電気の基礎理論58電気の基礎理論

第二種電工 電気の基礎理論 問58:電気の基礎理論

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12

1 相あたり抵抗 R = 20Ω の平衡三相負荷を Y 結線(スター結線)で三相 200V 電源に接続したとき、三相全体の消費電力 [W] として正しいものはどれか。ただし √3 ≒ 1.73 とする。

  • 667
  • 1 000
  • 2 000正答
  • 3 000
正答:2 000

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠(電気設備技術基準・内線規程・電気工事士法・電気用品安全法)も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

Y 結線では相電圧 = 線間電圧 / √3 = 200/1.73 ≒ 115.6V。各相の電流 I_P = V_P/R = 115.6/20 ≒ 5.78A。各相の消費電力 P_1相 = I_P² × R = 5.78² × 20 ≒ 667W(選択肢ア は 1 相分)。三相全体の消費電力 P = 3 × 667 ≒ 2000W(正答ウ)。Y 結線抵抗負荷なので力率 = 1.0。確認:P = √3 × V_L × I_L × cosφ = 1.73 × 200 × 5.78 × 1.0 ≒ 2000W ✓。「1 相分を 3 倍する」が三相電力計算の本質。

標準試験対策の基準レベル

Y 結線の平衡三相抵抗負荷の消費電力計算。2 つのアプローチで解く。

【アプローチ 1:相電圧→相電流→消費電力】

①Y 結線の相電圧:V_P = V_L/√3 = 200/1.73 ≒ 115.6V

②相電流(= 線電流):I_P = V_P/R = 115.6/20 ≒ 5.78A

③1 相の消費電力:P_1 = I_P² × R = 5.78² × 20 = 33.4 × 20 = 668W

④三相合計:P = 3 × P_1 = 3 × 668 ≒ 2000W(正答ウ)

【アプローチ 2:三相電力公式(抵抗負荷 cosφ=1)】

P = √3 × V_L × I_L × cosφ = √3 × 200 × 5.78 × 1.0 = 1.73 × 200 × 5.78 ≒ 2000W(同じ)

【別解:線電流から直接】

V_P = V_L/√3 = 200/√3、R=20Ω → I_L = I_P = V_P/R = 200/(√3 × 20) = 10/√3 ≒ 5.77A

P = 3 × I_L² × R = 3 × (10/√3)² × 20 = 3 × (100/3) × 20 = 100 × 20 = 2000W ✓

→ きれいに 2000W が出る(√3 が消える)

【選択肢分析】

ア(667):1 相分の消費電力(P_1 ≒ 667W)を答えた

イ(1000):2 相分(途中計算の誤り)

エ(3000):V_P = V_L(Y 結線の電圧関係を間違えた場合)= P = 3×200²/20÷... 等の誤計算

上級誤答論破・根拠規定・実務応用まで深掘り

Y 結線の三相電力計算は三相システムの基礎中の基礎。計算の背景にある対称三相の理論・変換公式・実務設計への接続まで体系的に整理する。

【対称三相の特徴:各相が等しい電力を消費】

平衡(対称)三相系では、各相の電圧・電流の大きさが等しく 120° ずつ位相差がある。

3 相の合計消費電力 = 3 × 1 相の消費電力(スカラー和が有効)

これが成立する根拠:各相の電圧・電流・力率が全て同じなので、1 相の計算結果を単純に 3 倍できる。不平衡系では各相を個別に計算して合計する必要がある。

【Y 結線での計算を一般化】

各相の抵抗 R(純抵抗負荷、力率 = 1.0)に線間電圧 V_L で Y 接続した場合:

V_P = V_L/√3

I_P = V_P/R = V_L/(√3 R)

P_1 = I_P² × R = (V_L/(√3 R))² × R = V_L²/(3R)

P = 3P_1 = 3 × V_L²/(3R) = V_L²/R

本問:P = V_L²/R = 200²/20 = 40000/20 = 2000W(正答ウ)

この公式 P = V_L²/R(Y 結線抵抗負荷)は便利で計算が速い。

【Δ 結線との比較(同じ R=20Ω・同じ V_L=200V)】

Δ 接続した場合(各相に線間電圧がかかる):

V_P = V_L = 200V(Δ 結線では線間電圧 = 相電圧)

I_P = V_P/R = 200/20 = 10A

I_L = √3 × I_P = 1.73 × 10 = 17.3A

P_1 = I_P² × R = 100 × 20 = 2000W

P_Δ = 3 × P_1 = 6000W

比較:P_Δ / P_Y = 6000 / 2000 = 3(Δ 接続は Y 接続の 3 倍の電力消費)

同じ抵抗を Y→Δ に切り替えると消費電力が 3 倍になる。逆に Y-Δ 始動では始動時 Y 接続で電力(トルク)が 1/3 に低減し、電流サージを抑制できる。

【三相対称回路の一相等価回路】

対称三相 Y 接続回路では、1 相のみを取り出した「一相等価回路」として計算できる:

  • 電源電圧:V_P = V_L/√3(相電圧)
  • 負荷インピーダンス:Z_P(各相のインピーダンス)
  • 線電流:I_L = I_P = V_P/Z_P

三相全電力:P = 3 × V_P × I_P × cosφ = √3 × V_L × I_L × cosφ

一相等価回路による計算手順:

①V_P = V_L/√3 で相電圧を計算

②一相のインピーダンス Z_P を求める

③一相の電流・電力を計算

④3 倍して三相全体の値を得る

【不平衡三相負荷の扱い(3 相抵抗が異なる場合)】

各相の抵抗が R_a、R_b、R_c と異なる場合:

Y 接続・中性線あり(4 線式):各相独立に計算

V_Pa = V_L/√3、I_Pa = V_Pa/R_a → P_a = I_Pa² × R_a

同様に P_b、P_c を計算 → P = P_a + P_b + P_c

Y 接続・中性線なし(3 線式):中性点電位が移動するため計算が複雑(対称座標法・キルヒホッフ法)。

三相 3 線式・不平衡の場合は電験三種の頻出難問(中性点電位移動)。第二種電気工事士では対称(平衡)三相のみが出題される。

【電動機のY-Δ切替と電力変化】

本問の R を電動機の等価抵抗と見立てた場合のY→Δ切替の影響:

Y 始動:P_Y = 2000W(トルクも 1/3 に抑制)

Δ 運転:P_Δ = 6000W(定格消費電力)

切替のタイミング:回転速度が定格の 80〜90% に達したら Δ 切替(3〜5 秒後が目安)。

切替時の電流サージ:Δ切替瞬間に再始動電流(直入れの約 1/3)が流れる。タイマーリレーで制御。

Y-Δ 始動器は①電磁接触器 3 個(主回路・Y 用・Δ 用)②タイムリレー③過負荷継電器で構成。電気工事士の実技・筆記双方の出題範囲。

【電験三種への接続】

電験三種「理論」:対称三相回路の一相等価回路・Δ-Y 変換・電力計算が重要問題。「機械」:三相誘導電動機の出力・効率・Y-Δ 始動の電流・トルク計算。「電力」:三相送電線の電力損失(3I²r)・不平衡三相負荷(V 結線・開放Δ)。第二種電気工事士では平衡三相の P = 3×V_P²/R または P = V_L²/R(Y 結線純抵抗)の計算を素早くできること、Y と Δ の電力比(3 倍関係)を理解することが重要。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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