電気の基礎理論72電気の基礎理論

第二種電工 電気の基礎理論 問72:電気の基礎理論

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12

電圧計と電流計の接続方法に関する記述として、正しいものはどれか。

  • 電圧計は測定対象と直列に、電流計は並列に接続する
  • 電圧計は測定対象と並列に、電流計は直列に接続する正答
  • 電圧計も電流計も測定対象と直列に接続する
  • 電圧計も電流計も測定対象と並列に接続する
正答:電圧計は測定対象と並列に、電流計は直列に接続する

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

電圧計と電流計の接続は「電圧計は並列・電流計は直列」が鉄則(正答イ)。電圧計は 2 点間の電位差を測るので、測定したい箇所に「橋渡し」するように並列接続する。電流計は回路を流れる電流を測るので、回路の中に「割り込む」ように直列に接続する。電圧計の内部抵抗は非常に大きく(MΩ 以上)、電流をほとんど流さないので並列接続しても測定対象に影響しない。電流計の内部抵抗は非常に小さく(mΩ 程度)、電圧降下をほとんど発生しないので直列接続しても測定対象に影響しない。

標準試験対策の基準レベル

電圧計・電流計の接続方法と内部抵抗の要求を整理する問題。

【電圧計(Voltmeter)の接続】

接続方法:測定対象と並列

内部抵抗要件:非常に大きい(∞ が理想)

理由:並列接続すると測定対象から電流が分流する。内部抵抗 R_V が大きいほど分流量が少なく(≒ゼロ)、測定対象の電圧変化が小さい(誤差少)。

内部抵抗の典型値:デジタルマルチメータ 10MΩ 以上

測定範囲拡大:電圧計に直列に「倍率器(分圧抵抗)」を接続してレンジを拡大。

V_max = V_meter × (r + R_mult) / r(r:電圧計内部抵抗、R_mult:倍率器)

【電流計(Ammeter)の接続】

接続方法:測定対象と直列

内部抵抗要件:非常に小さい(0 が理想)

理由:直列接続すると測定対象の電流経路に電圧降下が追加される。内部抵抗 R_A が小さいほど電圧降下が少なく(≒0V)、回路の電流変化が小さい(誤差少)。

内部抵抗の典型値:ミリアンメータ 数 Ω〜数十Ω、クランプメータ 0.01〜0.1Ω

測定範囲拡大:電流計に並列に「分流器(シャント抵抗)」を接続してレンジを拡大。

I_max = I_meter × (r + R_shunt) / R_shunt

【誤答の影響】

アのように「電圧計を直列」にすると:大きな内部抵抗が回路の直列抵抗になる → 電流がほとんど流れなくなる(回路が遮断に近い状態)。

「電流計を並列」にすると:小さい内部抵抗が並列になる → 短絡に近い状態 → 大電流が流れて電流計と測定対象が壊れる危険。

上級誤答論破・根拠規定・実務応用まで深掘り

電圧計・電流計の接続方法は測定理論の基礎。測定誤差・倍率器/分流器の設計・クランプメータの原理・電力計の接続方法まで体系的に整理する。

【測定誤差の定量的評価】

① 電圧計の測定誤差(並列接続時)

電圧計(内部抵抗 R_V)を抵抗 R の両端に並列接続すると、等価的に「R と R_V の並列合成抵抗」が測定対象になる:

R_eq = R × R_V / (R + R_V)

電圧測定値 V_meas = E × R_eq / (R_source + R_eq)(R_source:電源内部抵抗)

誤差率 = (V_true - V_meas) / V_true ≒ R / (R + R_V)(R_V >> R なら無視できる)

例:R = 10kΩ の抵抗、R_V = 10MΩ の電圧計

誤差率 ≒ 10k/(10k+10M) = 10k/10010k ≒ 0.1%(十分小さい)

R = 10MΩ の抵抗、R_V = 10MΩ の電圧計

誤差率 ≒ 10M/(10M+10M) = 50%(測定できない!)

→ 測定対象の抵抗が電圧計の内部抵抗に比べて小さくないと、大きな誤差が生じる。

② 電流計の測定誤差(直列接続時)

電流計(内部抵抗 R_A)を回路の直列に接続すると:

I_meas = E / (R + R_A)(本来の電流 I_true = E/R)

誤差率 = (I_true - I_meas) / I_true ≒ R_A / (R + R_A) ≒ R_A/R(R_A << R なら小さい)

例:R = 1Ω の負荷、R_A = 0.01Ω の電流計

誤差率 ≒ 0.01/1 = 1%(実用上許容内)

【倍率器(Multiplier)の設計】

電圧計の測定レンジを m 倍に拡大するには直列抵抗 R_mult:

m = (r + R_mult) / r → R_mult = r(m-1)

例:内部抵抗 r = 1kΩ・フルスケール 1V の電圧計を 100V レンジに拡大:

m = 100/1 = 100 → R_mult = 1k × (100-1) = 99kΩ

100V を加えると:電圧計部分 V_meter = 100 × 1k/(1k+99k) = 1V(フルスケール)

【分流器(Shunt)の設計】

電流計の測定レンジを n 倍に拡大するには並列抵抗 R_shunt:

n = 1 + r/R_shunt → R_shunt = r/(n-1)

例:内部抵抗 r = 1Ω・フルスケール 1A の電流計を 10A レンジに拡大:

n = 10 → R_shunt = 1/(10-1) = 1/9 ≒ 0.111Ω

10A が流れると:電流計部分 I_meter = 10 × 0.111/(1+0.111) = 10 × 0.1 = 1A(フルスケール)

分流器の材質:温度係数が小さいマンガニン(銅-マンガン-ニッケル合金)を使用(温度変化による抵抗変化が少ない)。

【クランプメータの原理と特徴】

クランプ電流計は電線を挟むだけで電流を測定(回路を切断する必要がない):

原理:変流器(CT)の原理を応用。電線(1 次側 N₁ ≒ 1 回)を変流器鉄心に通し、クランプ内の多巻きコイル(2 次側 N₂)に電流を誘起させる。

変流比:I₁/I₂ = N₂/N₁(例:N₂ = 100 なら測定電流 100 倍の感度)

特徴:

①交流電流のみ測定(従来型)→ 現在は真の実効値(True-RMS)クランプメータが主流

②非接触・安全(感電リスクなし)→ 活線作業での使用に適する

③DC クランプメータ(ホール素子型):直流電流も測定可能

④漏れ電流クランプ(零相クランプ):3 本の電線を一緒に挟んで漏れ電流を測定(通常時は KCL で合計≈0)

【電力計(ワットメータ)の接続】

電力計は「電圧コイル(高内部抵抗)+ 電流コイル(低内部抵抗)」の 2 コイルを持ち:

電流コイル:回路に直列接続(電流を検出)

電圧コイル:測定点に並列接続(電圧を検出)

指示値 = 電流 × 電圧 × cosφ(有効電力)

2 電力計法(三相電力測定):kiso_56 参照。

電流コイルの接続位置(電圧コイルの前か後か)で誤差の性質が異なるため、高精度測定では補正が必要(電力計法)。

【電験三種への接続】

電験三種「理論」:電圧計・電流計の内部抵抗による測定誤差計算・倍率器/分流器の設計・電力計の接続方法が出題。「法規」:電気設備の定期点検での計測器使用基準(電気設備技術基準・内線規程)。

第二種電気工事士では「電圧計は並列・電流計は直列」の接続方法と「電圧計は高内部抵抗・電流計は低内部抵抗」の理由を確実に覚えることが基礎。クランプメータの原理(変流器)と使い方も実技試験・実務で重要な知識。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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