マン管 建築・設備 問3:建築構造
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンションの地震対策として採用される耐震・免震・制震の各構造形式に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ア免震構造は建物と地盤の間に免震装置(積層ゴム・ダンパー等)を設置することで地震の揺れを建物に直接伝えにくくし、上部構造の変形を抑える。正答
- イ制震構造は建物全体を地盤から絶縁するため、建物内部の加速度(応答加速度)を最も低減できる構造形式である。
- ウ耐震構造は部材の粘り強さ(靭性)でエネルギーを吸収するため、大地震後に損傷が生じにくく補修不要のケースが多い。
- エ免震装置に使用される積層ゴムアイソレータは、水平方向には硬く鉛直方向には柔らかい特性を持ち、地震力を遮断する。
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免震・制震・耐震の三つは似ていますが仕組みが異なります。免震は建物の底に「積層ゴム」などの装置を置いて、地震の揺れが直接建物に伝わらないようにします。アの説明がこれにあたり、正答はアです。制震は建物の中にダンパーを入れて揺れを吸収する方法で、地面から「絶縁」するものではありません(イは免震の説明なので誤り)。耐震構造は柱や梁を頑丈にして地震に耐える方法ですが、大地震後には損傷が残る場合があります(ウが誤り)。
免震構造はアが正しい記述です。建物基礎と地盤の間に免震層を設け、積層ゴムアイソレータ(水平柔・鉛直剛)と鉛ダンパー・鋼棒ダンパー・オイルダンパーを組み合わせることで、地盤から伝わる水平力を大幅に低減します。上部構造は相対的にゆっくり動き、応答加速度を1/3〜1/5程度に低減できます。イは「建物全体を地盤から絶縁」するのは免震の説明であり、制震は建物内部にダンパーや制震壁を組み込んでエネルギーを吸収する構造形式なので誤りです。ウの耐震構造は柱・梁・耐震壁の剛性・靭性を高めて地震力に抵抗しますが、大地震では部材が降伏・損傷することで地震エネルギーを吸収するため、大規模地震後の損傷・補修は避けられないことが多く誤りです。エの積層ゴムアイソレータは水平方向に柔らかく(水平剛性が低い)、鉛直方向には硬い(高剛性)特性を持ちます(水平と鉛直の説明が逆で誤り)。
免震・制震・耐震の三方式はマン管試験の頻出論点であり、管理組合の維持保全コストにも直結します。免震構造は建築基準法上「限界耐力計算」等の高度な構造計算が必要で、設計・施工コストは高いものの地震後の損傷が少なく修繕コストの低減が期待されます。積層ゴムアイソレータは天然ゴムと鋼板を交互に積層した部材で、鉛直方向は鋼板が剛性を担保(上部構造の重量を支持)し、水平方向はゴムの柔軟性が建物の固有周期を長周期化(一般的に3〜5秒程度)して入力地震力を低減します。ただし長周期地震動(南海トラフ等の巨大地震)では免震構造でも大きな揺れが生じる可能性があり、2016年以降の建築基準法告示改正で長周期地震動に対する検討が強化されています。制震構造は鋼材ダンパー・粘性ダンパー・粘弾性ダンパー等を組み込み、建物が変形する際のエネルギーを熱に変換して吸収します。既存マンションへの制震補強は比較的適用しやすく、耐震改修と組み合わせて採用されるケースが増えています。耐震構造は最も一般的な方式で、耐震壁の増設・柱の靭性補強(鋼板巻き立て・炭素繊維巻き立て)が代表的な耐震改修工法です。管理組合は免震装置の定期点検(積層ゴムの経年劣化・ダンパーの機能確認・クリアランス(可動隙間)の維持管理)を怠らないことが求められます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。