問題
労働保険料徴収法における印紙保険料の決定および追徴金(法第25条)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はオ(誤っている記述)です。
法第25条第2項は、印紙保険料の追徴金の額を「決定された印紙保険料の額(千円未満切捨て)の100分の25」と定めています。これに対し、一般保険料の確定保険料の認定決定に係る追徴金は、法第21条第1項により「その額(千円未満切捨て)の100分の10」です。両者は率が異なり、オのように印紙保険料の追徴金を100分の10とするのは誤りです。
ア・イ・ウ・エはいずれも法第25条の条文どおりの正しい記述です。
印紙保険料の決定・追徴金の仕組み(法第25条):
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 決定 | 事業主が印紙保険料の納付を怠った場合、政府はその納付すべき額を決定し通知する | 法第25条第1項 |
| 追徴金の率 | 正当な理由がないのに納付を怠ったとき、決定額(千円未満切捨て)の100分の25 | 法第25条第2項本文 |
| 追徴金の不徴収 | 納付を怠った印紙保険料の額が千円未満のとき | 法第25条第2項ただし書 |
| 準用規定 | 追徴金を徴収する場合に、法第17条第2項(労働保険料の追加徴収時の期限指定・通知)を準用 | 法第25条第3項 |
オが誤りである根拠:
一般保険料の追徴金(確定保険料の認定決定に伴うもの)は法第21条第1項により100分の10ですが、印紙保険料の追徴金は法第25条第2項により100分の25と、より高い率が定められています。両者は根拠条文も率も異なるため、オのように同一視するのは誤りです。
各選択肢の精査:
- ア(正): 印紙保険料の決定は法第25条第1項どおり。
- イ(正): 追徴金は「正当な理由がないと認められるにもかかわらず」納付を怠ったときに徴収する(法第25条第2項本文)。
- ウ(正): 千円未満は追徴金不徴収(法第25条第2項ただし書)。
- エ(正): 追徴金を徴収する場合の法第17条第2項の準用は法第25条第3項どおり(準用されるのは追徴金の徴収についてで、第1項の印紙保険料の決定についてではない)。
- オ(誤・正答): 印紙保険料の追徴金は100分の25であり、一般保険料の100分の10とは異なる。
【一般保険料の追徴金と印紙保険料の追徴金の比較(オの誤りの核心)】
| 項目 | 一般保険料の追徴金(法第21条) | 印紙保険料の追徴金(法第25条) |
|---|---|---|
| 前提 | 確定保険料の認定決定(法第19条第4項)の通知を受けて労働保険料・不足額を納付すべき場合(同条第5項) | 事業主が印紙保険料の納付を怠り、政府が額を決定した場合(法第25条第1項) |
| 率 | 納付すべき額(千円未満切捨て)の100分の10 | 決定された額(千円未満切捨て)の100分の25 |
| 徴収しない場合 | 天災その他やむを得ない理由による場合(第1項ただし書)/額が千円未満(第2項) | 正当な理由があると認められる場合(第2項本文の要件を欠く)/怠った額が千円未満(第2項ただし書) |
| 通知 | 法第17条第2項を準用(第3項) | 法第17条第2項を準用(第3項) |
このように、両者は前提となる処分・率・徴収しない場合の書き方がそれぞれ異なります。オは印紙保険料の追徴金の率を一般保険料と同じ100分の10としており、法第25条第2項の「百分の二十五」と食い違うため誤りです。印紙保険料は、事業主が日雇労働被保険者に賃金を支払う都度、雇用保険印紙を貼付・消印して納付するものであり(法第23条第1項・第2項)、この納付を怠った場合の追徴金は、一般保険料の追徴金とは別の条文で、より高い率が定められています。
印紙保険料の決定と追徴金の要件(ア・イ・ウの補足)
事業主が印紙保険料の納付(雇用保険印紙の貼付・消印)を怠った場合、政府はまずその納付すべき印紙保険料の額を決定し、事業主に通知します(法第25条第1項)。そのうえで、事業主に「正当な理由がない」にもかかわらず納付を怠ったと認められる場合に限り、決定された印紙保険料の額(千円未満は切捨て)の100分の25に相当する追徴金が徴収されます(同条第2項本文)。ただし、納付を怠った額そのものが千円未満である場合は、追徴金は徴収されません(同項ただし書)。一般保険料の追徴金が「天災その他やむを得ない理由」による場合に徴収しないとするただし書の形(法第21条第1項ただし書)をとるのに対し、印紙保険料の追徴金は「正当な理由がないと認められるにもかかわらず」を徴収の要件として本文に書き込んでいる点も、条文の読み比べでは押さえておきたい違いです(イ)。
準用規定の意味(エの補足)
法第25条第3項は「第十七条第二項の規定は、前項の規定により追徴金を徴収する場合について準用する」と定めています。法第17条第2項は、政府が労働保険料を追加徴収する場合に、事業主に対して期限を指定してその納付すべき額を通知しなければならないとする規定です。この準用により、印紙保険料の追徴金の徴収にあたっても、同様の期限指定・通知の手続が要求されます。なお、第1項による印紙保険料の決定の通知と、第3項で準用する第17条第2項の通知は、いずれも所轄都道府県労働局歳入徴収官が納入告知書によって行います(施行規則第38条第5項)。
社労士実務での留意点
日雇労働者を多用する建設業・港湾業等の顧問先を持つ社労士は、印紙保険料の納付懈怠に対する追徴金の率(25%)が一般保険料の追徴金(10%)より高いことを正確に把握し、印紙の貼付漏れを防ぐ日々の管理の重要性を顧問先に説明できることが実務的な価値になります。
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第17条第2項(追加徴収の通知)・第21条(追徴金・一般保険料)・第25条(印紙保険料の決定及び追徴金)、同法施行規則第38条第5項(納入告知書による通知) 一次ソース: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000084#Mp-At_25 (法令API v2で全文取得・確認日2026-09-30) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

