社労士 健康保険法 問1:健康保険法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07)
令和8年度(2026年度)の全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア令和8年度の協会けんぽの健康保険料率(全国平均)は9.90%であり、令和7年度(10.00%)と比較して0.10ポイント引き下げられた。
- イ40歳以上65歳未満の被保険者・被扶養者(特定被保険者)については、健康保険料率に加えて介護保険料率が上乗せされる。令和8年度の介護保険料率は1.62%であり、前年度(1.59%)より引き上げられた。
- ウ2026年(令和8年)4月から子ども・子育て支援金の徴収が開始され、協会けんぽでは被保険者・事業主ともに標準報酬月額に0.23%(23/1000)を乗じた額をそれぞれ支払うこととされた。正答
- エ健康保険料・介護保険料・子育て支援金はすべて労使折半で負担するため、被保険者の実質的な保険料負担率(健保+介護+子育て支援金)は一般被保険者(40歳以上65歳未満)で合計5.875%となる。
- オ協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに異なり、全国平均9.90%に対して都道府県別の料率は異なる値が設定されている。全国平均が下がっても、特定の都道府県では料率が上昇する場合がある。
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正答はウ(誤っている記述)です。
ウの誤りは「被保険者・事業主ともに標準報酬月額に0.23%を乗じた額をそれぞれ支払う」という部分です。協会けんぽの子ども・子育て支援金率は全体で0.23%(合計値)であり、これを労使折半で各0.115%ずつ負担します(協会けんぽ公式・確認日2026-06-07)。「ともに0.23%ずつ」とすると合計0.46%となり、実際の制度と異なります。
アは正しく健保料率9.90%(前年比△0.10%)、イは正しく介護料率1.62%(前年比+0.03%)、エは正しい計算(健保4.95+介護0.81+支援金0.115=5.875%・労使折半)、オは正しく協会けんぽは都道府県別料率制で全国平均が下がっても上がる県があります。
令和8年度 協会けんぽ 全国平均の保険料率一覧:
| 保険料種別 | 率(全国平均) | 前年比 | 労使負担 | 根拠法 |
|---|---|---|---|---|
| 健康保険料 | 9.9%(9.90%) | △0.10% | 労使折半(各4.95%) | 健保法第160条 |
| 介護保険料(40〜64歳) | 1.62%(1.62%) | +0.03% | 労使折半(各0.81%) | 健保法第160条の2 |
| 子育て支援金 | 0.23%(0.23%) | 新設 | 事業主・被保険者(按分) | 子育て支援法第69条の2 |
40歳以上65歳未満の被保険者の実質負担(全国平均・令和8年度):
- 健保: 4.95%+介護: 0.81%+子育て支援金被保険者分: 0.115% = 約5.875%
各選択肢の解説:
- ア(正): 健保料率9.90%(△0.10%)は協会けんぽ公式一次確認(VolatileBox: KENPO_RATE_AVG)。前年度10.00%から0.10pt引下げ。
- イ(正): 介護保険料率1.62%(+0.03%)は協会けんぽ公式一次確認(VolatileBox: KAIGO_RATE)。介護保険財政の悪化(高齢化による給付増)を反映した引上げ。
- ウ(誤・正答): 子育て支援金率は全体0.23%で、労使折半で各0.115%を負担するのが正しい設計(協会けんぽ公式・社労士法人Aoki確認・確認日2026-06-07)。「被保険者・事業主ともに0.23%を乗じた額をそれぞれ支払う」とすると合計0.46%となり実際の制度と異なる。なお厚生年金の「子ども・子育て拠出金」(0.36%・事業主のみ負担)と混同しないことが重要。
- エ(正): 健保(労使各4.95%)+介護(労使各0.81%)+子育て支援金(労使各0.115%)=被保険者合計5.875%。健保・介護・子育て支援金はすべて労使折半(協会けんぽ・厚労省公式確認)。
- オ(正): 都道府県別料率は毎年設定。全国平均が下がっても特定都道府県が上がるケースは実際にあります(医療費の地域差による)。
<!-- 監修確定 2026-06-07(legal-reviser): 結果=協会けんぽ公式(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/about/business/insurance_rate/003/index.html)および社労士法人Aoki解説で確認したところ、子ども・子育て支援金は労使折半(各0.115%)が原則であることが判明。よって作問時の前提「労使折半ではない」は誤り。正答をエ→ウに変更し、ウの「ともに0.23%ずつ」を誤肢化(実際は合計0.23%で労使各0.115%)。エは正しい記述として5.875%を維持。子ども・子育て拠出金(厚生年金・0.36%・事業主のみ)との混同を避ける注記を追加。一次ソース: 協会けんぽ・厚労省001670257.pdf(こども家庭庁支援金制度説明資料)。 -->
