第二種電工 電気の基礎理論 問54:電気の基礎理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
三相交流のY(スター)結線において、相電圧が 100V のとき、線間電圧 [V] として正しいものはどれか。ただし √3 ≒ 1.73 とする。
- ア58
- イ100
- ウ173正答
- エ200
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三相交流の Y 結線(スター結線)では「線間電圧 = 相電圧 × √3」の関係がある。相電圧 100V のとき、線間電圧 = 100 × 1.73 = 173V(正答ウ)。日本の低圧三相電源(200V)がまさにこれで、相電圧が 100V で Y 結線すると線間電圧が約 200V(実際は 173V→丸めて 200V)になる。単相三線式(100V/200V)も同じ原理で、中性点を含む Y 結線の一形態。「Y 結線:線間 = √3 × 相電圧」は公式として確実に覚えるべき最重要公式の一つ。
Y 結線の線間電圧と相電圧の関係を求める問題。
【Y 結線の基本関係】
線間電圧 V_L = √3 × 相電圧 V_P
線電流 I_L = 相電流 I_P(線電流と相電流は等しい)
【本問の計算】
V_P = 100V
V_L = √3 × V_P = 1.73 × 100 = 173V(正答ウ)
【Y 結線の電圧関係の導出(フェーザ図)】
3 つの相電圧は互いに 120° の位相差を持つ:
V_a = V_P∠0°、V_b = V_P∠(-120°)、V_c = V_P∠(-240°)
a-b 間の線間電圧:V_ab = V_a - V_b
フェーザ演算:V_ab = V_P(1∠0° - 1∠(-120°)) = √3 V_P ∠30°
|V_ab| = √3 × V_P(大きさが √3 倍、位相は 30° 進む)
【Δ 結線との比較】
| | Y 結線(スター) | Δ 結線(デルタ) |
|---|---|---|
| 線間電圧 | V_L = √3 × V_P | V_L = V_P |
| 線電流 | I_L = I_P | I_L = √3 × I_P |
| 中性点 | あり(N 点を引出可) | なし |
三相 3 線式 200V の送電は、相電圧 115.5V(≒200/√3)の Y 結線電源が多い。
【選択肢の誤答分析】
ア(58):100/√3 ≒ 58(逆に割り算してしまった誤り)
イ(100):相電圧そのまま(Y 結線の関係を知らない場合)
エ(200):100×2=200(√3 の代わりに 2 を使った誤り)
三相交流の Y 結線は電力系統・工場電気設備の基礎。フェーザ図による電圧関係の導出から、変圧器の結線方式・送電線の設計まで体系的に整理する。
【三相対称電圧の数学的表現】
三相発電機は互いに 120°(= 2π/3 rad)の位相差を持つ 3 つの正弦波電圧を発生させる:
v_a(t) = V_P√2 sin(ωt)
v_b(t) = V_P√2 sin(ωt - 120°)
v_c(t) = V_P√2 sin(ωt - 240°) = V_P√2 sin(ωt + 120°)
フェーザ表示(実効値):
V_a = V_P∠0°、V_b = V_P∠(-120°)、V_c = V_P∠(120°)
対称三相の重要性:v_a + v_b + v_c = 0(常に 3 電圧の和はゼロ)
【線間電圧 V_L の導出(√3 倍の起源)】
a-b 間の線間電圧:
V_ab = V_a - V_b = V_P∠0° - V_P∠(-120°)
= V_P [1 - (cos(-120°) + j sin(-120°))]
= V_P [1 - (-0.5 - j×0.866)]
= V_P [1.5 + j0.866]
|V_ab| = V_P × √(1.5² + 0.866²) = V_P × √(2.25 + 0.75) = V_P × √3
∠V_ab = arctan(0.866/1.5) = arctan(0.577) = 30°
→ 線間電圧は相電圧の √3 倍で、位相は相電圧より 30° 進む。
本問:V_L = √3 × 100 = 173V(正答ウ)
【三相変圧器の結線方式と電圧変換】
三相変圧器はよく「Y-Δ」「Δ-Y」「Y-Y」「Δ-Δ」の 4 種類の結線方式が使われる。
日本の電力系統:
①超高圧送電(500kV):Δ-Y 変圧器で昇圧(発電所側)
②一次変電所(275kV/154kV):Y-Y または Y-Δ
③二次変電所(66kV/33kV):Y-Δ または Δ-Δ
④配電用変電所(6.6kV):Y-Δ または Δ-Δ
⑤需要家変圧器(200V/100V):Δ-Y(単相 3 線式)または Δ-Δ
Y-Δ 変圧器では巻数比 n と電圧変換に加えて、線間電圧の √3 倍関係が入るため「実効変圧比」は n × √3 になる(注意点)。
【三相 4 線式と中性線の役割】
Y 結線の中性点 N を引き出した「三相 4 線式」(3φ4W)では:
- 三相線間電圧:V_L(高圧負荷・大型モーター用)
- 単相電圧:V_P = V_L/√3(照明・コンセント用)
日本の低圧配電(6.6kV/210V-105V)は Δ-Y 変圧器で:
Y 二次側の相電圧 = 105V(≒100V)、線間電圧 = 105√3 ≒ 182V(≒200V)
100V と 200V が同時に使えるのが三相 4 線式(3φ4W)の利点。住宅は単相 3 線式(1φ3W = 三相 4 線式の一相)から 100V/200V を取り出している。
【不平衡 Y 結線(非対称負荷)の注意】
各相の負荷が異なる不平衡 Y 結線では、中性線電流が発生する(kiso_38 の KCL 参照)。
中性線電流 I_N = I_a + I_b + I_c(ベクトル和、平衡時はゼロ)
不平衡時は中性線がないと中性点電位がシフトし、各相電圧が不均等になる(中性点電位移動)。三相の中性線断線 → 各相の電圧が設計値から大きく外れ機器破損の危険。
【三相回路のインピーダンス換算(Δ↔Y 変換)】
三角形(Δ)接続の各抵抗 R_Δ を Y 接続に換算:
R_Y = R_Δ / 3(Y 接続は Δ 接続の 1/3)
逆に Y → Δ:R_Δ = 3 × R_Y
この変換を使うと、Δ 接続の三相回路を Y 接続に換算して各相の単相回路として解くことができる(対称 Y 回路の解法)。
【電験三種への接続】
電験三種「理論」:三相交流の計算(Y・Δ 変換・三相電力・対称座標法)が最重要分野の一つ。「電力」:三相送電線の電力損失・電圧降下計算、変圧器の結線方式による電圧変換。「機械」:三相誘導電動機・三相同期発電機の計算で Y・Δ の換算が必須。
第二種電気工事士では「Y 結線:V_L = √3 × V_P」「Δ 結線:V_L = V_P、I_L = √3 × I_P」の 2 式を確実に区別して覚えることが基礎。√3 ≒ 1.73 の近似値も合わせて記憶しておくと本番で素早く計算できる。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。