電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和4年度下期 機械 問10|パワーエレクトロニクス

問題

電験三種 | 機械 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図に示す出力電圧波形 vR を得ることができる電力変換回路として,正しいものを次の(1)~(5)の中から一つ選べ。ただし,回路中の交流電源は正弦波交流電圧源とする。

問題の図(出典: 令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 機械 問10/電気技術者試験センター)

図の出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 機械 問10

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

図の出力波形は、プラスの半分とマイナスの半分の両方が出ていて、どちらも途中から(少し遅れて)立ち上がっています。プラスもマイナスも出るので、交流のまま電圧を調整する回路です。そのために、サイリスタを逆向きに2個並べた回路を使います。サイリスタは、スイッチを入れるタイミング(位相)を遅らせると、電圧の出る時間を調整できる部品です。正答は(3)です。

(1)波形の特徴:プラスの半波とマイナスの半波の両方がある。どちらも、電源電圧が 0 になってから少し遅れて立ち上がり、次に 0 になるところで終わる。

(2)各回路の出力:

・(1) ダイオード1個:プラスの半波だけが出る(半波整流)。マイナス側は出ない。

・(2) サイリスタ1個:プラスの半波だけが、遅れて出る。マイナス側は出ない。

・(3) サイリスタ2個の逆並列:プラスの半波は一方が、マイナスの半波はもう一方が、それぞれ遅れて通す。プラスもマイナスも遅れて出る。

・(4) ダイオードブリッジ:全波整流で、マイナスの半波もプラスに折り返される。マイナス側には出ない。

・(5) サイリスタブリッジ:位相制御された全波整流で、出力はプラス側だけになる。

(3)図の波形はプラス側にもマイナス側にも出ているので、(3)が当てはまる。このように、交流のまま電圧の大きさを制御することを、交流電力調整(位相制御)という。正答は(3)です。

本問は、出力波形の特徴(極性・位相の遅れ)から、回路の種類を決める問題です。半導体素子の働きと回路の形を結び付けて覚えておくと、図を見るだけで決められます。

【素子の働き】

・ダイオード:順方向の電圧がかかると、自然に導通する。電流の向きは一方向だけ

・サイリスタ:順方向の電圧がかかっているときに、ゲートに信号(トリガ)を与えた時刻から導通する。いったん導通すると、電流が 0 になるまで導通を続ける。ゲートを与える位相角(制御角 α)を遅らせると、出力電圧の平均値を下げられる

【各回路の出力波形】

(1) ダイオード1個:プラスの半波が、0 から順に出る。マイナスの半波は出ない

(2) サイリスタ1個:プラスの半波が、制御角 α だけ遅れて出る。マイナスの半波は出ない

(3) サイリスタ2個の逆並列:プラス側の半波は一方が、マイナス側の半波はもう一方が、それぞれ制御角 α だけ遅れて導通する。出力はプラスもマイナスも出る(交流のまま電圧を調整する)

(4) ダイオードブリッジ:単相全波整流。プラスの半波も、マイナスの半波が折り返されたものも、プラス側に出る

(5) サイリスタブリッジ:位相制御された全波整流。出力はプラス側だけになり、マイナス側には出ない

【決め手】図の波形は「マイナス側に出ている」ことと「プラスの半波もマイナスの半波も遅れて立ち上がる」ことの2つが決め手です。マイナス側に出る回路は、交流のまま取り出す(3)だけです。

【出力電圧の大きさ】抵抗負荷のとき、制御角 α における出力電圧の実効値は

V = V1 × √{(π − α + sin2α/2) / π}(V1 は電源電圧の実効値)

で表されます。α = 0 のとき V = V1(電源電圧そのまま)、α を大きくするほど小さくなります。照明の調光器や電気ヒータの温度制御などで、この位相制御が使われています。

【注意】位相制御では、波形がひずむので、高調波が発生します。サイリスタの制御角を変えるときは、力率の低下や高調波対策も考える必要があります。正答は(3)です。

この問題の根拠出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。