社労士 労働保険料徴収法 問21:労働保険料徴収法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
労働保険料徴収法における印紙保険料の追徴金に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア印紙保険料は、日雇労働被保険者を使用する事業主が、日雇労働被保険者に賃金を支払う都度、雇用保険印紙を日雇労働被保険者手帳に貼付することにより納付するものであるが、事業主が印紙を貼付しなかった場合でも追徴金は課されない。
- イ印紙保険料の追徴金の額は、不正に印紙保険料を免れた場合に課されるものであり、その額は免れた印紙保険料の額の25%相当額である。正答
- ウ印紙保険料の追徴金の消滅時効期間は5年であり、通常の労働保険料の時効(2年)とは異なる期間が適用される。
- エ事業主が日雇労働被保険者手帳への雇用保険印紙の貼付に代えて、現金で印紙保険料を納付することは、いかなる場合も認められない。
- オ印紙保険料の額は、日雇労働被保険者に支払った賃金の日額に応じた3段階の等級に区分されており、賃金日額が高いほど高い等級の印紙保険料が適用される。
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正答はイです。
事業主が雇用保険印紙の貼付を行うべき日に日雇労働被保険者手帳に貼付せず、または偽りその他不正の行為により印紙保険料の納付を免れた場合、政府は免れた額の25%に相当する金額を追徴金として徴収することができます(徴収法第25条)。イはこれを正確に述べており正しいです。
アは誤りで、事業主が印紙を貼付しなかった場合は追徴金が課される可能性があります(不正に免れた場合)。ウは誤りで、印紙保険料の追徴金の消滅時効は通常の保険料と同じ2年(または5年)が適用されます。エは誤りで、一定の場合には現金による納付も認められています(政府の承認がある場合等)。オの内容(3段階等級・賃金日額に応じた区分)は基本的に正しい記述ですが、正答はイです。
印紙保険料の仕組み(徴収法第22条〜第26条):
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 日雇労働被保険者を使用する事業主 |
| 納付方法 | 賃金支払い都度、雇用保険印紙を日雇労働被保険者手帳に貼付・消印 |
| 印紙の等級 | 賃金日額に応じた3段階(第1級・第2級・第3級) |
| 追徴金 | 不正に免れた印紙保険料の25% |
| 取扱い禁止 | 貼付した印紙の使い回し・剥離・再利用は禁止 |
追徴金の発生条件(徴収法第25条):
- 事業主が印紙を貼付すべき日に貼付しなかった場合
- 偽りその他不正の行為により印紙保険料の納付を免れた場合
上記に該当する場合、政府は不足額(免れた額)の25%相当の追徴金を徴収できます。
各選択肢の精査:
| 選択肢 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| ア | 誤 | 印紙未貼付は追徴金の対象となる。「追徴金は課されない」は誤り |
| イ | 正(正答) | 追徴金額は不正免脱額の25%を正確に記述 |
| ウ | 誤 | 印紙保険料の追徴金の時効は2年(通常保険料と同じ)。「5年・通常の2年とは異なる」は誤り |
| エ | 誤 | 政府が承認した場合(印紙の購入が困難な場合等)は現金納付も認められる場合がある |
| オ | 正(ただし正答はイ) | 3段階等級・賃金日額対応は正しい記述 |
印紙等級(第1〜3級)の概要:
第1級(賃金日額高い方)・第2級(中間)・第3級(賃金日額低い方)の3段階で、賃金日額が高いほど高い等級の印紙が必要。等級ごとの印紙価格(保険料相当額)は毎年改定される。
【印紙保険料制度の歴史的背景:日雇労働者保護の特殊制度】
印紙保険料は、日雇労働者(日々または短期間の雇用契約で働く労働者)に対する雇用保険の適用を実現するために設けられた特殊な納付制度です。通常の雇用保険被保険者(一般被保険者・高年齢被保険者等)は事業主が毎月の給与から保険料を控除して申告・納付しますが、日雇労働者は「今日A社で働き、明日はB社」という流動的な就労形態のため、月次給与からの控除・申告が馴染みません。そこで「賃金を受け取る都度、その場で印紙を手帳に貼り付けて保険料を実質的に納付する」という「スタンプカード型」の制度が採用されています。
【日雇労働被保険者手帳:失業給付受給の証明ツールとしての機能】
日雇労働被保険者手帳は単なる保険料納付の記録ではなく、「日雇労働求職者給付金(失業給付)の受給資格を判定するための証明書」としても機能します。日雇労働求職者給付金は「直前2か月間に26日分以上の印紙が貼付されている」場合に受給資格が認められます。日雇労働者が失業給付を請求する際、ハローワークで手帳の印紙貼付状況を確認することで受給資格が判定されます。この制度は、スマートフォン・電子記録が普及した現代においても「物理的な手帳+紙の印紙」という古典的な仕組みを維持しており、現代的な電子化の検討が政府内で進んでいます。
【追徴金25%の意味:制裁的性格と民事ペナルティの比較】
追徴金(免れた額の25%)は、行政上の制裁金的性格を持ちます。通常の延滞金は「未納期間に応じた日割り計算」ですが、追徴金は「不正免脱額のフラットな25%割増」という設計です。国税では「重加算税35〜40%」「過少申告加算税10%」等の加算税が罰則的機能を持ちますが、労働保険の追徴金25%はその中間的な水準です。Wave3 C2(印紙保険料3段階)・Wave4 C1(雇保印紙概論)で印紙保険料の基本を学んだ上で、本問(Wave5)では「追徴金の発生条件・税率25%・時効」という手続的詳細を深掘りすることで、印紙保険料の完全な体系的理解が完成します。
【現金納付の例外:実務的な「緊急時対応」の意味】
徴収法は原則として印紙による現物納付を求めていますが、「政府が承認した場合には現金納付も認められる」という例外があります。この例外が実際に適用される場面としては、「特定地域での印紙購入が物理的に困難な状況」「自然災害等の緊急時」「印紙販売場所(郵便局等)が閉鎖している地域」等が想定されます。現代的には「日雇労働者の就業実態自体が変化(短時間・フリーランス化)しており、印紙保険料制度そのものの見直し論」が行政内で議論されています。社労士として日雇労働者を雇用する建設業・港湾業・旅館業の顧問先で、印紙保険料の実務(印紙の購入・手帳への貼付・消印・保管)を指導できることは、日雇多用業種に特化した社労士業務の差別化要素の一つです。
根拠: 労働保険料徴収法第22条〜第26条(印紙保険料の納付義務・追徴金)・第44条(時効)。厚生労働省「日雇労働被保険者の雇用保険について」(確認日2026-04-10)。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険料徴収法第25条(印紙保険料の追徴金)、第26条(雇用保険印紙の貼付義務)、第44条(時効) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。