マンション管理士(マン管)と管理業務主任者(管業)を両方受けるときの制度を、試験実施機関の公表情報で整理。相手の試験に合格していると適正化法関係の5問が免除される仕組み、出題範囲の重なり、令和8年度の試験日(マン管11月29日・管業12月6日)、同年に受けるときの注意点、受験順序の考え方を解説します。
結論:マン管と管業は、相手の試験に合格していると適正化法に関する5問が免除されます。令和8年度の試験日はマン管が11月29日、管業が12月6日で、合格発表が両方の試験日より後なので、同じ年のうちに免除を使うことはできません。
マンション管理士(マン管)と管理業務主任者(管業)を両方受けるときに知っておきたい制度を、試験を実施する機関の公表情報で整理します。出題範囲の重なり、5問免除の仕組み、令和8年度の日程、受験順序の考え方までを順に説明します。
1. マン管と管業の違い
マンション管理士は管理組合の側に立って相談・助言を行う名称独占の資格(マンション管理適正化法43条)で、設置義務はありません。管理業務主任者は管理会社の側の資格で、事務所ごとに管理組合30につき1人以上の専任の設置義務があり(56条・施行規則61条)、重要事項の説明・書面への記名・管理事務の報告はこの資格者が行います(72条・73条・77条)。試験科目・合格率・登録要件の比較はマンション管理士と管理業務主任者の違いにまとめています。
2. 出題範囲の重なり
マン管の受験案内(令和8年度)では、出題の内容が次の4つに分けて示されています。
- マンションの管理に関する法令及び実務:建物の区分所有等に関する法律、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、マンションの再生等の円滑化に関する法律、民法(取引、契約等マンション管理に関するもの)、不動産登記法、マンション標準管理規約、マンション標準管理委託契約書、そのほかの関係法律(建築基準法・都市計画法・消防法など)
- 管理組合の運営の円滑化:集会の運営、役員・理事会の役割、苦情対応、訴訟と判例、管理組合の会計
- マンションの建物及び附属施設の構造及び設備:構造・設備、長期修繕計画、建物・設備の診断、大規模修繕
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律:適正化法、基本的な方針
管業の出題範囲は、マンション管理業協会の試験Q&Aによると、適正化法施行規則第64条で規定されている範囲から出題されます。マン管と同じく、区分所有法・民法・適正化法・建物の構造と設備・管理組合の会計といったマンション管理の分野を扱うため、共通して学べる部分があります。どの程度重なるかは年度の出題で変わるため、本記事では割合の数字は示しません。
3. 5問免除制度の詳細
マン管試験での免除(管業の合格者)
マン管試験の一部免除:管理業務主任者試験に合格し、受験申込時に合格証書の「合格番号」を記入・入力した人は、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること」の分野が免除され、50問が45問になる。試験時間は13時10分〜15時00分(110分)。番号の記載がないと免除の対象にならない。最終確認日:2026-10-06。出典:公益財団法人マンション管理センター 令和8年度マンション管理士試験 受験案内。
管業試験での免除(マン管の合格者)
管業試験の一部免除:マンション管理士試験の合格者は、申込時の申請により管理業務主任者試験の一部免除を受けられる。「マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること」5問が免除され、全45問・午後1時10分から午後3時まで。申込手続の詳細は、受験する年の受験申込案内書で確認する。最終確認日:2026-10-06。出典:一般社団法人マンション管理業協会 管理業務主任者試験 試験Q&A。
免除者向けの合格率は、本記事では数字を出しません。
4. 受験の順序と日程
令和8年度の試験日
令和8年度の試験日と合格発表:マンション管理士試験は令和8年11月29日(日)、合格発表 令和9年1月8日。管理業務主任者試験は令和8年12月6日(日)13時〜15時、合格発表 令和9年1月15日。最終確認日:2026-10-06。出典:マンション管理センター 受験案内・マンション管理業協会 実施要領。
同じ年に両方を受ける場合
受験資格に制限はないため、同じ年に両方を申し込めます(マン管の受験案内は「年齢、学歴等に関係なく、どなたでも受験できます」としています)。令和8年度は、マン管の1週間後が管業の試験日です。
ただし、合格発表は両方とも試験日より後のため、同じ年のうちに免除を使うことはできません。先に受けた試験の結果を使った5問免除は、翌年以降の試験から使えます。
年をまたいで受ける場合
