第二種電工 電気の基礎理論 問69:電気の基礎理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
3μF と 6μF の 2 つのコンデンサを並列に接続したときの合成静電容量 [μF] と、直列に接続したときの合成静電容量 [μF] の組合わせとして正しいものはどれか。
- ア並列 9μF ・直列 2μF正答
- イ並列 9μF ・直列 4.5μF
- ウ並列 4.5μF ・直列 2μF
- エ並列 2μF ・直列 9μF
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コンデンサは抵抗の逆パターンで合成する。並列は足し算(抵抗の直列と同じ感覚)、直列は逆数の和(抵抗の並列と同じ感覚)。並列:C = 3+6 = 9μF。直列:1/C = 1/3 + 1/6 = 2/6 + 1/6 = 3/6 = 1/2 → C = 2μF(積÷和 = 3×6/(3+6) = 18/9 = 2μF でも同じ)。正答ア(並列 9μF・直列 2μF)。「コンデンサの直並列は抵抗と逆」のルールを徹底して覚えておくことが大切。直列では容量が小さくなり(電気を蓄えにくくなる)、並列では容量が大きくなる(電気を多く蓄えられる)。
コンデンサの並列・直列合成容量の両方を計算する問題。
【並列接続(電圧が共通・電荷が分配)】
C_並 = C₁ + C₂ = 3 + 6 = 9μF
並列では各コンデンサが同じ電圧を受けて別々に電荷を蓄える。
Q = Q₁ + Q₂ = C₁V + C₂V = (C₁+C₂)V → C_並 = C₁+C₂(足し算)
【直列接続(電荷が共通・電圧が分配)】
1/C_直 = 1/C₁ + 1/C₂ = 1/3 + 1/6 = 2/6 + 1/6 = 3/6 = 1/2
C_直 = 2μF
積÷和の公式(2 コンデンサの場合):
C_直 = C₁×C₂/(C₁+C₂) = 3×6/(3+6) = 18/9 = 2μF(同じ)
直列では 2 つのコンデンサに「同じ電荷 Q」が蓄えられ、電圧が分配される。
V = V₁+V₂ = Q/C₁ + Q/C₂ = Q×(1/C₁+1/C₂) = Q/C_直 → 1/C_直 = 1/C₁+1/C₂
【コンデンサと抵抗の対比(混乱防止)】
| 接続 | 抵抗 R | コンデンサ C |
|---|---|---|
| 直列 | R = R₁+R₂(大きくなる) | 1/C = 1/C₁+1/C₂(小さくなる) |
| 並列 | 1/R = 1/R₁+1/R₂(小さくなる)| C = C₁+C₂(大きくなる) |
【選択肢の確認】
ア:並列 9μF・直列 2μF → 正答
イ:並列 9μF・直列 4.5μF(直列を (C₁+C₂)/2 と計算した誤り)
ウ:並列 4.5μF(並列を算術平均した誤り)
エ:並列と直列を逆に答えた
コンデンサの直列・並列合成は電荷・電圧・エネルギーの分配を理解することで、フィルタ設計・電源回路・高電圧回路の設計に応用できる。
【直列接続における電荷共有の物理的理由】
コンデンサ C₁ と C₂ を直列に接続すると、2 枚の「内側の極板」(C₁ の-側と C₂ の+側)が電気的に孤立した島を形成する。外部電源が +Q の電荷を C₁ の外側極板に与えると、電気的誘導により C₁ の-側板から -Q が引き寄せられ、この -Q が移動した後に C₂ の+側板に +Q が残る。
結果:両コンデンサに「同じ電荷 Q」が蓄えられる(電荷共有)。
V₁ = Q/C₁、V₂ = Q/C₂
V_total = V₁+V₂ = Q(1/C₁+1/C₂) = Q/C_直
∴ 1/C_直 = 1/C₁+1/C₂
【直列時の電圧分配(定格電圧超過に注意)】
直列接続では電圧が容量に反比例して分配される:
V₁ = V_total × C₂/(C₁+C₂)(小さい容量の方に高電圧)
V₂ = V_total × C₁/(C₁+C₂)
本問(3μF と 6μF を直列に 9V で充電):
V₁ = 9 × 6/(3+6) = 9 × 6/9 = 6V(小さい 3μF に高電圧)
V₂ = 9 × 3/(3+6) = 9 × 3/9 = 3V(大きい 6μF に低電圧)
確認:V₁+V₂ = 6+3 = 9V ✓
「容量の小さい方が高電圧になる」点に注意。各コンデンサの定格電圧チェックが必要。
【直列接続の応用:高電圧コンデンサの実現】
低耐圧コンデンサ(例:100V 定格)を直列接続して高電圧回路(例:400V)に使う場合、電圧がコンデンサに均等分配されるよう「等化抵抗(ブリーダー抵抗)」を各コンデンサに並列接続する:
理由:コンデンサの漏れ電流(並列抵抗成分)が微妙に異なるため、静的な電圧分配が不均等になりやすい。等化抵抗で強制的に均等化する。
安全基準:各コンデンサに均等電圧の 70% 以下になるよう設計(例:100V 定格 × 2 直列で 200V 回路に使う場合、各 100V かかるのでちょうど定格)。
【並列接続の応用:大容量実現】
データセンターの UPS(無停電電源装置):大容量コンデンサ(数千 F)が多数並列接続されてバックアップ電力を蓄える。
スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)の直並列:
- 直列:耐圧を上げる(例:2.7V × n 個)
- 並列:容量を上げる(例:100F × m 個)
- 組み合わせ:EV のエネルギー回収システム・再エネの瞬時バッファに使用
【コンデンサのエネルギー(直列と並列でのエネルギー比較)】
同じ電荷 Q を蓄えた場合:
並列(C_並 = 9μF):W_並 = Q²/(2C_並) = Q²/18 μJ(エネルギー小)
直列(C_直 = 2μF):W_直 = Q²/(2C_直) = Q²/4 μJ(エネルギー大)
同じ電荷で比べると直列の方がエネルギーが大きい(高電圧になるから)。
W_直 / W_並 = (Q²/4) / (Q²/18) = 18/4 = 4.5(直列のエネルギーが 4.5 倍)
同じ電圧 V を加えた場合:
並列(C_並 = 9μF):W_並 = C_並V²/2 = 9V²/2 μJ(エネルギー大)
直列(C_直 = 2μF):W_直 = C_直V²/2 = 2V²/2 μJ(エネルギー小)
→ 並列の方がエネルギーが 4.5 倍大きい。
【コンデンサの交流特性(X_C との関係)】
容量性リアクタンス X_C = 1/(ωC):
並列(C_並 = 9μF):X_C_並 = 1/(2πf × 9μF)(並列は容量大 → X_C 小 → 高周波により通りやすい)
直列(C_直 = 2μF):X_C_直 = 1/(2πf × 2μF)(直列は容量小 → X_C 大 → 高周波もやや遮断)
フィルタ設計への応用:コンデンサの並列 or 直列接続で遮断周波数を調整する。
【電験三種への接続】
電験三種「理論」:コンデンサの直列・並列合成(容量と電圧分配)・静電エネルギーの計算・平行板コンデンサの C = εA/d 計算・絶縁耐力が頻出問題。「機械」:コンデンサを含む電力変換回路(DC-DC コンバータ・インバータの平滑コンデンサ)。
第二種電気工事士では「コンデンサの直列・並列は抵抗と逆パターン」を確実に記憶し、計算ミスなく素早く解けることが基礎。並列:C = C₁+C₂(簡単)、直列:積÷和(2 コンデンサのみ)を即座に使えるよう練習する。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。