電気の基礎理論51電気の基礎理論

第二種電工 電気の基礎理論 問51:電気の基礎理論

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12

抵抗 R = 30Ω、誘導性リアクタンス X_L = 40Ω の RL 直列回路に 100V の交流電源を接続した。この回路で消費される有効電力 [W] として正しいものはどれか。

  • 60
  • 80
  • 120正答
  • 200
正答:120

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠(電気設備技術基準・内線規程・電気工事士法・電気用品安全法)も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

有効電力(消費電力)は抵抗だけが熱に変換する電力。計算手順はインピーダンス → 電流 → 有効電力の 3 ステップ。Z = √(30² + 40²) = √2500 = 50Ω。電流 I = V/Z = 100/50 = 2A。有効電力 P = I²×R = 2²×30 = 4×30 = 120W(正答ウ)。コイルには電力が供給されても磁気エネルギーとして蓄えられるだけで消費されないため、抵抗部分だけを P = I²R で計算する。30-40-50 の定番三角形(kiso_45 参照)と組み合わせて完全にマスターしよう。

標準試験対策の基準レベル

RL 直列回路で有効電力を求める手順を整理する。

【計算ステップ】

①インピーダンス:Z = √(R² + X_L²) = √(30² + 40²) = √(900+1600) = √2500 = 50Ω

②電流:I = V/Z = 100/50 = 2A

③有効電力:P = I²R = 4×30 = 120W(正答ウ)

【別解:力率を使う方法】

cosφ = R/Z = 30/50 = 0.6

P = V×I×cosφ = 100×2×0.6 = 120W(同じ結果)

【無効電力・皮相電力との対比】

皮相電力 S = V×I = 100×2 = 200VA(選択肢エ)

有効電力 P = S×cosφ = 200×0.6 = 120W(正答ウ)

無効電力 Q = I²×X_L = 4×40 = 160var

確認:√(120²+160²) = √(14400+25600) = √40000 = 200VA = S ✓

【誤答分析】

ア(60):P/2 や別の誤計算

イ(80):I²×X_C や力率を間違えた場合

エ(200):皮相電力 S(力率をかけ忘れ)

【公式の整理】

P = I²R(電流と抵抗から)

P = V_R × I(抵抗の電圧と電流から)

P = V × I × cosφ(電源電圧・全電流・力率から)

→ 与えられた情報に応じて使い分ける

上級誤答論破・根拠規定・実務応用まで深掘り

RL 直列回路の有効電力計算は電動機・変圧器の損失評価・省エネ設計の基礎。電力の物理的分配と実務応用を体系的に理解する。

【有効電力の物理的起源】

抵抗(R):電気エネルギーを熱エネルギーに不可逆変換。ジュール熱 P_R = I²R。

コイル(L):電気エネルギーを磁場エネルギーとして蓄放。平均消費電力ゼロ(無効)。

コンデンサ(C):電気エネルギーを電場エネルギーとして蓄放。平均消費電力ゼロ(無効)。

有効電力は「回路内のすべての抵抗における消費電力の総和」。直列回路ではコイルに抵抗成分(巻線抵抗)が存在するため、実際はコイルも一部有効電力を消費するが、理想コイルでは R_coil=0 として純粋な無効成分のみとして扱う。

【本問の解析(V=100V、R=30Ω、X_L=40Ω)】

Z = 50Ω、I = 2A

各素子のエネルギー状態(1 サイクルを通して):

  • 抵抗:P_R = I²R = 4×30 = 120W → 熱として放散(正答ウ)
  • コイル:磁場エネルギー = LI²/2 = L×4/2 = 2L [J] を蓄放(平均変化量ゼロ)

電源が供給するエネルギーフロー:

  • 有効電力(P=120W)→ 抵抗で熱に変換
  • 無効電力(Q=160var)→ コイルと電源の間で往復(電線に電流を流すが仕事はしない)

【誘導電動機の有効電力と機械出力】

誘導電動機の等価回路:巻線抵抗(銅損)+ 漏れリアクタンス(無効)+ 励磁リアクタンス(無効)+ 出力抵抗(機械出力)。

有効電力の内訳:

①入力有効電力 P_in = V×I×cosφ(電源から受け取る)

②銅損 P_Cu = I²×R_巻線(巻線での熱損失)

③鉄損 P_Fe(鉄心の渦電流・ヒステリシス損失)

④機械的出力 P_mec = P_in - P_Cu - P_Fe

⑤軸出力 P_shaft = P_mec - 機械損(軸受け摩擦・風損)

⑥効率 η = P_shaft / P_in

一般的な誘導電動機の効率:85〜95%。残り 5〜15% が損失(熱)。

【変圧器の有効電力損失】

変圧器の損失:

①鉄損(固定損):P_Fe = 鉄心の渦電流損+ヒステリシス損(負荷によらず一定)

②銅損(可変損):P_Cu = I²×R_巻線(負荷電流の 2 乗に比例)

最大効率条件:鉄損 = 銅損(P_Fe = P_Cu)

省エネ変圧器(低損失変圧器):高性能電磁鋼板・アモルファス合金で鉄損を削減

本問の RL 直列は変圧器の簡略等価回路(I²R = 銅損、IX_L = 漏れリアクタンスによる無効電力)に対応している。

【最大電力転送定理(有効電力の最大化)】

電源(起電力 E、内部インピーダンス Z_s = R_s + jX_s)から負荷(Z_L = R_L + jX_L)に供給される有効電力を最大にする条件:

Z_L = Z_s*(複素共役) → R_L = R_s、X_L = -X_s

このとき最大有効電力 P_max = E²/(4R_s)

この定理はアンテナ整合回路・音響機器のインピーダンスマッチング・医療機器(超音波探触子)などの設計に使われる。

【省エネ計算への応用:モーターの効率改善】

本問と同じ条件(V=100V、R=30Ω、X_L=40Ω、I=2A、P=120W)において:

力率改善(R=30Ω のまま X_L を X_C=40Ω で打ち消す):

  • cosφ が 0.6→1.0 に改善
  • 同じ有効電力 120W を維持しながら電流が 2A → 100/30 = 3.33A?

いや、力率改善で有効電力を維持すると電流が変わる:

改善前:I₁ = 2A、P₁ = 120W

改善後(cosφ₂=1.0):I₂ = P/(V×cosφ₂) = 120/(100×1.0) = 1.2A

電流が 2A→1.2A に削減 → 電線損失が I² 比で (1.2/2)² = 0.36 → 64% 削減。

【電験三種への接続】

電験三種「理論」では有効電力の計算に加えて「効率・損失」の概念が頻出。「機械」では誘導電動機の出力特性(トルク-回転数特性)・効率曲線の計算で有効電力が中心概念になる。「電力」では発電機・変圧器の損失評価・効率計算・電力系統の送電損失計算で I²R 公式が繰り返し登場する。

第二種電気工事士では「P = I²R(有効電力は抵抗のみで消費)」「P = VIcosφ(電力三角形)」の 2 公式を使い分ける習熟が基礎。kiso_45(インピーダンス)・kiso_46(力率)・kiso_48(有効電力)・本問と連動して学習することで体系的な理解が得られる。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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