第二種電工 電気の基礎理論 問71:電気の基礎理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
直線状の電線に電流が下から上に向かって流れているとき、電線の右側に生じる磁界の向きとして正しいものはどれか。
- ア手前から奥正答
- イ奥から手前
- ウ上から下
- エ下から上
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電流が流れる電線の周囲に発生する磁界の向きは「右ネジの法則(右手則)」で判断する。右ネジ(ドライバー)を電流の進む方向に向け、ネジを締める方向(回転方向)が磁界の向き。電流が「下から上」に流れているので、電線を正面から見ると反時計回りに磁界が発生する。電線の右側では「手前から奥」の方向になる(正答ア)。磁界は電線を中心とした同心円を描き、電流方向に右ネジを進めたときの回転方向と一致する。この法則は変圧器コイルの磁界向き判定・電磁石の極性確認など実務でも使われる。
右ネジの法則(アンペアの右手則)による磁界の方向判断問題。
【右ネジの法則(アンペアの右手則)】
直線電流に対して:
「電流の方向に右ネジを進めると、ネジが回る向きが磁界の向き」
または
「右手の親指を電流の方向に向けると、4 本の指が曲がる方向が磁界の向き」
【本問への適用】
電流の方向:下から上(↑)
右手の親指を上に向けると、4 本の指の曲がる方向(手前側から見て):
- 反時計回り
電線の各方向での磁界:
- 右側:手前から奥(→ 奥向き)
- 左側:奥から手前(← 手前向き)
- 手前:上から下(↓ 重力方向)
- 奥:下から上(↑ 電流と同方向)
電線の右側では「手前から奥」(正答ア)
【選択肢の確認】
ア(手前から奥):正答 ✓
イ(奥から手前):左側での磁界の向き(右と左が逆)
ウ(上から下):手前側での磁界の向き
エ(下から上):奥側での磁界の向き(電流と同方向は奥側)
【コイルへの応用(ソレノイド)】
ソレノイドコイルに電流を流すと、各巻き線の磁界が重なり合って直線的な磁束が作られる。
右手則(コイル版):右手の 4 本指をコイル電流の方向に向けると、親指の方向が磁界の方向(N 極側)。
右ネジの法則は電磁気学の最も基本的な規則。ビオ-サバールの法則との接続・コイルの磁極判定・電磁継電器・実務における安全管理まで体系的に整理する。
【右ネジの法則の数学的根拠(ビオ-サバールの法則)】
微小電流素片 (I dl) が距離 r の点に作る微小磁界 dH:
dH = (I dl × r_hat) / (4πr²)(r_hat:電流から観測点への単位ベクトル)
クロス積(× = ベクトル外積)の「右手則」そのもの:
右手の 4 本指を dl の方向から r_hat の方向に回転させたとき、親指の向きが dH の方向
これが「右ネジの法則」の数学的表現。電磁気学の 3 次元空間における向きを正確に定義する道具が「外積(クロス積)」で、右手則はその直感的な解釈。
【コイルの磁極判定(実務)】
電磁石やソレノイドバルブ・電磁リレーのコイルに電流を流したとき、どちらが N 極・S 極かを判定する:
コイル版右手則:
① 右手の 4 本指をコイルに流れる電流の方向(巻き方向に沿って)に向ける
② 親指が指す方向が N 極
または:
③ コイルを正面から見て、電流が「反時計回り」に流れる面が N 極
④ コイルを正面から見て、電流が「時計回り」に流れる面が S 極
実務例:
- 電磁継電器(リレー)のコイルに電流を流してアマチュアを吸引
- 電磁弁(ソレノイドバルブ)のプランジャーをコイルで吸引・開弁
- 直流電動機のブラシと整流子を使った電流方向切り替えでトルク方向を維持
【モーターにおける右ネジ(右手)則と左手則の使い分け】
右手則:「電流 → 磁界の向き」(電磁誘導・磁場計算)
左手則(フレミング左手則):「電流 + 磁界 → 力の向き」(電動機・電磁力)
右手則(発電機:フレミング右手則):「速度 + 磁界 → 誘起電流の向き」(発電機・誘起起電力)
2 つの法則の区別:
①電動機(モーター):外から電流 → 力を発生 → 左手
②発電機(ジェネレータ):外から力 → 電流を発生 → 右手
③磁界の向き確認 → 右手則(親指方向)
【電磁現象の立体的理解(座標系)】
直交座標(x, y, z)での表現:
電流方向:+z(上)
電線の右側方向:+x
磁界方向 = 電流 × 右方向 = z × x = y 方向(奥向き)
(外積:z × x = y、x × y = z、y × z = x [右手直交系])
本問:電流が +z(上向き)、右側(+x 方向)の磁界は +y(奥向き)= 「手前から奥」(正答ア)✓
【電流と磁界の相互作用(アンペア力)の確認】
本問と同じ電流配置(下から上 = +z)で、磁界が右側(+x 方向に +y 磁界)のとき、電流が受ける力(フレミング左手則):
F ∝ I × B(外積)= I_z × B_y = z × y = -x(左側向き)
→ 電流を「引力で引き合う」方向の力(右側に磁界があると電流は左に引かれる)。
これは平行電流間の引力(2 本の平行電線に同方向電流 → 引き合う)の一般的な説明にもなる。
【実務:電線の近くでの安全と電磁場】
電線の周囲磁界(H = I/(2πr))は電流に比例し、距離 r に反比例する。
工事現場での高圧電線(6.6kV・50A)の磁界:
H = 50/(2π×1) = 7.96 A/m(1m 離れ)
B = μ₀H = 4π×10⁻⁷ × 7.96 = 10μT(1m 離れ)
ICNIRP のガイドライン(50Hz・一般公衆):100μT 以下
→ 50A の電線から 1m は安全範囲内(100μT 以下)
ただし電気工事中は電線に直接触れる危険もある。停電確認・検電器での確認・絶縁用保護具着用が必須。
右ネジの法則は磁界の向きを正確に判定する根幹であり、電気工事士として安全確認(感電方向・接地の極性)でも活用できる知識。
【電験三種への接続】
電験三種「理論」:ビオ-サバールの法則・アンペアの法則・磁界の方向(外積を使う問題)が高難度問題として出題される。「機械」:電動機のトルク方向(フレミング左手則)・発電機の起電力方向(フレミング右手則)の数値計算と方向判定。「電力」:三相交流送電線の磁界計算・架空地線の誘導電圧(電磁誘導)。
第二種電気工事士では「右ネジの法則で電流方向から磁界方向を判定」・「フレミング左手則で電磁力の方向を判定」の 2 つを視覚的に素早く判断できることが基礎。手の形を実際に作って確認する習慣を身につけると確実。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。