マン管 民法・区分所有法 問3:民法総則
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンションの駐車場・専用庭等に関連した時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- ア管理費債権の消滅時効は、権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年のいずれか早い方の経過により完成する。
- イ管理組合が区分所有者に対して保有する滞納管理費の請求権は、時効の完成猶予・更新の手続きを取らない限り、法定の期間の経過により消滅する。
- ウ不動産の取得時効が完成した場合、時効を援用した者は、登記なくして第三者に対抗することができる。正答
- エ取得時効の完成後、時効援用前に当該不動産を取得した者(時効完成後の第三者)には、時効取得者は登記なくして対抗することができない。
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2020年改正民法では、消滅時効の原則が「主観的起算点(知った時)から5年」または「客観的起算点(行使できる時)から10年」のどちらか早い方に変わりました。取得時効が完成しても、その後に第三者が現れた場合、時効取得者は登記なしには対抗できません(判例)。ウは「登記なくして第三者に対抗できる」と言っており、これが誤りです。正答はウです。
2020年4月1日施行の改正民法166条1項は、消滅時効の起算点を①主観的起算点(権利を行使できることを知った時)から5年、②客観的起算点(権利を行使できる時)から10年と定め、いずれか早い方で完成するとしました。管理費請求権は確定的に発生し、区分所有者が認識しているため、①と②はほぼ同時期となります。アは正しい。イも正しく、時効は援用(民法145条)がなければ効果が生じないため、管理組合は催告・訴訟提起等(民法150条・147条)により完成猶予・更新を図る必要があります。ウが誤り。最高裁判例(最判昭和33年8月28日)は、時効完成後に第三者が現れた場合の対抗関係は「対抗問題(登記の先後)」で処理すると判示しており、時効取得者は登記なくして時効完成後の第三者に対抗できません。エは判例の正確な内容であり正しい記述です。
時効制度はマン管試験で管理費滞納・敷地権などと絡めて出題されます。改正民法(2020年4月1日施行)の重要変更点は消滅時効の主観的起算点の導入です。旧法では「権利を行使できる時」から一律10年(債権)でしたが、改正後は知・不知によって5年または10年と二本立てになりました(民法166条1項)。管理費債権は毎月の発生日が確定しているため①②ほぼ同時起算で実務上は「5年」が機能します。取得時効については、改正民法が旧法の規律を大きく変えず維持しています。善意・無過失で10年(民法162条2項)、善意・有過失または悪意で20年(同1項)の占有継続で完成します。判例(最判昭和33年8月28日)は、時効完成後に原所有者が第三者に譲渡した場合を「二重譲渡類似の対抗関係」と構成し、登記の先後で決するとしています。したがって時効取得者は速やかに登記を備えなければ対抗関係で敗れます。一方、時効完成前から権利を有していた者(時効完成前の第三者)については、時効取得者は登記なくして対抗できます(最判昭和41年11月22日)。マンション実務で問題となるのは①滞納管理費の消滅時効管理(5年以内に法的措置・承認・一部弁済で更新を図る)、②専用庭・駐車場の長期占有による取得時効リスク(規約による専用使用権設定との関係)です。なお時効の完成猶予(旧・中断)と更新(旧・停止)の整理も改正民法の重要点で、催告による完成猶予は6ヶ月(民法150条)、裁判上の請求・強制執行等による完成猶予は手続終了まで(147条1項)、確定判決等による更新は新たに時効が進行(147条2項)という構造です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。