民法・区分所有法5民法総則

管業 民法・区分所有法 問5:民法総則

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

マンション区分所有者Aは、認知症により家庭裁判所から後見開始の審判を受けており、成年後見人BがAの財産管理を行っている。Aが成年後見人Bの同意なく、自己が所有する専有部分を第三者Cに売却する契約を締結した場合の効力について、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • Aの行為は無権代理に準じて扱われ、Bが追認しない限り当然無効である。
  • 成年被後見人Aが行った法律行為は、日用品の購入など日常生活に関するものを除き、Bまたはおよそ誰でも取り消すことができる。
  • AがCに対して「後見を受けていない」と積極的に告げた場合、詐術を用いたこととなり取消権が制限される場合がある。正答
  • Aの締結した売買契約は、成年後見人Bが追認しない限り、確定的に無効である。
正答:AがCに対して「後見を受けていない」と積極的に告げた場合、詐術を用いたこととなり取消権が制限される場合がある。

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成年被後見人(認知症などで後見開始審判を受けた人)が行った法律行為は、原則として取り消すことができます(民法9条)。「無効」ではなく「取消可能」という点が大切です。取り消せる人は後見人や本人などに限られています。ただし、本人が嘘をついて「私は正常ですよ」などと相手を積極的に騙した場合(詐術)は、取消権が制限されることがあります(21条)。本問のウがこの詐術による制限を正確に示しており、正答はウです。

標準試験対策の基準レベル

民法9条は「成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる」と定め、日用品購入など日常生活に関する行為は取消対象外とする例外を設けています。専有部分の売却は日常行為ではないため取消対象となります。アは「無権代理に準じる」が誤りで、制限行為能力者制度と代理制度は独立した別の制度です。イは「誰でも取り消すことができる」が誤りで、取り消せる者は本人・成年後見人など一定の者(120条)に限定されています。エは「確定的に無効」が誤りで、制限行為能力者の行為は取消可能であり、追認によって確定的有効となります(122条)。ウの詐術による取消権制限(21条)は「相手方に対し詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない」と定める重要な例外規定であり、正答はウです。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

成年後見制度は2000年に整備された制度で、民法7条〜18条が根拠規定です。後見(9条)・保佐(13条)・補助(17条)の三類型があり、判断能力の程度により使い分けられます。成年被後見人の行為能力制限(9条)は取消可能としており、無効でない点が重要です。取消権者は120条1項により「制限行為能力者本人、その代理人、承継人」が含まれ、後見人も法定代理人として取消権を有します。追認による確定的有効化(122条)も可能で、この点でエの「確定的に無効」は明確な誤りです。詐術による取消権制限(21条)については、判例が「積極的欺罔行為が必要で単なる沈黙は足りない」とする立場を取っており、「後見を受けていない」と積極的に告げた本問の事案は詐術の典型例に該当しうります。一方、能力者であると黙示するだけでは詐術に当たらないとされています。マンション管理実務では、区分所有者が認知症等を発症した場合の専有部分売却・管理費未払い・総会議決権行使といった場面で成年後見制度の理解が不可欠です。管理組合が後見開始を知った場合、意思確認先を後見人に切り替えるとともに、未払い管理費については先取特権(区分所有法7条)の行使も視野に入れた対応が求められます。なお成年被後見人には後見人の同意権は観念されず(同意があっても本人が同意どおり行為できるとは限らないため取消しの対象となる)、保佐・補助のように同意権付与で行為を有効化する仕組みとは異なる点も正確に理解しておく必要があります。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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