第二種電工 電気の基礎理論 問64:電気の基礎理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
コイル(巻数 N = 100 回)を貫通する磁束が 0.01 秒間に 0.02Wb 変化したとき、コイルに誘起される起電力 [V] として正しいものはどれか。
- ア2
- イ20
- ウ200正答
- エ2 000
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コイルに誘起される起電力はファラデーの電磁誘導則で求まる。公式は e = N × ΔΦ/Δt(N:巻数、ΔΦ:磁束変化量 [Wb]、Δt:時間 [s])。代入すると e = 100 × 0.02/0.01 = 100 × 2 = 200V(正答ウ)。磁束の変化が速いほど(Δt 小)、磁束変化量が大きいほど(ΔΦ 大)、巻数が多いほど大きな起電力が誘起される。変圧器のコイルやブレーカに組み込まれた電流検出コイル(変流器)もすべてこの原理で動作している。
ファラデーの電磁誘導則による誘導起電力の計算問題。
【ファラデーの電磁誘導則(公式)】
e = N × |ΔΦ/Δt| [V]
N:巻数 [回]
ΔΦ:磁束変化量 [Wb]
Δt:時間 [s]
(レンツの法則による逆起電力の符号:e = -N × dΦ/dt だが、大きさで考えるとき絶対値)
【本問の計算】
N = 100 回
ΔΦ = 0.02Wb
Δt = 0.01s
e = N × ΔΦ/Δt = 100 × 0.02/0.01 = 100 × 2 = 200V(正答ウ)
【単位の確認】
[V] = [回] × [Wb/s] = [回] × [V] → 1Wb/s = 1V(定義)
1Wb(ウェーバー)= 1V·s(磁束の SI 単位)
【選択肢の誤答分析】
ア(2):N を掛けず ΔΦ/Δt = 2 のみ(巻数を忘れた)
イ(20):N=10 や計算の桁誤り
ウ(200):正答(N=100、ΔΦ/Δt=2 の積)
エ(2000):10 倍の桁誤り(Δt を 0.001 と誤った可能性)
【レンツの法則(誘起起電力の向き)】
誘起された起電力は「磁束変化を妨げる向き」に誘起される。
磁束が増加する → コイルが磁束を減らす向きに起電力を発生(元の磁界を打ち消す磁界を作る)
磁束が減少する → コイルが磁束を増やす向きに起電力を発生
電磁誘導はファラデーの業績であり、変圧器・発電機・誘導電動機・電流センサ(変流器)の動作原理の核心。定量的な理解から実務設計への接続まで体系的に整理する。
【ファラデーの電磁誘導則の数学的表現】
微分形:e = -N × dΦ/dt(連続的な磁束変化)
差分形:e = N × |ΔΦ/Δt|(一定の変化率)
磁束 Φ と磁束密度 B の関係:Φ = B × A(A:コイルの断面積 [m²])
代入:e = N × A × |ΔB/Δt|
鎖交磁束(総磁束)λ = NΦ を使うと:e = |dλ/dt|
【変圧器の動作原理】
変圧器(トランス)は電磁誘導の最もシンプルな応用:
①1 次コイル(巻数 N₁)に交流電流を流す → 交流磁束 Φ が発生
②磁束 Φ が鉄心(コア)を通じて 2 次コイル(巻数 N₂)に鎖交
③2 次コイルに誘起起電力 e₂ = N₂ × dΦ/dt が発生
電圧変換比(変圧比):V₁/V₂ = N₁/N₂
電流変換比(逆比):I₁/I₂ = N₂/N₁(一次と二次の電力が等しい、損失ゼロ仮定)
本問のスケール感:N=100、ΔΦ/Δt=2V/回 → e=200V
変圧器で 6600V → 200V 変換:巻数比 N₁:N₂ = 6600:200 = 33:1
【発電機の動作原理】
磁界中で導体を動かす(またはコイルを回転させる)と磁束が変化し起電力が誘起される。
直流発電機(単一導体):e = Blv(B:磁束密度、l:導体有効長、v:速度)
交流発電機(回転子):e = N × dΦ/dt = N × Φ_max × ω × sin(ωt) = E_max × sin(ωt)
実効値 E_rms = E_max/√2 = (N × Φ_max × ω)/√2
水力・火力・原子力・風力の発電機はすべてこの原理(機械エネルギー → 磁束変化 → 電気エネルギー)で発電する。
【誘導電動機(モーター)の動作原理】
誘導電動機は発電機とは逆:
①固定子(ステータ)の三相コイルに三相電流 → 回転磁界を作る
②回転磁界がローター(回転子)の導体棒と交差 → ファラデー則で起電力誘起
③起電力によって「かご形」導体に電流が流れる
④電流 × 磁界 = 電磁力(アンペア力)→ ローターが回転
回転速度(スリップ s):N_r = N_s × (1-s)(N_s:同期速度 = 120f/p、p:極数)
始動時:s=1、定格時:s≒0.02〜0.07(2〜7% のすべり)
【変流器(CT):電流センサの原理】
高圧配電線の大電流を安全に計測するために使われる変流器(CT:Current Transformer)は、電磁誘導の原理を利用した電流センサ:
①一次側:測定対象の電線(大電流 I₁ が流れる、N₁≒1 回)
②二次側:CT 内部の多数巻線(N₂=数十〜数百回)から小電流 I₂ を出力
③変流比:I₁/I₂ = N₂/N₁(例:CT 比 200A/5A のCT では N₂/N₁ = 40)
漏電遮断器の零相変流器(ZCT)も同様の原理:地絡電流(零相電流)を検出して遮断動作。
保護継電器(OCR・DGR)への接続:CT で計測した電流が整定値を超えたら継電器が動作 → 遮断器(CB)に引き外し信号を送る。
【インダクタンスと磁気エネルギー】
自己インダクタンス L に電流 I が流れているとき、蓄えられる磁気エネルギー:
W = L × I²/2 [J]
電流が突然ゼロになると(回路を開放すると)、この磁気エネルギーが放出されアーク放電が発生する。
スイッチング電源の配線インダクタンス → スナバ回路(ダイオード+コンデンサ)で保護。
コイル切断時の高電圧:e = -L × dI/dt(大電流が短時間でゼロになると dI/dt が巨大 → 過電圧)
配線用遮断器の開放時に誘導性負荷から高電圧が発生する現象。
【電験三種への接続】
電験三種「理論」:ファラデーの法則による誘導起電力計算・インダクタンスの計算(ソレノイド・相互インダクタンス)・過渡現象(RL 回路の応答)が重要問題。「機械」:変圧器の原理・等価回路・損失(銅損・鉄損)・効率計算、誘導電動機の原理・すべり・速度制御(インバータ)。「電力」:発電機の起電力・同期発電機の等価回路・変電所の変圧器選定。
第二種電気工事士では e = N × ΔΦ/Δt の計算と、変圧器・発電機・電動機の「電磁誘導による動作原理」を確実に理解することが基礎。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。