管業 民法・区分所有法 問2:民法総則
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
マンション管理組合の理事長Aが、組合員Bに対して「管理費の減額を承認した」という書面を送付した。ところが実際にはAに当該承認権限はなく、AはBに無断で単独の判断でこれを行っていた。この場合の効力に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- アAの行為は権限外であるため、当然に無効であり、管理組合が追認しても有効にはなれない。
- イBが善意無過失であれば、Aには代理権があったとみなされ、管理組合は当然に責任を負う。
- ウ管理組合がAの行為を追認した場合、その効果は追認の時点から将来に向かってのみ生じる。
- エ管理組合が追認しない場合、BはAに対して履行または損害賠償を請求することができる。正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインも明記。
「無権代理」とは、代理権を持っていない人が他人(本人)のために法律行為を行うことです。この場合、本人(管理組合)が「追認(後から認めること)」すれば有効になり、拒否すれば無効になります。無権代理人(A)に対しては、相手方(B)が善意無過失であれば、履行か損害賠償を請求できます(民法117条)。本問ではAが権限なく承認書を送っており、管理組合が追認しない限りBへの効力は生じません。しかしBはAへの請求が可能です。よって正答はエです。
無権代理とは、代理権なく本人の名で行為した場合をいいます(民法113条)。無権代理行為は、本人が追認すれば有効(行為時に遡及)となり、追認拒絶で確定的無効になります。追認の効果は契約時に遡及するのが原則です(同116条)。追認も拒絶もしない場合、相手方は本人へ催告し、確答なければ拒絶とみなされます。相手方保護として、無権代理人は善意無過失の相手方に対し、履行または損害賠償責任を負います(117条1項)。アは「追認しても有効にはなれない」が誤り(追認で有効になる)。イは「表見代理(110条)」の要件(代理権ありと信じる合理的理由)を示さず当然に責任を負う、としており誤り。ウは追認の効果が行為時遡及が原則であり「将来に向かってのみ」は誤り。エが正確に117条を反映しています。
無権代理の法律構造は民法113条〜118条に体系化されています。113条1項は「代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない」と定め、追認を効力発生条件とします。116条は追認の遡及効を定め(「ただし第三者の権利を害することはできない」との制約付き)、善意の第三者保護との調整を図ります。本問の追認の効果は「原則として契約時に遡及」であり、選択肢ウの「将来向かってのみ」は誤りです。無権代理人の責任(117条)は代理権の存在を信じた善意無過失の相手方を保護する趣旨で、代理人が自己に代理権なき事実を知っていた場合(悪意)も責任を免れません(117条1項。ただし相手方が悪意または有過失なら免責)。なお表見代理(110条・109条・112条)は本人が外観形成に関与した場合に相手方を保護する制度であり、本問のような完全無授権かつ外観作出がない場面とは区別されます。管理組合実務では、理事長・理事の権限逸脱行為が問題化することがあり、規約で「重要な行為は理事会決議を要する」と定めておくことが紛争防止に重要です。また無権代理人への責任追及は形成権ではなく債権的請求であり、消滅時効(5年・167条)が適用される点も実務上確認が必要です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。