先に合格した試験の合格番号(または申請)で、後の試験の適正化法関係5問が免除されます。どちらを先にするかは制度上の決まりがなく、学習できる期間や、先に固めたい分野で選ぶことになります。
5. 学習の進め方
出題範囲に共通部分があるため、重なる分野(区分所有法・民法・標準管理規約・適正化法・建物の構造と設備・管理組合の会計)は、両方の試験を意識してまとめて学べます。そのうえで、受験する試験ごとに次の点を確認します。
- マン管:マンションの再生等の円滑化に関する法律・被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法が、受験案内の出題の内容に挙がっている
- 管業:出題範囲は適正化法施行規則第64条で規定されている範囲。標準管理委託契約書や管理事務の報告など、管理業者の側の分野を確認する
- 区分所有法は、令和8年の受験案内で出題に係る法令等が令和8年4月1日施行のものとされているため、改正後の規定で学ぶ(決議要件などは区分所有法の攻略記事で整理)
6. 両方を持つ意味(制度面)
- マン管:独占業務はなく名称独占(マンション管理士でない者はその名称を使えない・適正化法43条)
- 管業:マンション管理業者の事務所ごとに設置が義務づけられる資格で、重要事項の説明・書面への記名・管理事務の報告を行う(適正化法56条・72条・73条・77条)
管理組合の側の資格と管理業者の側の資格の両方を学ぶことで、マンション管理を両方の立場から理解しやすくなります。マン管の独占業務の有無は、マンション管理士の独占業務の有無と使われる場面の記事で確認できます。
7. 問題演習のすすめ
合格ナビは両資格の対策セットを提供しています。
- マン管 科目別問題集
- 管業 科目別問題集
- 管理業務主任者の設置義務(30組合に1名)の問題:両資格に関わる適正化法の論点の確認
- 各問に3段階の解説(初級・標準・上級)と根拠条文付き
著作権・正確性の方針:本サイトは公益財団法人 マンション管理センター・一般社団法人 マンション管理業協会と一切関係ありません。掲載問題は両団体が公表した問題の転載ではなく、出題範囲を参照した合格ナビ独自の自作問題です。
よくある質問
Qマン管と管業は両方受ける意味がありますか?
2つの試験は出題範囲が重なっています。マン管の受験案内には区分所有法・民法・標準管理規約・標準管理委託契約書・管理組合の会計・建物の構造と設備・適正化法などが並び、管業も同じマンション管理の分野を問います。さらに、相手の試験に合格していると、適正化法に関する5問が免除されます(マン管側はマンション管理センター、管業側はマンション管理業協会の公表)。両方を受ける人にとって、制度上の負担が軽くなる仕組みです。
Q5問免除制度の具体的な仕組みは?
マン管試験では、管理業務主任者試験に合格し、受験申込時に合格証書の「合格番号」を記入・入力した人が一部免除を受けられます。免除されるのは「マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること」の分野で、50問が45問になり、試験時間は13時10分〜15時00分(110分)です(令和8年度。出典:マンション管理センター 受験案内)。反対に、管業試験ではマン管試験の合格者が申込時の申請により、同じ分野の5問が免除され、全45問・午後1時10分〜午後3時になります(出典:マンション管理業協会 試験Q&A)。
Qマン管と管業はどちらを先に受けるべきですか?
制度上、どちらを先に受けても構いません。免除は「先に合格した試験の合格番号(または申請)」で使うため、先に合格した側が後の試験で5問免除を受けられます。どちらが向くかは、学習に使える期間と、どの試験で扱う内容を先に固めたいかによります。試験の内容と登録要件の違いは、別記事「マンション管理士と管理業務主任者の違い」で整理しています。
Q同じ年にマン管と管業の両方を受けられますか?
受験資格に制限はなく、同じ年に両方を申し込むこともできます。令和8年度の試験日はマン管が11月29日(日)、管業が12月6日(日)で1週間空きます。ただし、合格発表はマン管が令和9年1月8日、管業が令和9年1月15日で、どちらも両方の試験日より後です。そのため、同じ年のうちに、先に受ける試験の合格による5問免除を後の試験で使うことはできません。
Qマン管と管業では、受験手数料や合格率は同じですか?
同じではありません。令和8年度の受験手数料はマン管が9,400円(非課税)、管業が8,900円(非課税。Web申込は別に事務手数料297円)です。令和7年度の合格率は、マン管が11.0%、管業が19.6%でした。数値は年度ごとに変わるため、申込前に最新の受験案内で確認してください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

