流電動機の応用分野】
(1) 電気鉄道の回生制動: 直巻→回生ブレーキに使用(制動力が大きい)
(2) 自動車の補機: 永久磁石形直流電動機(スタータ・ウィンドウモータ・ドアロック)
(3) 産業用サーボ: 永久磁石形→高精度位置制御(CNC工作機械・ロボットアーム)
現在はブラシレスDC(BLDC)またはPMSMに移行が進む
【ブラシレスDC電動機(BLDC)との比較】
従来DC: 整流子+ブラシで機械的整流→寿命問題・ノイズ
BLDC: ホールセンサ+インバータで電気的整流→長寿命・高効率→現代の主流
電験三種ではBLDCは出題頻度低いが実務で最も普及している機種。
【電験二種・実務への接続】
電験二種: 直流機の安定度(傾き条件)、整流方程式・ブラシ電圧降下の解析
実務: 変電所・発電所の励磁機(直流発電機→交流発電機の界磁電源)の管理
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています(公式FAQで教育目的の許諾不要・使用料不要を明示容認・GREEN判定)。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。