【子ども・子育て支援金制度:令和8年度最大の新設制度】
2026年4月から始まった「子ども・子育て支援金」は、少子化対策の財源確保のための新しい徴収制度です(子ども・子育て支援法改正・2024年6月成立・2026年4月施行)。健康保険の保険料とは別に、医療保険各制度(協会けんぽ・組合健保・共済組合・国民健康保険・後期高齢者医療制度)を通じて徴収される「附加的な費用」として位置づけられています。
制度の設計上の特徴(試験で問われやすい論点):
1. 徴収方法: 健康保険料と一体的に徴収(別々に計算・通知)
2. 使途: 児童手当の拡充・保育所整備・育児支援給付等の財源
3. 被保険者負担の有無: あり(事業主のみ負担ではなく、被保険者も負担。労使折半で各0.115%)
4. 算定基礎: 標準報酬月額(月額)・標準賞与額(賞与)に0.23%を乗じて算出(健保料と同様の仕組み)
5. 国民健康保険加入者: 別途の率で徴収(協会けんぽ0.23%とは異なる率が設定される場合あり)
6. 「子ども・子育て拠出金」(厚生年金・0.36%・事業主のみ負担)との混同に注意: 名称・徴収主体・負担構造がいずれも異なる別制度
【子育て支援金の段階的な引き上げスケジュール(法定)】
子育て支援法の附則により、支援金率は段階的に引き上げられる予定です:
- 2026年度: 約0.23%(試験基準値)
- 2027年度: 約0.35%
- 2028年度以降: 約0.46%(完全施行・月額最大500円程度)
この段階的引き上げ計画も、社労士試験の「制度趣旨・施行スケジュール」問題で出題される可能性があります。
【介護保険料率の上昇傾向と第3号保険者問題】
介護保険料率(1.62%)の上昇傾向は今後も続く見込みです(高齢化による給付増)。健康保険法上の介護保険料は「第2号被保険者(40〜64歳)」分として徴収されます。制度上の重要ポイント:
- 第1号被保険者(65歳以上): 国保・後期高齢者医療から徴収(市区町村の介護保険料)
- 第2号被保険者(40〜64歳): 各医療保険者が健保料・国保料と一体徴収(協会けんぽ: 1.62%)
- 特定被保険者: 40歳未満の被保険者であっても、40歳以上65歳未満の被扶養者(家族)がいる場合に特定被保険者として介護料を徴収(被扶養者保護)
【協会けんぽ保険料率の決定プロセスと都道府県別格差】
協会けんぽの保険料率は都道府県支部ごとに設定され、全国平均に対して地域医療費の差異が加算・減算されます。決定の流れ:
1. 厚生労働大臣が各年度の全国平均料率を告示
2. 協会けんぽ運営委員会が各都道府県の医療費実績に基づき都道府県別料率を算定
3. 2月末頃に全47都道府県の料率が公表(4月納付分から適用)
都道府県別格差の要因は、①高齢化率(高齢者が多いほど医療費が高い)②地域特性(生活習慣病・慢性疾患の発生率)③医療機関の集積(大都市は受診しやすく医療費が上がりやすい)などです。この地域差格差は「都道府県単位の保険運営を通じた地域差縮小」という協会けんぽの理念とトレードオフの関係にあり、今後の医療保険改革の論点でもあります。
【保険料負担の実務的計算(標準報酬月額への適用)】
実務では毎月の給与計算において標準報酬月額に各料率を乗じて控除額を算出します。令和8年度(全国平均・40歳以上65歳未満の例):
- 健保: 標準報酬月額 × 9.90% ÷ 2(被保険者分)
- 介護: 標準報酬月額 × 1.62% ÷ 2
- 子育て支援金: 標準報酬月額 × 0.23% ÷ 2(被保険者分)
合計被保険者控除率 ≒ 5.875%。賞与(標準賞与額)にも同様の率が適用されます。社労士実務では給与計算ソフトへのマスタ更新が毎年4月の重要業務となります。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第160条(保険料率)・第160条の2(介護保険法に規定する第2号被保険者に係る保険料率)、子ども・子育て支援法第69条の2(子育て支援金)、全国健康保険協会令和8年度保険料率告示(確認日2026-06-07・出典: 協会けんぽ https://www.kyoukaikenpo.or.jp/lp/2026hokenryou/) 数値参照: KENPO_RATE_AVG={{KENPO_RATE_AVG}}(9.90%)/ KAIGO_RATE={{KAIGO_RATE}}(1.62%)/ KODOMO_SHIEN_RATE={{KODOMO_SHIEN_RATE}}(0.23%)・すべて2026-04-01発効・令和8年度試験基準日(4/10)時点で施行済 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。