管業 民法・区分所有法 問3:民法総則
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
マンション管理組合の元理事長Cは、任期満了後も「理事長」の肩書きで管理会社との間に清掃業務の契約を締結した。管理組合はCに対して退任後の代理権を授与していなかった。この場合について、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア管理組合がCに理事長としての肩書きを使用させ続けていた等の事情があれば、表見代理として管理組合に効果が帰属する場合がある。正答
- イCの代理権は既に消滅しているため、管理会社が善意無過失であっても、管理組合は当該契約の責任を負わない。
- ウ表見代理が成立するためには、管理組合が積極的に「Cに代理権がある」と管理会社に通知していたことが必要である。
- エ代理権消滅後の表見代理は認められないため、管理会社は管理組合にも元理事長にも責任を追及できない。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインも明記。
「表見代理(ひょうけんだいり)」とは、実際には代理権がないのに、外から見ると代理権があるように見える状況で、善意の第三者を守る制度です。代理権が消滅した後も本人(管理組合)が元代理人(C)に肩書を使わせ続けていた場合など、本人に「外観を作り出した責任」がある場面で成立します(民法112条)。本問ではCが元理事長の肩書を継続使用しており、管理組合に外観の帰責性があれば、管理会社(善意無過失)を保護するため表見代理が成立しえます。よって正答はアです。
代理権消滅後の表見代理は民法112条が規定しています。同条1項は「他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う」と定めます。ただし第三者が過失によって知らなかった場合は本人は責任を負わないとされます(同項ただし書)。イは「善意無過失であっても責任を負わない」として112条の適用を否定しており誤りです。ウは「積極的通知が必要」としていますが、肩書継続使用など外観形成への関与があれば足り、積極的通知は不要です。エは「代理権消滅後の表見代理は認められない」と断言しており、112条の規定に正面から反します。アが112条を正確に反映した記述です。
表見代理は、代理権ありと信じた相手方の信頼を保護する制度として民法に三類型が整備されています。第一に109条(代理権授与表示の表見代理)、第二に110条(権限外行為の表見代理)、第三に112条(代理権消滅後の表見代理)です。本問は112条の典型例であり、退任後も元理事長肩書を使用させた管理組合側に外観形成の帰責性が認められる点が要件充足の核心です。2017年改正(2020年施行)で112条2項が追加され、権限外行為の表見代理(110条)との複合型が明文化されました。すなわち「代理権消滅後に元代理人が代理権の範囲外の行為をした場合でも、代理権が消滅していなければ110条の表見代理が成立すべき場合は、本人は善意無過失の第三者に責任を負う」とされています(112条2項)。実務上は管理組合の役員交代時に代理権消滅を明確にする通知・公告を徹底することが重要で、マンション管理適正化法の観点からも管理会社への変更通知義務が問題になります。また相手方が悪意または有過失であれば本人は免責されるため、管理会社側も相手方の権限確認義務を怠った場合はリスクを負います。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。