問題
図に示す交流回路において,回路電流Iの値が最も小さくなるIR,IL,ICの値の組合せとして,正しいものは。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
図の回路は、交流電源に抵抗・コイル・コンデンサの3つが並列につながったものです。コイルの電流ILとコンデンサの電流ICは向きが正反対なので、互いに打ち消し合います。打ち消し合いが完全になる(IL=IC)と、回路電流Iは抵抗の電流IRだけになり、最も小さくなります。選択肢でIL=ICなのはエ(IL=10A、IC=10A)だけで、このときI=IR=8Aです。正答はエです。
RLC並列回路の回路電流は、次の式で求めます。
I=√(IR²+(IL-IC)²)
IRはどの選択肢も8Aなので、(IL-IC)の大きさが小さいほどIは小さくなります。
ア:IL-IC=9-3=6A → I=√(64+36)=10A
イ:IL-IC=2-8=-6A → I=√(64+36)=10A
ウ:IL-IC=10-2=8A → I=√(64+64)≒11.3A
エ:IL-IC=10-10=0A → I=√64=8A
最も小さいのはエの8Aです。ILやICの値そのものが大きくても、差が0になれば回路電流は最小になります。正答はエです。
本問は、RLC並列回路の電流のベクトル合成と、並列共振の考え方を問う問題です。
【位相の関係】電源電圧を基準にすると、IRは同相、ILは90°遅れ、ICは90°進みです。ILとICは180°向きが違うため、差(IL-IC)だけが無効分の電流として残ります。回路電流は有効分IRと無効分(IL-IC)の直角三角形の斜辺です。
【並列共振】IL=IC になる状態を並列共振といいます。このとき無効分が0になり、回路電流はIRと等しく最小、力率は1になります。コイルとコンデンサの間では10Aの電流が行き来していますが、電源からは見えません。本問のエでは、回路電流8Aに対して枝の中に10Aが流れており、「枝の電流の方が回路電流より大きい」という並列共振の特徴が表れています。
【各選択肢の力率】力率=IR÷I で、ア・イは8÷10=0.8(アは遅れ、イは進み)、ウは8÷11.3≒0.71(遅れ)、エは1.0です。アとイは回路電流が同じでも、遅れか進みかが逆です。
【実務とのつながり】需要家の力率改善は、誘導性の負荷(電動機など)の遅れ電流を、並列に入れた進相コンデンサの進み電流で打ち消すものです。本問のエの状態に近づけるほど受電電流が減り、配電線の電力損失や電圧降下が小さくなります。ただし軽負荷時にコンデンサが過剰になると進み力率になる(イのような状態)ため、実際には容量を調整します。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和3年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問4(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


