第二種電工 電気の基礎理論 問49:電気の基礎理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
インダクタンス L = 100mH、静電容量 C = 10μF の RLC 直列回路において、共振が発生する周波数 f₀ [Hz] として最も近いものはどれか。ただし π ≒ 3.14 とする。
- ア16
- イ159正答
- ウ500
- エ1 592
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RLC 直列回路が共振する周波数は f₀ = 1/(2π√(LC)) で求まる。L = 100mH = 0.1H、C = 10μF = 10⁻⁵F を代入。LC = 0.1 × 10⁻⁵ = 10⁻⁶。√(LC) = 10⁻³(= 0.001)。f₀ = 1/(2×3.14×0.001) = 1/0.00628 ≒ 159Hz(正答イ)。共振時にはコイルとコンデンサのリアクタンスが打ち消し合い、インピーダンスが最小(抵抗 R のみ)になるため電流が最大になる。この性質がラジオの選局回路(特定周波数のみ大電流になる)に応用されている。
RLC 直列共振周波数の計算問題。
【共振の条件】
X_L = X_C
ωL = 1/(ωC)
ω²LC = 1
ω₀ = 1/√(LC) [rad/s]
f₀ = ω₀/(2π) = 1/(2π√(LC)) [Hz]
【本問の計算(L=0.1H、C=10μF=10⁻⁵F)】
LC = 0.1 × 10⁻⁵ = 10⁻⁶
√(LC) = √(10⁻⁶) = 10⁻³ = 0.001
f₀ = 1/(2π × 0.001) = 1000/(2π) = 1000/6.28 ≒ 159.2 ≒ 159Hz(正答イ)
【共振時の回路特性】
①インピーダンス:Z = R(最小)→ 電流最大
②コイルの電圧:V_L = I×X_L(共振時は非常に大きくなることがある)
③コンデンサの電圧:V_C = I×X_C = V_L(V_L と V_C が等しく相殺)
④Q 値(共振の鋭さ):Q = X_L₀/R = ω₀L/R = 1/(ω₀CR)
【159Hz の確認】
f₀ = 159Hz → ω₀ = 2π×159 ≒ 999 rad/s ≒ 1000 rad/s
X_L = ω₀L = 1000 × 0.1 = 100Ω
X_C = 1/(ω₀C) = 1/(1000 × 10⁻⁵) = 1/0.01 = 100Ω
X_L = X_C ✓(共振条件成立)
RLC 直列共振回路は無線通信・電源フィルタ・計測器の基礎回路。共振特性(Q 値・帯域幅・電圧増倍)と実務応用を体系的に理解する。
【共振周波数の導出】
RLC 直列回路のインピーダンス:
Z = R + j(X_L - X_C) = R + j(ωL - 1/ωC)
共振(インピーダンスが純抵抗になる)条件:虚数部 = 0
ωL - 1/(ωC) = 0 → ωL = 1/(ωC) → ω₀² = 1/(LC)
共振角速度:ω₀ = 1/√(LC)
共振周波数:f₀ = ω₀/(2π) = 1/(2π√(LC))
本問(L=0.1H、C=10μF):f₀ = 1/(2π×10⁻³) ≒ 159Hz(正答イ)
【Q 値(Quality Factor)と共振の鋭さ】
Q 値は共振の「尖り具合(帯域の狭さ)」を表す指標:
Q = ω₀L/R = 1/(ω₀CR) = (1/R)√(L/C)
例:R=10Ω、L=0.1H、C=10μF の場合
Q = (1000×0.1)/10 = 100/10 = 10
Q が大きいほど:
① 共振ピークが高く(電流が大きく)なる
② 帯域幅(-3dB)が狭くなる → 選択性が高い(特定周波数のみ通過)
③ 共振時のコイル/コンデンサ電圧が電源電圧の Q 倍になる(「Q 倍の電圧増倍」)
V_L₀ = V_C₀ = Q × V_source = 10 × (電源電圧) → コンデンサの耐圧設計に注意
【帯域幅と選択度の計算】
帯域幅 BW(-3dB):電流が最大値の 1/√2 に下がる周波数範囲
BW = f₀/Q = 159/10 ≒ 15.9Hz
通過帯域:159 ± 7.95Hz → 約 151Hz〜167Hz
Q=10 の場合、150Hz 以下・170Hz 以上は急速に減衰する選択性の高い回路になる。
【ラジオ同調回路への応用】
AM ラジオの選局回路は可変コンデンサ(バリコン)の容量を変えて共振周波数を調整する。
AM 放送帯:535kHz〜1605kHz
例:1000kHz の放送を選局するには:
f₀ = 1/(2π√(LC)) = 1000kHz
L = 250μH(固定)として必要な C を求める:
C = 1/(4π²f₀²L) = 1/(4×9.86×10¹²×250×10⁻⁶) = 1/(9.87×10⁹) ≒ 100pF
バリコンの容量範囲(例:10pF〜300pF)をカバーすることで全 AM 帯を選局できる。
【並列共振回路との比較】
直列共振(本問):
- 共振時:インピーダンス最小(Z=R)→ 電流最大
- 電源から見た「短絡に近い状態」→ 電流源で使う
並列共振(LC 並列):
- 共振時:インピーダンス最大(=Q²R)→ 電流最小
- 電源から見た「開放に近い状態」→ 電圧源(電源電圧を維持)で使う
- 共振周波数(理想的):f₀ = 1/(2π√(LC))(直列と同じ)
実用回路ではアンテナ(電圧源的)→ 並列共振(電圧増倍)→ 増幅器という構成が一般的。
【電力系統での共振(危険な共振)】
送電線(インダクタンス)と電力用コンデンサ(力率改善用)が共振する「串直共振」「高調波共振」が実際の電力事故の原因になることがある。
フェランチ現象:長距離送電線の充電電流(容量性)と送電線インダクタンスの並列共振によって受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象。軽負荷時に発生しやすく、絶縁破壊の原因になる。
高調波共振:インバータ・スイッチング電源が発生する高調波電流(3 次・5 次・7 次)が系統のインダクタンス・コンデンサと共振し、電圧歪みが増大する問題。
これらを防ぐために直列リアクトル(コンデンサに直列)で共振周波数を基本波以下に下げる対策が一般的(進相コンデンサ設備の標準設計)。
【電験三種への接続】
電験三種「理論」では RLC 直列・並列共振の計算(f₀、Q 値、帯域幅、共振時のインピーダンス・電流・電圧)が重要出題範囲。「電力」では電力系統の高調波・フェランチ現象が法規・管理問題で登場する。第二種電気工事士では f₀ = 1/(2π√(LC)) と共振時の X_L = X_C の条件を確実に覚えることが基礎。数値計算では √(LC) の計算(冪指数の足し算)を丁寧に行うことが誤答防止の鍵。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。